※事件を起こした店員の個人情報は絶対に記述しないで下さい。
泰尚事件(たいしょうじけん)とは、日本最悪のバイトテロ事件の1つ。
概要
かつて、東京都多摩市の丘陵地帯に造成された多摩ニュータウンの一角にそば屋「泰尚(たいしょう)」があった。
この店は幹線道路沿いの好立地で営業しており、多摩市本店(永山店)の他、一時期町田市にも2店展開しており、2011年5月期の売上高は約1億2000万円(帝国データバンク調べ)であった。前社長死後、永山店のみで営業していた…が、とある人物の悪ふざけによって悲惨な最後を迎えてしまった…
事件の経緯
「泰尚」は倒産の前年9月、前社長死去に伴い、町田市にあった2店舗を閉店。永山本店のみで経営立て直しを図りながら営業を続けていた。
しかし、その最中に悲劇は起こった。
2013年当時「泰尚」でバイト店員として勤務していた多摩大学の男子生徒が「洗浄機で洗われて綺麗になっちゃった」というコメントを付けて業務用洗浄機に横たわったり、顔を突っ込んだりした画像や流し台に足を掛けたり、胸をはだけ、店の茶碗をブラジャーの様に胸に当てたり等、目を覆わんばかりの画像を旧Twitter(現・X)に投稿した(参考)。
その結果、同年8月9日に問題行動が発覚、ネットは大炎上してしまった。店には「不衛生だ」
とクレーム電話が殺到。常連からは叱られて返金を求められたという。そして同店は閉店に追込まれた。その後、営業を再開することなく、破産に至ってしまった。
しかもあろうことか、店長が主犯格の大学生を呼び、「何故この様なことをしたのか」と問い質しても彼は下を向いてスマホを弄っているのみであったという。反省の色が微塵もない態度に対し、店長は「もう何をいっても駄目と思った」と後にメディアの取材で述べた。
「バイトテロ」によって店が破産にまで追込まれるケースは極めて稀であるという。
「泰尚」社長はとあるメディアの取材に対し、
「突然の出だしで失礼致します。
私と主人は共に東京に生まれ、主人の父はサラリーマン、私の父は公務員、双方共に片親に早く死なれ、決して幸福とはいえない環境であったと思います。そして、主人は専門学校卒とはいえ、暴走族リーダー、私は一流企業に就職しましたが、高卒です。
主人が30才の時に独立、(有)泰尚を始めました。細かい数字は割愛させて頂きますが、大繁盛致しました。飲食の基本は早い、安い、そして美味しい、とにかくお客様に喜んで頂くこと、そしてまた来店して頂き、常に笑顔を絶やさず、本当に良く働いたと思います。
ところが、時流の波には逆らえず、経営は厳しくなって参りました。
とうとう昨年9月13日(奇しくも義父と同じ命日)に主人は負債を背負い切れず、自ら命を絶ちました。葬儀には1,000人近い方が見えて下さいました。
私と娘も覚悟しておりましたので、主人は私達のために犠牲となったと思っております。
そしてあの事件から早4ヶ月近く経った今、彼らがやったことは一生許すことは出来ないし、その子(今ではもう立派な大人です)も憎いですし、その親達にさえ呆れるばかりです。
決して世の中の役に立つ人間になれなどとは申しません。でも少なくとも、人には迷惑を掛けるな、『有難う』と『ご免なさい』を何故いえないのかと。
やはり今後、裁判になる可能性は高いと思います。そんな中で損害賠償が支払われたとしたら、それはもう私がけ取るべきものではありません。
そして私は先程の『決して世の中の役に立つ人間になれなどとは申しません。でも少なくとも、人には迷惑を掛けるな、『有難う』と『ご免なさい』を何故いえないのか』との言葉通り、さらに付け加えるなら、『人様に借りたものは必ずお返しする』。それらが出来たビジネスウーマンで終えることが出来ます。
そしていつか死を迎える時は、主人の様に沢山の人達に見送られて旅立てたら、こんなに幸福なことはありません」
(引用元)
と、自分の気持ちをありのままに綴った手紙を通して回答した。
その後
結局、学生側と店側は「和解」したが、相変わらず学生側からの謝罪はない上、3,300万円の負債を負ったのにもかかわらず、学生側との和解金はその10分の1にも満たなかった(参照)。
果たして本当に和解したのか…
最後に
いわずもがな、元店員がやったことは立派な犯罪である。
1人の身勝手な行為が原因で1つの店が倒産に追込まれた事例が示す通り、これによって迷惑を被る人が数え切れない程いることを絶対に忘れてはならない。