概要
2016年1月のシャイニング・ビクトリーズで登場した闇属性・アンデット族のチューナーモンスターである。
レアリティはスーパーレアとシークレットレア。
カードテキスト
「浮幽さくら」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、
このカードを手札から捨てて発動できる。
自分のエクストラデッキのカード1枚を選んでお互いに確認する。
その後、相手のエクストラデッキを確認し、
選んだカードの同名カードがある場合、その相手の同名カードを全て除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
解説
エフェクト・ヴェーラーなどと同じいわゆる「手札誘発」と称される効果を持つモンスター。
効果の内容としては、
- 自分のエクストラデッキのモンスターを1枚を公開する
- 相手のエクストラデッキを確認する
- その中に先ほど公開したものと同名のカードがあった場合、そのモンスターを除外する
というもの。
多くのデッキは戦術にエクストラデッキの依存度が高く、大型のモンスターはその中にしか入っていないことも当たり前な時代である。
その重要なカードを通常では再利用が困難な除外、また蘇生制限のルール上仮に墓地に戻せた所で蘇生も出来ない為、よほどの除外利用デッキでもない限りそのゲーム中では使用できない訳である。
1枚だけではなく同名カード全てなので、同名カードを複数エクストラデッキに詰む可能性のあるデッキは、それが主軸であればある程デュエルの勝敗を決定する程の打撃を与えられるわけである。
発動条件として「相手よりもモンスターの数が少ない場合」というものがあるが、シンクロ召喚やエクシーズ召喚の前は複数のモンスターが並ぶ為、こちらが何も並べていない後攻を選択している時は発動させやすい。
エクストラデッキに同名カードを複数使うデッキは、登場時の環境トップクラスでは「彼岸」(彼岸の旅人ダンテ)。
環境上位に居ないものを含めるなら「希望皇ホープ」(No.39希望皇ホープ)はそれらのカードを除外ゾーンに叩き落とされた瞬間に負けが確定するほどの大打撃を受ける。
後者はホープザライトニングの下敷きとしてランク4が出せるほぼ全てのデッキに採用されていると言っても過言では無い性能のため、尚更狙い撃ちされやすいとも言える。
その他だと「列車ドール」(No.81超弩級砲塔列車スペリオル・ドーラ、エルシャドール・シェキナーガ)や「RR」(RR-フォース・ストリクス、RR-アルティメット・ファルコン)なども狙い撃ちされたらひとたまりも無いだろう。
ここまで書くと相当エグい(実際にデッキによっては本当にエグい)効果なのだが、問題点は多い。
まず「除外したいカードと同名のカードをエクストラデッキに入れる必要がある」為、「ジャンクドッペル」のようなエクストラデッキの枠が余らないデッキの中に通常のデッキの回転に一切機能しないカードを仕込むのは困難となる。
よって特に考えずに投入しては「ミラーマッチでしか機能しないカード」となる。
次に対戦相手が「除外できるカードを使うデッキ」でなければ、メインから投入しても確実に腐る。レベル3のチューナーなのでシンクロ召喚扱える分腐りにくい方ではあるが、エクシーズ召喚が主体、特にランク3を出さないデッキでは完全に死に札である。
そのため、色んなデッキと戦う可能性のある大会では無いフリーデュエルでは機能しにくく、大会でも環境が2,3種程度のデッキで固定化されてるような時期で無ければメタを張るのも難しい。そのような環境であっても、サイドデッキにメタ先のエクストラのモンスターごと仕込む方が自然なデッキ構築となる。
更には、エクストラの除外に成功してもフィールドの状況そのものは変わっていないので、特定カードに依存しないデッキではあくまで情報アドバンテージにしかならないのも問題点の一つであるため、場合によっては「浮幽さくらを使った所で悪い状況なのは変わって無い」と言うのもありえる。
戦術とは関係ないが、「相手と同じカードを持っている必要がある」ということで、メタを張る為のカード本体も必要となる。上記の彼岸の旅人ダンテは環境トップの3枚積み必須カードのウルトラレア・シークレットレアなので値段も高く、お財布にやさしくないという事情もあったりする。
名前は「冬桜」からだろう。このカードの登場の季節(1月)に咲くさくらの栽培種がそう呼ばれる。
なお「浮幽」は造語であるが、このカードの登場の1年弱前に出た幽鬼うさぎに近い名前である。
イラスト以外にも「レベル3」「チューナー」「手札誘発の効果」「ステータスが0/1800」と共通点は多い。
ちなみに禍々しい大鎌を持っているが攻撃力は0。効果用と言う事だろう。
容姿とカード価格について
幽鬼うさぎと違って公式の発表は特になく、発売1~2日前のフラゲによって判明したカードであるが、「幽鬼うさぎに似た雰囲気のイラスト」なカードである以上話題にならないわけがなかった。当然のごとく、環境トップの彼岸が阿鼻叫喚となる効果も含めて話題をさらっていき、pixiv内でもイラストが幾つか投稿されている。
中には、幽鬼うさぎの英語名の男の娘疑惑から「こっちも男の娘だろう」なんてネタもあったりする。
発売後も「環境トップにぶっ刺さるカード」と言う事で値段もスーパーレアが2500円相当、シークレットレアが6000円相当といつも通りな値段となったが、上記の通り大会に出ない人にとっては縁のないカードなこともあり、発売から1週間の時点でスーパーレアが1000円を切る程度にまで下がっている。