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概要

宮沢賢治の執筆した作品の中では数少ない生前発表作品。

尾形亀之助編集の雑誌『月曜』の大正15年(1926年)3月号に発表された。

物語のを通じて人間の差別いじめの悲惨さ、愚かしさを風刺している。


物語

軽便鉄道駅の近くにある猫たちの事務所は歴史や地理を調べ、尋ねてくる猫たちに教えていた。

黒猫の事務長、白猫の一番書記、虎猫の二番書記、三毛猫の三番書記、かま猫の四番書記の5匹が仕事を分担して運営していた。

かま猫というのは普通の猫より皮が薄く寒がりなため釜戸の中で寝ており、いつも煤けていて他の猫からは嫌われていた。しかし、事務長は同じ黒色であり、試験も優秀だったためにかま猫を採用した。

とは言え、他の書記たちからは嫌われ、何かにつけて因縁を付けられいじめられていた。幸いに事務長が味方してくれていたが、それも当てにならなくなってしまう。

かま猫が病気で休んだ時に他の書記たちが事務長に嘘の休んだ理由を吹き込み、真に受けた事務長もかま猫をいじめる側になってしまった。

事務所に戻ったかま猫に書記たちも事務長も彼の存在を無視し、彼の担当を取り上げて仕事を続け、かま猫は何もできず俯き泣いていた

するとそこへ、様子を見ていた事務所の生殺与奪の権限を握る偉い獅子が現れ、慌てふためいたいじめをする猫たちを叱り飛ばし、事務所の閉鎖を命じた。この時かま猫は冷静に起立していた。


原作者曰く、かま猫に同情し、獅子に半分同感です。


関連タグ

宮沢賢治 童話  いじめ パワハラ

弁当箱…当時の憧れアルミの弁当箱が出てくる。

和泉十七夜(マギアレコード)…猫の事務所を意識したエピソードがある。

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