うねる壁、飛び交う胞子、狂った原住生物
骨格と内蔵だけの化け物が、つかみかかる
概要
その名の通り、バイド汚染によって生体肉壁化が進行した横穴を通過するステージ。天井と床はエイリアンのような悍ましい頭部、骨格、臓物らしき物体に覆い尽くされ、その中には無数の生体バイドが潜んでいる。
先述の紹介文(アイレム公式設定資料集に記載されたもの)には「狂った原住生物」という一節があるが、生体洞内にはガラス製の人工物と思しき生体培養槽も存在しており、ここが本来自然に形成された『洞窟』だったのか、それとも何らかの人工空間がバイド汚染されたものなのかは定かではない。
『R-TYPEΔ』ステージ5『邪悪』の序盤には後述のガウパーや生体培養槽が迫ってくる場面が存在する。また、シミュレーションRPG『R-TYPE TACTICS』では土星付近のバイド研究施設「ベストラ研究所」がバイドの異常増殖によって生体洞と化したという設定で登場。本作では派生ステージとして艦船搬入ドックにあたる「生物兵器施設入口」や、バイドが除去されて人類の施設として復旧した「ベストラ研究所」も登場している。
『R-TYPE FINAL2』ではDLCシーズンパック2最終ステージ「Y7.0 生体洞」としてリメイクされた。ステージの構成・デザインなどは原作とほぼ同じだが、最新鋭のCGによってグロテスクさが格段に増しているほか、最終面だけあって棲息バイドが原作とは比べ物にならないほど強化されており、熟練R-TYPERすら苦戦を免れない難度となっている。
棲息しているバイド
独自の生態系を築いている為か、全てこのステージにしか登場しないタイプである。
ガウパー
画面上下の生体肉壁内に潜む中型バイド。付近にR-9が接近すると、肉壁を掻き分けて奇襲攻撃を仕掛けてくる。その肉体は異常進化により骨格と内蔵だけのグロテスクな形態と化しているが、超高速電磁レールキャノン(通常弾)を数発耐える程度の防御力はある。不用意に接近すると複数体が次々に飛び出してきて危険だが、肉壁に隠れているうちに撃破する事も可能。
TACTICSではバイド軍のユニットとして生産可能。ユニットの構成は戦闘機型ユニットのような5機編成ではなく単独であり、耐久値はHP制となっている。毎ターンごとにHPを回復する自己修復機能を備えているが、自軍で運用する場合、3HEXも占有する図体のデカさやガウパーアタック(体当たり)しか攻撃手段を持たない点が足枷となってしまう。
また『R-TYPEⅢ』ステージ2に登場した中ボス「ガウパー2」への強化改造も可能。ガウパーアタック時の攻撃力が増し、攻撃・反撃に使える射程2の高濃度バイド体液が追加されるが、ユニットの大きさがただでさえ大きい3HEXから5HEXへと拡大。ステータスも劇的に向上したとはいえず、こちら側の射程外からの攻撃に容易く晒されてしまう。敵として遭遇した場合も索敵範囲外からの不意の奇襲にさえ注意すればさしたる脅威ではないと言える。
FINAL2ではバリエーションが更に増加した。ステージ1.0では「腐敗輸送艦」からガウパーの幼体が無数に湧き出てくる。ステージ7.1では前方からR戦闘機目掛けて体当たりを仕掛けてくる「ガウパー成体」が登場したほか、何故か宇宙都市に貯蔵された地球の水がガウパー状に変化した「トレジャー」になって襲ってくる(これはTACTICSのトレジャーが元ネタと思われる)。
そしてステージY7.0では、原作と同じ動きだが耐久力やスピードが大幅に向上した「ガウパー古体」が大量に現れるうえ、肥大化した腹部から無数の幼体を産み出し続ける中ボス格の「ガウパー母体」が登場した。いずれの個体も耐久力が高く、かなりの火力を撃ち込まねば倒しきれない。
ウッキー
奇形進化の過程で体の一部が意志を持って生まれた小型バイド。通称「メダマジャクシ」。生体洞の空中を群れを成して飛行している。容易に倒せるが稀にR-9を追尾する個体がいる。更に二周目に突入すると出現数が増して侮れない存在となる。TACTICSではバルドルの武器として登場した(後述)。
FINAL2では出現数が大幅に増して前後から挟撃を仕掛けてくるうえ、某クリスタルキューブの如き急角度で突撃してくる赤い目の個体が追加されており、かなり厄介な存在と化した。
バルドル
植物に似た組織構成を持つ中型の生命要塞バイド。イソギンチャクのような形状をしており、体内に寄生した小型バイド「ゾイド」を吐き出す能力を持つ。道中に二体配置されており、R-9が付近に近づくと生体肉壁の中から顔を出す。ゾイドを出される前に倒しておく方が安全だが、要塞だけあって耐久力は高め。
TACTICSでもゾイドを搭載する中型バイドとして登場。ミサイル迎撃が可能な武器「ウッキー弾」を装備している。FINAL2では出現数が増えており、ゾイドを吐き出す量も増している。耐久力も高まったので波動砲などで秒殺する事は難しくなった。大きなダメージを受けると全身から体液を噴き出す演出も追加されている。
ゾイド
バルドルに寄生する小型バイド。言うまでもないが、惑星Ziに棲息する金属生命体とは無関係。無数の球体が寄り集まった卵塊のような状態で吐き出されたのち、体内に脳味噌のような器官を持つ緑色のクラゲのような形態に変化する。攻撃手段は体当たりだけだが地味に耐久力が高く、不規則に飛び回るので特に二周目では危険な存在となる。
TACTICSではユニットとして開発可能だが、体当たりしか攻撃手段がなくHPも低いので使い道はない。また、何故かムカデ状の大型バイド「ムーラ」への改造も可能だが、敵として登場した際に発生させている圧し潰し判定(敵味方問わずユニットを一撃で破壊)が出せない、無駄に場所を取る、他のユニットに随伴するのも一苦労な程に鈍足と、こちらも良い所が何一つない産廃ユニットである。
FINAL2では先述の通り、バルドルを放っておくと画面中がゾイドに覆い尽くされてしまう。
生体培養槽
ステージ開始と共に目に入る肉塊のようなものが詰められたガラス容器。原作時点では単なる地形の一部だったのだが、⊿ではステージ5の破壊可能障害物として登場。地形から抜け落ちたのかバイド溶液内を漂っている。画面内を占拠するうえにガラスが割れた部分にしかダメージを与えられないのが厄介。培養槽同士が接触すると思わぬ方向へ跳ねるように加速するので気を抜けない。
FINAL2の生体洞にも当然ながら設置されている。⊿以降は地形接触によるミスが廃止されたが、この生体培養槽は地形ではなくバイド扱いなので接触するとミスになる。また、攻撃して破壊する事も可能になった(破壊すると接触しても無害になる)。難易度R-TYPER以上で一定数以上の生体培養槽を破壊すると、ボス戦にある変化が起きる。
インスルー
ステージ終盤に差し掛かると現れる巨大な蛇の如き大型バイドで、画面内を大きく蛇行しながら徘徊する。胴体の拡散弾を放つ部位は破壊可能だが、インスルー自体はどんな攻撃手段を使っても撃破不可能であり、ゴマンダーの体内に入っていくと破壊した部位が再生してしまう。TACTICSでは撃破可能になったが、HPはラスボスよりも高い。
ゴマンダー
ステージボス。生体洞の最深部に鎮座し、R-9を待ち受けている。詳細はゴマンダーの記事を参照。