概要
はんだ付け用の合金をさし、金属同士の接合や電子回路の部品固定に使われる。従来は融点の低い錫-鉛合金のハンダが使われていたが、近年は有毒な鉛を含んでいるということで鉛を含まない鉛フリーはんだ(主に錫-銀-銅合金や錫-ビスマス合金)に移行しつつある。
ただし、従来の含鉛はんだに比べ融点が上がっており、鉛はんだ用機器では熱量が不足したり、また従来は鉛で抑えられていた化学反応による腐食でハンダ槽に穴が開いてしまうなど機器の変更が必要となる。
半導体部品のボンディングには非常に高価な反面、信頼性が非常に高い金系はんだ(金-錫合金など)が用いられる。
なお、電子機器で発熱量が多く排熱が上手くいかない状態にあると「ハンダ割れ」「ハンダ溶融」が発生して故障する事がある。→一例:真空管テレビ、RRoDなど
現時点における鉛フリー対策の例外
航空産業、軍事産業、宇宙産業については動作中の故障が絶対に許されない用途ゆえ要求する信頼性が非常に高く、現在開発・流通している鉛フリーはんだではこれらの産業が要求する信頼性がまだ確立しておらず、研究途上段階のため現時点では鉛フリー化の対象外となっている。ただし、部品単位で見た場合は部品として要求される信頼性の適合を求められるので、鉛フリー品と鉛入り品が混在していることがある。
鉛フリーはんだについての余談
錫の鉱石から鉛を完全に除去するのが難しいため、RoHSやJISなどの規制では鉛の含有率が0.1重量%以下であればOKとされている。ちなみに、市販の鉛フリーはんだでは0.05重量%以下になる様管理されている。
また、最近の鉛フリーはんだでは銀の代わりにニッケル、ゲルマニウムを含有させた銀レス鉛フリーはんだというものが出てきており、銀による銅食われや材料費の対策をしたものもある。