右肘から二の腕に牡丹の痣がある。
概要
犬坂毛野胤智(いぬさか けの たねとも)。
下総豪族で大名の千葉氏重臣・粟飯原胤度の妾の子。
馬加大記の策謀により籠山逸東太の手で胤度は討たれ、粟飯原一族は滅ぼされる。しかし討手を避けた毛野の母は相模箱根の犬坂村に逃れ、3年もの間孕んだ末に彼を生んだ。
母とともに女田楽の一座に入ったため毛野も女装で育てられ、旦開野(あさけの)と名乗っていた。長じて後は仇である馬加と籠山を狙う。
女と見紛う美貌を誇る。かつて旦開野として犬田小文吾に結婚を申し込んだ事があるが、この時小文吾は女だと思い込んで承諾している。
八犬士随一の策士と評される。
派生作品
映画『里見八犬伝』
演:志穂美悦子
八犬士唯一の女。舞と剣術をよくし、蛇を使役して攪乱する。
蛇に憑かれた「呪われた身体」と自称、「誰からも愛されず誰も愛さず」を信条としてきた。持つ玉は「礼」で、危険を察知すると光って警告する。
女田楽の裏で暗殺者として生きており、依頼を受けて犬塚信乃の義妹・浜路姫の婚礼の場で、婿である代官を殺害。信乃と因縁を作る事となる。
闇の軍団に与する大蛇の化身にして美青年・妖之介に「自分の為に生まれてきた女」として執心され、毛野も妖之介に惹かれながら使命ゆえに殺し合う事となる。
ノベライズでは両性具有。
漫画『里見☆八犬伝』
「智」の犬士。
芸人一座で育ち、女形としての修行を受けている。一見すると絶世の美女。
色仕掛けを得意とする一方で腕っぷしは強く、舞によって魔を祓う。キレると八犬士最強と評される。信乃が女だと気づいている、唯一の人物。
OVA『THE八犬伝』
声:高山みなみ
原作通り女田楽師として馬加に接近していること、無口で合理的、ハードな性格も健在。
八犬士の使命を優先させる孤立無援な犬江親兵衛に対し、ただ一人長い期間彼に味方したこともあった。
その一方、原作とは異なり子供のころまで父親は生きており、しばしば2人で笛を演奏しあうなどお父さん子だったことが明かされている。
小文吾口説きこそしないが、仇討ちの時に子供まで殺そうとする毛野の非情っぷりに小文吾は激昂し、彼と刀を交えたこともあった。
一方で最終決戦時には小文吾の奮闘を見て行動を改めるなど、彼に強い影響を受けていることが分かる。
戦闘時は2本一組のサイ(十手似の小刀)を使用。華麗な剣さばきを見せている。