概要
正式タイトルは「現代ダンジョンライフの続きは異世界オープンワールドで!〜強欲冒険者はメインクエスト(BADエンド)をぶちのめし冒険者とパン屋をやりつつ現代オタク知識を活用して欲望のままに冒険都市で成り上がります〜」。
小説家になろうで連載されているweb小説。作者はしば犬部隊氏。
2021年06月から連載が開始。まだ連載が始まって間もないにもかかわらず、人気急上昇中の作品。
「第七回オーバーラップweb小説大賞(前期)」で金賞を受賞。2022年に書籍化及びコミカライズが決定した。
カクヨムの「凡人ソロ探索者は現代ダンジョンに酔いながら恐ろしい怪物に立ち向かうようです」と世界観がリンクしている。
欲望(夢)を叶える為に悪知恵が働く主人公が活躍するダーク・ファンタジー+コメディ。
主人公・遠山鳴人の欲望(夢)を貫く生き方と独自の解釈、そして溢れる犬(イッヌ)愛がこの作品の魅力。
主人公の秘蹟効果で文の一部はゲーム風のように表現されている。表示されるメインクエストがBAD(鬱)ENDルートであり、主人公の強引な選択でメイン無視のサイドクエストが進行。その結果、血と涙とグルメといった濃すぎる異世界生活が始まる。
なろう系では珍しく主要人物は「人間+蜥蜴人間」の異種族コンビ。
通例通り美少女美女は次々に登場するのだがメインはアラサーの男二人。しかも主人公は女性と恋愛ができない体で、相棒と組んで早々に孤児達を拾いヒロイン抜きで疑似家族生活を始める。
上記の一部のお姉さまが歓喜する設定や作中の性的な台詞等、内容にはGLも匂わす描写が含まれている。
ちなみに異性恋愛も当然あるのだが、主人公に好意を認識されれば即座に敵と見做される鬼畜エンドになる。
ストーリー
西暦2025年。世界に財宝と怪獣が蔓延る地、現代ダンジョンが出現。
そして三年の月日が流れ、現代ダンジョン「バベルの大穴」にて。仲間の為に殿を務めた上級探索者・遠山鳴人(トオヤマナルヒト)は、死ぬ間際に思った。
―――湖のほとりに小さな家を建てたかった
意識が闇に落ちたとき、誰かの声が聞こえた。
―――「現代ダンジョンライフの続きは異世界オープンワールドで」
ナルヒトが目覚めたとき、そこは地球でなく多種多様な異種族が住むファンタジーの世界。
しかし奴隷として捕縛されていた彼はリザドニアン種族ラザールと共に危機的な状況に追い込まれていた。
生きる神『蒐集竜』を前に絶体絶命に陥ったとき。
―――湖のほとりに店を建てたかった
命を諦めて吐き出されたラザールの夢が、ナルヒトの夢(欲望)を搔き立てた。
登場人物
主要人物
- 遠山鳴人
本作の主人公。職業は探索者。年齢は27歳。
現代ダンジョンを探索中、怪物種の襲撃で仲間を庇った末に瀕死の重傷を負い、異世界に転移する。冒険奴隷として捕縛されるも乱闘騒ぎを起こして介抱してくれたラザールと共に脱走。ヘレルの塔で蒐集竜を抹殺した事で「竜殺し」の称号を得る。これにより「番」の権利も得たが自ら放棄し、ラザールとの夢を叶えるべく庇護した孤児達と共にパン屋の開店を目指す。諸事情で冒険者業の他に異端審問官の任も兼業。
孤児出身。己の欲望に忠実で非常に悪知恵が働き、エキセントリックで一貫した価値観の持つ男。
基本的にお人好しだが素直でなく、やや偏屈気味。悪意を向けてくる者には一切躊躇せず殺害する冷徹な二面性を持ち、被害を恐れて身内の女子供も対象にする程(今現在実行はしていない)。
現代で探索者となったのは亡き愛犬タロウとの約束が起因となってる。「ヒヒヒヒ」という不気味な笑い方が特徴。一部の副葬品の声が聞こえたり、細身に反して体重が異様に重い等、謎が多い。現代の常識や豊富な知識はあるが、異世界では字がわからず世間に疎い。異世界を好むオタク。
黒髪栗眼で鋭い目つきの青年。現代時代から孤立気味で異性にモテず、友達も少ない。その反動からか心を許した相手への情は深く、特に相棒となったラザールを大切に想っている。
探索者組合によって強制的に脳をイジられており、自分に好意を告げた女性は敵と認識する等、他に技能にも影響を与えている。
秘蹟「クエスト・マーカー(BADEND好き)」
運命、宿命、使命を可視化しゲームのように進行案内表示する。
マーカーは所有者に掴め、対象者を強引に変える事でメインとサイドクエストを切り替える。
案内役は天使に遣わされた『知識のハーヴィー』が担当している。
副葬品「キリヤイバ」
所有者の体内に住み着き、体外に召喚される。50m範囲内で刃の霧を発生させて、対象者を切り刻む他に「敵」と認識した対象を所有者の意思関係なく殺傷する。また、どんなスキルでも心が覗けない防波堤効果も持つ。犬のような嗅覚がある。物理特化の重量級とは相性が悪い。使用後は極度の空腹に襲われる。姿は欠けた刀剣。
元はナルヒトの相棒であった亡犬タロウとキリが融合して誕生した存在。
古き時代から悪行を繰り返し、数々の著名人に封印されてきた。キリの予定では内側から蝕み、ナルヒトの肉体を乗っ取ろうと企てていたがタロウの意思に阻まれている。夢は自由に旅をする事。姿は大男。
ナルヒトの幼少期に憑りついており、本人の知らぬ間に殺人事件を起こしていた。把握していた探索者組合によって幾度も調査されていたが謎は解明されていない。現代ダンジョンで入手した刀剣は媒介と思われる。
パッシブスキル
・探索者適性…現代ダンジョンの酔いで発生した技能。論理的に非道な道を選べる。異常状態が“恐怖”になった時、高い確率で無効化して“怒り”に変化させる。
・鈍器取り扱い…刃の無い武器を使用時、強化補正が発生。
・犬だいすきにんげん…犬との共闘時、絶大な強化補正が発生。
・頭ハッピーセット…人為的な記憶洗浄による弊害から発生した技能。善悪の認識はできるが己の行動は抑制できず、全てをハッピーに解釈する。特定行動時、精神値に多大なる補正を発生し精神汚染の影響は受けづらい。
・キリの主人…不明。
・恐怖耐性…恐怖を抱かない精神技能。
・戦闘思考…情はなく戦闘に集中する精神技能。
・オタク…雑多な知識を媒体問わず吸収する技能。専門的な会話になるとコミュニケーションが低下する。
・拡大する自我…自我はまだ未完成で他者の影響を受け変化し、その他者にも強く影響する。
・女運:hopeless…女性に愛を告げられれば即座に敵と見做す精神技能。本人に自覚はない。
・竜特攻…竜を殺して得た称号。竜に対して絶大な補正が発生する。
・カラス殺し…犯罪者ギルドのメンバーを殺して得た称号。
- ラ・ザール
ナルヒトの相棒。職業は斥候。年齢は32歳。
王国出身で「シャドウ・トゥース」と「影の牙」の異名を持つ犯罪者。亡命後に帝国の関所で冒険奴隷として捕縛され、気絶していたナルヒトを介抱する。彼の乱闘騒ぎに乗じて共に脱走するもヘレルの塔で蒐集竜と遭遇し、教会の帰還印の賭けにナルヒトに譲られた事で帝国に強制転移して難を逃れる。
犯罪ギルドや教会騎士達に追われる中でスラム街に潜伏し、ナルヒトと再会。二人で夢を叶えるべく庇護した孤児達と共にパン屋の開店を目指す。諸事情で冒険者業の他に異端審問官補佐の任も兼業。
誠実で義理堅く理性的な人物。その上気配り上手かつフェミニストであり、迫害の壁を超えて異性にモテる。まだ短い期間ではあるがナルヒトとの絆は深く、暴走気味な彼のストッパー役も務める苦労人でもある。ナルヒトと同様に悪事の才能を持つものの、根が純真で精神攻撃の耐性が低く腹芸も苦手。
王国時代は才故に暗部に取り込まれ、生きる為に自主的に犯罪の仕事を請け負っていた。生来パン作りの才能を持ち、ナルヒトが絶賛する程の腕前。
眷属憑きで『悪事のフリージア』の寵愛を受けており、影を操る事ができる。
迫害されるリザドニアン種族の青年で外見は蜥蜴頭。色気ある低音ボイスの持ち主。
影の導き
『悪事のフリージア』の権限の一つ。自らの影の中に潜んだり、影を物質化して扱うことが出来る。使用限度は二人まで。
歯の尖兵
種族スキル。一人一人の死を種族全体と共有し、力を増幅する。
権限も加わる事で形態も変わり亜竜化する。
パッシブスキル
隠密…気配を消して行動する技能。“影の導き”と連動できる。
スニークアタック…隠密中に敵の不意を突いて攻撃する技能。
パン作りの才能…パンに関する物品の製造に補正が追加する。
他、未公開。
- アリス・ドラル・フレアテイル
竜界と人間界を繋ぐ「竜の巫女」にして塔級冒険者。称号は蒐集竜。年齢は100歳。
ヘレルの塔で第二級徒党「ライカンズ」と共闘を予定していたが、徒党を壊滅させたナルヒトとラザールに興味を抱き教会の帰還印を賭けにして二人の殺し合いを楽しもうとした。
しかしナルヒトの機転で敗れ七つの命の内、一つを落命。彼を見初めて「番」とするべく、国中で捜索し一か月後に再会。婚儀を挙げようとしたが断られてしまい、凹みつつも友人から始める事となった。
外では目立つ為、人間の幼女「アリー」に変身する。竜族の中で性質は最も人間に近いとされるが、精神年齢は十代。故に残虐な部分も持つ。
ナルヒトにぞっこんLOVEだが彼の脳の特性上、異性として意識されていない。現在友情を勉強中。興奮すると尻尾が出る。本名が恥ずかしく、ナルヒトから「ドラ子」と呼ばれている。
人間形態は金髪碧眼の長身美女。ナルヒトより片目を潰されている。怪物形態は黄金の西洋竜。鎧も黄金。
- アイ・ケルブレム・ドクトゥステイル
柱の一人。称号は人知竜。
魔術式の祖であり、魔術学院の後見人を務めている。天使教会の大敵。
教会の内輪揉めに巻き込まれたナルヒト達の前に現れ、騎士派達を一方的に蹂躙した。
とある理由でナルヒトに執着しており、危うい愛情を向けている。称号通りの強欲な探究者であり、非常に聡明。
竜族の中では穏健派で人間には甘い。ある人物に恐怖心を抱いているが…。アリスとは犬猿の仲。
一人称はボク。ナルヒトの趣味で言っているだけに過ぎない。
容姿は全身黒尽くめの美女。粘着的な喋り方が特徴的。
別作品「凡人ソロ探索者は現代ダンジョンに酔いながら恐ろしい怪物に立ち向かうようです」の全知竜の転生体。
冒険者ギルド
- ハイデマリー・スナベリア
冒険者ギルド「アガトラ支部」のギルドマスター。23歳。
才色兼備で若くしてギルドマスターに推奨された程の学歴を持つ。ナルヒトが認める程の敏腕だが、現在ギルド内を変革中で試行錯誤の真っ最中である。
性格は冷静沈着。サパンに態度は厳しいが、少なからず敬意を抱いている様子。
眼鏡が似合う長身美女。
- ウェンフィルバーナ
塔級冒険者。職業は弓使い。
200年前の大戦で活躍した勇者パーティーのメンバーにして唯一の生き残り。
仲間達の死後、長きに渡る孤独から伴侶候補を得た蒐集竜に嫉妬心を抱いている。
瓜二つの「ウェンフィルバーナ・ジルバソル・トゥスク」という人物と深い因縁があるらしい。
銀髪が特徴のエルフ族の美少女。
- ロン
「ライカンズ」の隊長。階級は二級。
名前のみ登場。転移して意識がないナルヒトを冒険奴隷として捕縛。彼を警戒していたものの、用を足している間にナルヒトが起こした乱闘で徒党は壊滅する。
実力だけなら一級並みらしいが、メンタルがミジンコ並みに小さく胃をよく下す。
- エル
「ライカンズ」所属。階級は二級。猫獣人の美少女。
内気な性格で冒険奴隷をヘレルの塔で生餌にする事に抵抗を見せた。奴隷の一人であるナルヒトが起こした乱闘が原因で徒党が壊滅し、姉フランはモンスターに食い殺された。生還したもののナルヒトを恨み、冒険者達を嗾けて殺そうとしたが蒐集竜の介入で失敗。後日、ワームの生餌にされた。
貴族
- サパン・フォン・ティーチ
辺境伯。南部領主「冒険都市アガトラ」の最高責任者。
竜の落命を知った時は抜け毛が通常の1000倍に増えた。臆病でビビりだが追い詰められれば力を発揮するタイプで統治力がある。姪がいる。
小太りな中年男。カツラ装備。
天使教会
- カノサ・テイエル・フイルド
女主教。聖職者でありながら貨幣経済を愛し、周囲からは「銭ゲバ」と呼ばれている。
平民出身で現在の地位に就いた女傑。主教派に属し、不仲の原始主義派や騎士派の統制に頭を抱えている。
現実主義者であるが蒐集竜から死刑宣告を受けたシヴィを守るべく命がけでホラ吹いて弁明をするなど決して無情な人物ではない。この一件により「ナルヒトの起こす後始末を天使教会が全責任を負う」事となり、騎士団の暴走後は彼らを異端審問官として組織に取り込んだ事を伝えた。
ナルヒトとは同タイプの人間であり、好みや設定等が真逆。女性限定の面食いかつ大の猫好きで、部下は猫系獣人の女子で揃えている程。美少女や美女を愛でる[[両性愛者]でもある。賢さはナルヒトの四倍もある怪物であり、秘蹟を二つ宿している。
作中では心の叫びがとにかくはっちゃけている。継承秘蹟の代償により寿命は少ない。
白髪で糸目が特徴の女性。瞳は紫。
継承秘蹟
教主が代々継続している特殊な秘蹟。使用時は寿命を削る。
秘蹟「十字星」
断片的な予言を与える。所有者の都合では扱えない。
- スヴィ・ダクマーシャル
階級は主席聖女。
カノサの命でナルヒト達を監視していたが、彼女を喜ばせるべく瀕死の状態のリダを回復させる代わりに教会誓約書を結ばせ白金貨50枚の支払いを命じた。それが起因で蒐集竜の怒りを招いてしまい、処刑宣告を受けるも教主の弁解で生き永らえる。協会誓約書が後に仇となり、異端審問官となったナルヒトに利用された。
カノサに忠誠以上の思慕を抱いている。人間らしい目をした人物を好む反面、それ以外に関心はない。
天使の寵愛を受けているので己の実力に絶対的な自信を持っていたが、同じ超越者ベルナルには為す術なく敗北した。
天使のような愛らしい容姿の持ち主。
秘蹟「治癒の手」
どんな傷でも回復させる。あらゆる生命を癒し、自身の肉体も強化する。
副葬品「教会誓約書(プリジ・スクロール)」
誓った内容を履行する。守れなかった者は廃人となる。第三記の大戦で紛失したらしいが実は教会が密かに保管していた。
- トッスル
異端審問官の一員。猫獣人。主教直属の部下。
諜報員の仕事もこなし、その有能性からカノサからは「羽」と呼ばれている。
白毛で緑色の瞳を持つ。カノサの趣向に沿った修道服を身に着けている。
- ドアゴ・フォン・スーパナ
騎士団団長。貴族階級は男爵。
カノサの正式な客人であるナルヒトとラザールを逆賊として捕らえるべく部下達を率いて襲撃した。
介入した人知竜により顔のパーツを変えられ、ヘレルの塔へ強制転送された。
選民意識が高く、平民出身で現在の地位に就き、大使館に招かれるカノサに嫉妬している。教主の秘蹟による強制効果は効かない。カノサからは脳みそが小さじ一杯と言わしめる程に脳筋。しかもメッサの魔眼により完全に籠絡されており、彼女の命令に忠実。
太った中年の男。
秘蹟「戦車」
筋肉を強化する。
- メッサ・スフォイア
騎士団副団長。
眷属の席を下りた『美と女のディーテ』の人間界の転生体。秘蹟もスキルも持たず、魅了を宿す魔眼で団長や騎士達を従えている。
ナルヒト達を主教派から騎士派に引き込もうとラザールを眼で籠絡するも、ナルヒトには効かず舌を噛みちぎられ『悪事のフローリア』の逆鱗にも触れてしまう。続けて人知竜の介入で体内を弄られ、ヘレルの塔へ強制転送された。
人間主義者で竜を軽視し、人間中心の新たな社会を夢見ている。
美しい見た目に反して中身は欲深で醜悪。肉体関係は団長の他に過去にはカノサともあった。
麗人風の姿をした美女。桜色の瞳を持つ。ナルヒト曰く「オタサーの姫」。
魅了の魔眼
『美と女』の眷属の権能の一つ。男の精神を支配する。同性には効きづらい。
- ストル・プーラ
第一席騎士。詳しくは下記「ナルヒトの疑似家族」にて。
- ブレナ
第二席騎士。
『殺害のエニュー』の眷属憑きで、七つ道具を操る。
快楽殺人鬼。団長を慕っており、メッサに強い嫌悪感を抱いている。
ナルヒトの右腕を切断した事で介入した人知竜の怒りに触れてしまい、自分の右腕以外をヘレルの塔へ強制転移される。
常に仮面をつけているので素顔は不明。性別は女性。「にゃははは」といった笑い方をする。
- クラン
第四席騎士。
蒐集竜に崇拝を超えた愛情を抱き、一度は焼き殺されかけたが教主カノサの助命で一命を取り留める。
それでも蒐集竜への偏屈した愛は変わらず、「番」に選ばれたナルヒトを憎悪する。
門番殺しの罪でラザールを追跡したクレイデアに加担し捕縛。ナルヒト達の正体に気づくもストル達に告げずに続行し、亜竜化したラザールと再び対峙する。しかし背後のナルヒトの「キリヤイバ」に恐れた「猟犬の剣」が戦闘を放棄した事で呆気なく敗北し重症を負った。
自信過剰でお世辞にも善人とは言い難い人物。その人柄か上役から「死んで欲しい」と悪口を言われている程だが二日間で二度も生還している。
銀髪緑眼の美丈夫。
副葬品「猟犬の剣」
剣先は針の如く細く、斬撃は影すら貫く事ができる。ラザールの天敵とも言える。
しかし本質は「犬」である為、ナルヒトの「キリヤイバ」に格付けで敗北した。
- クレイデア
第七席騎士。ストルの相棒的存在。
門番殺しの犯人をストルと捜索中、秘蹟でナルヒトだと特定する。二手に分かれてラザールを追跡し、クランの助力で捕縛。再び亜竜化したラザールと対峙し、ストルと追い込むが復活したナルヒトを前に戦意を喪失した。
『死』の眷属憑きで、権限により死者を見て臭いを感じ取る事ができる。その中でも死の概念から外れたナルヒトを前にすると恐怖し、嘔吐する。真面目な性格で騎士十席達の中では常識人の部類に入るらしい。
ポニーテールが特徴の清楚な女性。
秘蹟「来訪」
死の眷属から"死"を凝縮した武器「13番目のペールの槍」を与えられる。
竜大使館
- ベルナル
アリスに仕えている老執事。彼女に仕えて百年で、「爺」と呼ばれている。
未熟に成長していくアリスを案じていたが、彼女に勝利し対等に接するナルヒトに希望を見出している。
以降はナルヒトを「友人殿」と呼び、好意的に接する。超越者の一人で聖女スヴィを圧倒する程の実力を持つ。
白髪の小柄な老人。「鬼人」とも呼ばれている。
ナルヒトの疑似家族
- ストル・プーラ
第一席騎士。騎士の中では最強クラス。14歳。
自分は賢いと思っているがカノサからは脳みそが大匙一つ分しかないと言わしめる程に知能が低い。ナルヒト曰く「頭が弱い以外は超一流」。
この特異性から騎士団から意図的に教育をされず、歪んだ正義の名のもとに自縄自縛に陥っている。
紆余曲線あって教会庇護下のナルヒト達を門番殺しの犯人と断定して襲撃。ナルヒトを一時期死亡させるまで追い込むが復活した彼に秘蹟と「首吊り剣」を破壊され、駆け付けたカノサとスヴィにより捕縛される。後に破門となり、異端審問官となったナルヒト達の側仕えとなる。
性格は猪突猛進で単純。語尾に「~ディス」をつける。人をディスるときはIQが上がる。
水色の髪と瞳を持つ小柄な美少女。アホ毛が生えている。
秘蹟「正義」
この世の全ての正義概念の権化。質問の答えで真実と偽りを判断する。ただし、質問の内容次第では罪を逃れられる。常人では正義に意識を乗っ取られて使いこなせないが、超人か知能が低い人の場合は行使できる。後にナルヒトによって消滅。姿は翼が折れた継ぎ接ぎの天使。
副葬品「首吊り剣」
剣先を向けた対象の首を吊り、絞め殺す事ができる。後にナルヒトによって破壊された。
副葬品「開廷」
細身の剣。
- ルカ
スラム街に住む少年。11歳。
リダ達の為にスリを繰り返しており、ナルヒトの財布を盗んだ後で悪漢達からリンチに遭っていたところを彼に救われる。
カラスの下っ端達の襲撃後はナルヒトとラザールの庇護下に入った。近々パン屋の店員になる予定。ナルヒトに感銘を受けてからは「兄さん」と呼び慕っている。
跳躍系のスキル持ち。訳アリで傷の回復能力が早く、勘も鋭い。捻くれ者の性格。
黒髪栗眼。中性的な顔立ちの持ち主。普段は帽子を被って髪を隠している。
- リダ
スラム街に住む少年。13歳程。
年少五人チームの最年長で皆の兄貴分。年齢以上に賢く、推理力も高い。
カラスの下っ端達の襲撃で瀕死の重傷を負うが、聖女スヴィの秘蹟で快復。後にナルヒトとラザールの庇護下に入った。近々パン屋の店員になる予定。ナルヒトを「兄貴」と呼んでいる。
茶髪で切れ長の瞳を持つ。
- ニコ
スラム街に住む少女。12歳程。
年少五人チームの紅一点。愛想がよく社交的で、しっかり者。
カラスの下っ端達の襲撃後はナルヒトとラザールの庇護下に入った。近々パン屋の店員になる予定周りに大人の女性がいなかったせいか行動が大胆。ナルヒトを「兄貴さん」と呼んでいる。
赤毛で貧しい生活を送っていた割に体はよく育っている。
- ペロ
スラム街に住む幼児。リダ達より年少。
シロを背負っている。金髪の天然パーマ。
- シロ
スラム街に住む幼児。2、3歳程。
まだ喋る事ができず、いつもペロに背負われている。
商人ギルド
- ドロモラ・ヴレーメン
ドロモラ商会の会長。王国出身。元は王族御用達の凄腕商人だが国を見限り、従業員ビスエと共に帝国へ移住した。
冒険者ギルドの仕組みに気づいた上で商いをしていたとき、ナルヒトと出会い彼に投資価値を見出す。
帝国一の商人を目指している。
白髪交じりの壮年の男性。客の前では愛想は良いが、素は不愛想。
犯罪ギルド
- ワイズマン・ボラ―
嘴のミルダの下部組織の一員。
部下達とラザール捜索中にルカ達を嬲り、リダに重傷を負わせた。しかしナルヒト達の助太刀で部下達と共に敗れるが自身は分身スキル「双子たちのチャンス(ツインズ・チャンス)」で復活し襲い掛かる。それでもナルヒトに敵わず、逆に拷問に遭い情報を吐き出した後で死亡。しかし、土壇場でスキルが三つ子に進化して生き残るも「キリヤイバ」の意思によって三度目の死を迎えた。残虐な性格。余裕ぶっているが怒りの沸点は低い。
外見は優男。
眷属
- ハーヴィー
象徴は「知識」を司る。副葬品は「人見水晶」。
僕っ娘であったが後にお淑やかな口調に修正された。天使によってナルヒトの秘蹟「クエスト・マーカー」の案内役に遣わされた。夢の中でナルヒトの前に現れ、取引に敗北。自慢の公文書館をパンの専門図書館に変えられ号泣した。フローリアとは不仲。己自身や天使の正体を突き止めたい願望を抱いている。
眼鏡をかけた優雅な女性だが、猫を被っているに過ぎない。正体は吸血鬼。
権限は公文書館。
- フローリア
象徴は「悪事」を司る。
主に善性の人間に権限を与え、観察して楽しんでいるらしい。
現在はラザールを特に気に入っており、自らの意思で助力もしている。
権限は影。眷属憑きの一人はラザール。
- ?
象徴は「死」を司る。
権限は死に纏わる事。名前は不明。
眷属憑きの一人はクレイデア。
- コトシロ
象徴は「契約と商売」を司る。
権限は不明。登場している眷属の中で唯一、本体で自ら選んだ後継者と共に行動している。
- ファラン
象徴は「奉仕」を司る。
権限は不明。本体と分霊して竜大使館のメイドとして働いている。蒐集竜を「お嬢様」と呼び可愛がっている。ベルナルと対等に話せる存在。
明朗な性格。
- エニュー
象徴は「殺害」を司る。
権限は不明。眷属憑きの一人はブレナ。
現代ニホン
- 日下部瀬奈
ナルヒトが所属していたファイアチームの紅一点にして、彼を呪われた童貞一直線にした張本人。
正体はニホン国公安組織構成員。とある理由で幼馴染の鳩村と共にナルヒトの監視任務の命を受けていた。本名は名瀬日菜。
温和で可愛らしい性格だが、本性は冷徹でナルヒトに支配的な恋愛感情を抱いていた。暴走した末にナルヒトに自分を含めた好意を向ける女性は全て敵と認識するよう催眠誘導し、脳の一部を壊した。
この企みによってナルヒトはメッサの魅了眼から救われたものの、自分が女性に恋できなくなった事実を全く知らない。
その他
- ウェンフィルバーナ・ジルバソル・トゥスク
塔級冒険者ウェンフィルバーナと同名。
一人称は「風」。自称ナルヒトの宿敵らしい謎めいた人物。見えない仲間マルスとヘレルの塔で暮らしている。蒐集竜を倒したナルヒトとヘレルの塔で出会い、外へ脱出させる。
数々の発言から推測するに別の未来軸のウェンフィルバーナと思われるが、本人が知る過去とナルヒトの知る今は違う模様。詳細は不明。
銀髪に虹色の瞳を持つエルフの女性。
世界用語
現代
- 現代ダンジョン
西暦2025年に世界に突如出現した。財宝と怪獣が蔓延る土地。
探索者
怪獣を倒し、財宝を発掘する人間の呼称。階級が存在する。
- 遺物
現代ダンジョンにしか出土しない特異現象を起こす道具。隠されていたり、凶暴な怪獣の体内から発見されたり、時に呆気なく見つかる事もある。
異世界オープンワールド
- 竜
この世界の第二文明から生きている上位生命体。七つの命を持つ。
帝国では蒐集竜がおり、実在する守り神として天使以上に敬われている。
- 天使
この世界の神のような存在。
眷属がおり、登場しているのは『悪事のフローリア』『死の??』『知識のハーヴィー』『契約と商売のコトシロ』『奉仕のファラン』『殺害のエニュー』。
秘蹟
天使とその眷属から選ばれた人間に与えられる特殊な力。スキルの上位互換。
また、気に入られた人間は恩寵スキルが使える。
眷属憑き
各時代に現れる存在。眷属から選ばれた人間に特殊な力を与え、体をも変化させる。
世間では秘匿されており、現在登場しているのはラザール、クレイデア、ブレナの三人。
教会には眷属憑きの権限を抜き取る特殊な副葬物が存在する。
- 副葬物
特異現象を起こす道具。現代の「遺物」の別呼称。決して破壊されないはずだが…。
- 帝国
正式国名は不明。大陸の国の一つ。
教育機関の人材育成により、政治と民の質は高く人間の国としては最良。
上位生物である蒐集竜がいる。
ヘレルの塔
帝国に存在する財宝とモンスターが蔓延る土地。
時間がねじ曲がった場所もあり、副葬物や過去の遺物が発見される。
竜大使館
蒐集竜が住む豪邸。
- 王国
正式国名は不明。勇者を輩出する国だが、あくまで人類が危機に陥ったときの限定条件である。現在、帝国が平穏なので勇者が生まれる事はまずない。
上層部から腐敗しており、ギルドも機能せず国力は低下している。
- 冒険者ギルド
冒険者達を支援し、運営する組織。
仕事の内容はモンスター・盗賊討伐、採取、掃除等多岐にわたる。
帝国の場合モンスターの情報が発表されており、階級が二級に上がると支援が受けられる。
原則は「くるもの拒まず去るものは赦されない」。
冒険者
冒険者ギルドに所属する人間の呼称。別名公認された「荒くれ者」。公式の認可を受けた労働従事者。四~一級、そして塔級という序列階級が存在する。
- 天使教会
天使とその眷属を崇める宗教団体。
武力組織として聖女と天使騎士団を持つ。発酵技術を秘匿して「天使の祝福」と呼称を変え、独占販売をして多額の利益を得ている。
- 商人ギルド
商人達の総合的組合。
- 犯罪ギルド
別名「カラス」と呼称される。その名の通りの犯罪組織。