曖昧さ回避
- 映画のタイトル。同名の作品が3つあり、1つは1934年にアメリカ合衆国にて、1つは1955年にフランス・イギリスにて、もう1つは1971年に日本にて、全く別の映画が公開されている。
- アメリカの歌手、ジェリー・ウォレスの楽曲の1つ。
- 2を元ネタにした、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』のネタ。(本項で解説)
男の世界(ジョジョの奇妙な冒険)
荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険 スティール・ボール・ラン』にて登場したガンマン、リンゴォ・ロードアゲインが持つ独自の美学。もしくはそれに関するセリフ、「ようこそ……『男の世界』へ……」のこと。
リンゴォは穏やかで礼儀正しい物腰をしているが、その内面はひたすら命を賭した決闘を続けることで己を高めようとする男の中の男。
公正なる果たし合いでの勝利、そしてそれに伴う殺人。『漆黒の意思』を以て為されたそれらは、自身を『聖なる領域』へと引き上げてくれるという。
卑劣さの欠片もない、『神聖』なる『修行』。それこそが『男の世界』だとリンゴォは語る。
「ようこそ……『男の世界』へ……」というセリフは、自身にトドメを刺したジャイロ・ツェペリに向けたリンゴォの最期の言葉であり、決してあっちのような意味はない。
ジャイロはこの領域に至るまで、リンゴォからは『対応者』――つまり、明確な殺意を持たず、『正当なる防衛』でしか人を殺せない者と認定され、「汚らわしい」との扱いを受けていた。
余談
もちろん、この『男の世界』なるものは現代の道徳や倫理とはかけ離れている。しかし、リンゴォは『真の勝利への道』には『男の価値』が必要だと確信しており、現代の価値観が『甘ったれた方向』へ変わってきているとまで断じた。
反社会的と思われてもおかしくないリンゴォのこの思想ではあるが、ファニー・ヴァレンタインも「新しい時代の幕開けの時には 必ず立ち向かわなくてはならない『試練』がある」と言い、ジャイロとジョニィも、『漆黒の意思』によって過酷な闘いの旅を潜り抜け、少しずつ成長していった。
周囲の価値観に迎合するだけでなく、『自分の意思で試練に立ち向かう』こと。それは7部のテーマの一つなのかもしれない。
「『社会的な価値観』がある。そして『男の価値』がある」
「昔は一致していたが、その『2つ』は現代では必ずしも一致してない」
「だが『真の勝利への道』には『男の価値』が必要だ……」