概要
焼印や熱した鏝による仕上げや加工に使う道具のことである。その名のとおり、炭火などに入れておいて熱して(焼いて)から使う。
衣服のしわ延ばし・折り目付けやはんだ付け(特に板金加工)では電気式のものが登場する前に使われていたが、現在では電熱式やガス式に置き換えられてしまい、焼きごてによる衣服のしわ延ばし・折り目付けや金属のはんだ付けはめっきり少なくなっている。
pixiv内では焼印をつけられたキャラクター(R-18になっているものと・R-18Gになっているもの両方ある)や拷問の道具としてのイラストとウッドバーニングなど木や皮を焦がしてイラストを描いたもの、焼印をつけた木材風イラストなどがある。
焼き鏝の種類
焼印用
罪人への罰や動物(家畜)の識別用の印として熱した鏝を押し付けて火傷させる。火傷が治っても痕が残るため永続的な印付けとなる。現在は人に対して行うと虐待、傷害といった犯罪や人権侵害となるため行ってはならない。
他に木材の管理のための印付けや、饅頭など食品の模様付けとしても行われている。
ちなみにウッドバーニングも行っていることは焼印の一種であるが、焦げ目をつける為の鏝先が小さく鏝自身が熱を発する構造でなければまともに絵が描けないことと、主に屋内で行う点などから電熱式の鏝を使うのが一般的。また市販されているウッドバーニング用鏝も殆ど電熱式となっている。
しわ延ばし用
洋服のしわ延ばしや折り目をつけるために使われる。現在の電気アイロンと同じ目的の道具。炭火の中に先端部を入れておいて適温になったところで衣服のしわを延ばしたり折り目をつける。ただし、電気アイロンと異なりスチーム機能はない。
炭火に入れるものの他に中に火熨斗(読み:ひのし)や炭火アイロンの様に火を熾した炭を入れるものもあった。これは良質な木炭の製造・流通の発達していた日本国内でよく使われた。
海外では石炭の採掘・流通が発達していたため同様に火を熾した石炭を炭火アイロンに入れて使っていたが、石炭では火が強すぎたり、はじけて火の粉が舞うことがあったためアイロンストーブと呼ばれる専用のストーブで焼き鏝を加熱してしわ伸ばしを行うことも多かった。
はんだ付け用
金属製の棒の先端に用途に応じた形状の銅の塊が取り付けられている。炭火やバーナーなどで加熱し、はんだ付けを行う。火で焼いて使うためか「焼半田鏝」(読み:やきはんだごて)ともよばれる。
はんだ付け用のものも現在は大小ともに電熱式・ガス式のこてがあるが、斧型と呼ばれる形状の焼半田鏝については高圧ケーブル端末処理のはんだ付け作業で使われるためか現在でも販売されている。