概要
乗機 - フォッケウルフ Ta152H-1
西東京四天王の1人で、「田村 "エクスペルテン" 香矢」は通称である。
本名は田村香矢。
エクスペルテンとは「完璧」の意味を持つ田村に与えられた称号でもある。 ※
高縞平騎士団女子高校(通称:騎士女)に所属する7騎士の一人で序列は1位。
管理された完璧な「秩序」を旨とし、自分にも他人にも非常に厳しく、信賞必罰を絶対とする為、時にやりすぎとも言える罰を与える事がある。
その厳しい規律もあって、騎士女の練度は非常に高く彼女たちが西東京近辺を見張っている為、周辺にいる不良飛行チームが簡単に手出し出来ない環境を作り上げていた。
かつて先代の紫電改のマキに焚きつけられた理想に固執しており、そのために自校の部下たちに無理な事を命じる事も多いが、実力の高さは本物であり、ゆえに校内で逆らいきれるものがいない。
だが、その厳しさ故に空の規律が崩れようとした時には「西東京の空域全域」を空戦禁止地域に指定。些細な空戦でも騎士女の航空機が出動し叩き潰すと言う過激な手段に出た。
そして、勢力を増し周辺で空戦を頻発させる石神女子高校、特に中核となった現「紫電改のマキ」こと羽衣マキを危険視。
西東京全域を警戒区域に指定した上で、不意打ちで石神女子高校を襲撃。
青島イサミ達が乗る九七式艦上攻撃機を叩き落した後、動揺した隙をついてマキを撃墜した。
主人公であるマキが、不意打ちとは言え完敗を喫した数少ない相手である。
また、同じ西東京四天王である藤堂蘭も一騎打ちで難なく落としており、実力の高さを見せつけた。
しかし、西東京全域を警備する為に連日の出動を繰り返し、部下を疲弊させすぎ(末期は半ば根性論で動かしていた。)七騎士の内、湯音以外からクーデターを起こされ、決闘を挑まれる。
長万部祐紀は湯音・ヘルシュタインの拘束に協力。あずさ、耳無芳子、他1、2名は田村へ叛旗を翻した。(ただし、相対した機体は七騎士より多く1名はシルエットであった。更に直接落としたのは3機だったようで、決闘直前のシーンでは七騎士の「賛同者」も含んでいた可能性が高く、全員が七騎士かは不明。更に高縞平序列2位の機体はHo229だが、上空に上がっている様子は無い為、序列2位は参加していなかった可能性がある。)
この時も相手は一機ずつの決闘を申し込んだつもりだったが、「いっぺんに来たまえ」と憤怒の表情を見せ、自らは無傷で向かってきた全員を撃墜した。
その姿は孤高を通り越して孤独とも言え、後輩である湯音だけが常に寄り添おうと努力していた。
しかし、その苛烈なまでの秩序へのこだわりは暴走を起こし、石神女子を叩き潰す為に全機に出動命令を出す。
周辺空域の各校を敵に回していたのが祟り、周辺各チームは石神女子高校へ協力、それらの迎撃の為に突出しすぎてしまい、爆撃機の護衛をがら空きにしてしまう。襲撃された爆撃隊が救援を求め、ついには逃げ出す姿を「臆病者」と断じ、自ら叩き落した上で怒声を上げ叱咤。
狂乱とも言える姿を見た湯音は止めた物の、自分の理解者であると思った湯音にすら裏切られたと感じた彼女は、かつて自分に理想を植え付けたマキの名を叫びながら、羽衣マキと一騎打ちを挑んだが、新たなるプロペラを手に入れ、以前よりも腕を上げたマキに敗れ、撃墜はされないまでも戦闘に不能に追い込まれ、逃げ出さざるを得なかった。
その後、因縁のある平野飛鳥に狙われたが……
尚、性格は厳格だが甘いものは好きで、みつ豆を湯音が買ってきた時は全員で食べる等、平穏時にはちょっと厳しいくらいの先輩と言った感じである。
チョコレートが好きで、四天王の会合の際、喫茶店に持ち込んでいた。
(ただし、持ち込み禁止を店員さんから言われると全員で「すいません」と謝る素直な一面もある)
また、数少ないがギャグ顔を披露した事もあり(単行本のオマケページ)、湯音の機体に描かれたタコのマークの話を聞いた際にはその熱い拘りと願望にドン引きしていた。
※:あくまで作中での意味合いであり、本来は専門家・熟達者を意味するドイツ語で、エースと同義である。
関連人物
先代紫電改のマキ:かつて従い、共に戦った女性。自身の人生・性格を決定づけた人物
湯音・ヘルシュタイン:後輩。自身の理解者であると高く買っている。また、彼女のパーソナルマークが羨ましく、自身の機体にダイオウイカのステンシルを付けたほど。
長万部祐紀:軽度の命令違反で彼女の序列を下げた為、反感を買った。
羽衣マキ:西東京騒動の中心と見て危険視をしている。
古嵐蛍:かつて西東京の乱を共に戦った戦友。
藤堂蘭:西東京四天王の一人。
吉川一美:西東京四天王の一人。
七騎士序列2位の人:名前は不明だが、厳格な性格である田村香矢を「田村っち」と呼んでおり、意外と気安い仲だったのかもしれない。
関連タグ
この先ネタバレがある為注意してください
東京の空を一つに
日本の空を一つに
革命である
空の治安を荒らしまわる新興勢力「八咫烏」。
その対策会議に現れたのはダイオウイカのステンシルを持つフォッケウルフTa152H-1……!
彼女は秘密裏に、西東京四天王である弦念エルサに導かれ、先代の紫電改のマキ事槇紫苑の下でナンバー2として登場。
ゴシックな黒いドレスに身を包み、会場を襲撃、後輩である湯音の叫びも聞かずに容赦なく叩き落した。
自分の理想を植え付けた本来のマキの下で戦える喜びからか、狂気とも言える槇紫苑への崇拝を度々口にする。
八咫烏の掲げる綺麗な理想と、今なお保持する圧倒的な実力と元々持っていたカリスマで古巣である騎士女からも賛同者を得た。
この時「以前の私は急ぎ過ぎた」と反省の弁を述べる程落ち着いていた。
高縞平の6割が彼女についていった事が、影響力の強さを物語っている。
その後は、理想に賛同する仲間を集めながらゼネラル・リィと共に要衝である、静岡県の清水港を急襲。
不良飛行団と目した港に泊まる飛行艇を撃破した際に、二式大艇の機銃座にマキを認識するも、たまたま民宿神月の瑠亜を襲撃に巻き込んでおり、相対し機体に穴を空けられる。
零式水上観測機なぞ相手にならないと見くびった上に、瑠亜を「おばさん」呼ばわりした事が逆鱗に触れ、相手の卓越した技術に手も足も出ずに逃げ出さざるを得なかった。
再度襲撃した時には、自身はマキに、リィは風神に足止めされたことが祟り、駿河葵の駆る二式大艇の奇策で配下が全滅すると言う失態をしてしまう。
その為、田村香矢以外の計画は順調であると言う事を他の全員の前で叱咤されると言う状況を味わう事になる。浴槽につかる事も許されず、全裸で土下座をさせられたのは、槇紫苑の独裁の強化に加え、失敗すればこうなると言う見せしめと、相互監視を強める物であり、リィは「茶番」と断じた。
子飼いの高縞平のパイロットも取り上げられ、転落していくが、なお槇紫苑への崇拝はやまず。
湯音から「貴女は捨て駒として信頼されている!」と断じられた際も、自身は捨て駒では無いと言い張った。
だが、心の奥底では槇紫苑に利用されている事は分っていたが縋りつくための主人であり、神様である彼女を諦める事は出来なかった。
実際の彼女は、何かに縋りつかないとダメで、御主人様が必要と言うドM。
槇紫苑以外に主人を持たなかった為、自身が無理をして心に鎧を着込み、槇紫苑の代わりを務めあげようとしていた為、苛烈な性格を演じていた。
その為、どんな仕打ちを受けても主人である槇紫苑の下についていれば、彼女は満たされていたのである。
湯音と相対した際に、それを看破され、更には湯音の気迫で自身が縋りつく「神」を上書きされ湯音を御主人様として仰ぐようになる。
この際の陶酔した彼女の表情はその…あの…とてもエッチです。
尚、この時から湯音は彼女に先輩をつけずに「香矢」と呼び捨てにしている。
その後、八咫烏の計画の要となる石神女子高校を爆撃する主力である、元高縞平の飛行機乗り達に湯音の命令で語り掛け、「全ては自らの責任であり、諸君らに責任は無い」と演説し帰投命令を出した。
この為、槇紫苑の計画の破綻が決定的となった。
事件終結後は飛行機に乗るのをやめ、一生徒として騎士女に戻った。
八咫烏の残党が彼女を襲撃されない様に、風紀のガードと七騎士、更には主人である湯音に守られている。
全ての因縁、楔から解放された彼女の表情は非常に晴れやかで、登場時の険のある表情とはうって変わり、年頃の女子高生さながらの明るい笑顔を見せている。
また、最終巻カバー裏では、満面の笑顔でピースサインをする等、完全に人が変わっている。
(湯音も唖然とした表情でそれを見ていた程)
劇中で最も変貌した人物の一人なのは間違いが無い。
関連人物
湯音・ヘルシュタイン:後輩にして新たな御主人様。
槇紫苑:かつての主人にして先代紫電改のマキ。自身を強く支配されていたが、解放された。
ゼネラル・リィ:槇紫苑の下で共に戦った仲。理想は違えど意外と仲は悪く無く、幾度か話をしていた。