百夜教
ひゃくやきょう
吸血鬼第二位始祖リーグ・スタフォードが、真祖がつくった『柊家』率いる帝ノ鬼に対抗するためにつくった呪術組織。かつては柊家と一二を争う程の力を有し、国家の暗部を支えていると言われていた。
多くの政治家が援助を受けており、一般人に知られる事はないが、日本の国を影から支配していると言ってもいい程に強大で、呪術組織として規模が大きい柊家とは、時の権力者が替わる度にどちらが後ろ盾となるかで小競り合いを繰り広げてきたが、第二次世界大戦後からは、アメリカのバックアップを受けた事によって、日本の基幹呪術組織の座を担っていた。
力と権力を手に入れるためには「殺し」「誘拐」「戦争」「人体実験」と、手段を選ばず、特に運営している百夜孤児院での子供の扱いが酷いという話は有名で、特殊な才能を持った子供達を孤児院に集めるためにその親を殺し、実験を繰り返しているという噂がある。
また、親に売られた子供に対しては、その親に多額の金を渡し、実験体にしている。
力への欲望が際限なく、百夜優一郎が母親の焼身自殺に巻き込まれそうになった現場をテレビで生中継され、その中で優一郎を回収しに現れた斉藤がテレビに映っていたにもかかわらず、優一郎が実験体として最も優秀であった為に処分せず、優一郎の過去の記憶を「余計な記憶」として幾度となく消している。
真昼からは利害が一致すれば強大だが、敵に回れば厄介だと評されている。
《終わりのセラフ》をはじめ、『ヨハネの四騎士』『鬼呪装備』といった、禁忌と呼ばれる実験を行い、鬼呪装備の実験体である柊真昼と手を組み、情報を提供。柊家の情報とをハイブリッドした事により鬼呪装備は未完成ながらも実用可能となる。後に柊家と同盟を組むも、帝ノ鬼は真昼を追っていた一瀬グレンが持ち帰った《アシュラマル》により鬼呪装備の情報を得るが、百夜教にその情報は提供されなかった。
世界崩壊前、百夜教が《終わりのセラフ》を使って世界を崩壊させるという情報を掴んだ帝ノ鬼と、上位始祖から命を受けたクルル・ツェペシ率いる吸血鬼により、実験体の子供達を含め壊滅されるが、秘密裏に存在し、8年後には人間と吸血鬼で構成されている。
百夜教が運営する、日本に数多くある孤児院。
百夜教構成員は孤児院を「実験場」、孤児院にいる子供達を「実験体」と呼んでいる。
渋谷の孤児院にいた子供達は親に捨てられた事で連れて来られた。実験に関しては何も知らない。
世界崩壊前、帝ノ鬼と吸血鬼によって殲滅されたが、唯一百夜ミカエラのいた孤児院だけは、襲撃から少し前の日に場所を移動した事と、柊家に偽の報告が上がった事により生き残るも、世界崩壊直後吸血鬼達により地下都市に連れて行かれる。
本来なら《終わりのセラフ》の因子を持つ子供である為殺されるばずだったが、《終わりのセラフ》の力を必要としているクルル・ツェペシの計らいによって吸血鬼達の目を逃れてきた。
しかし、四年後フェリド・バートリーによって百夜優一郎と百夜ミカエラを残して全員殺害された事により、現在「百夜」の姓を持つ者は優一郎とミカエラのみ。
構成員
実験体
百夜優一郎
《終わりのセラフ》の最優秀実験体。旧姓は「天音」。
母親に殺されかけ、その母親が焼身自殺した事により、記憶を消された後、斉藤に連れて来られる。孤児院ではミカエラと共に最年長。『第二ラッパ』をその身に宿す。
百夜ミカエラ
《終わりのセラフ》の非常に優秀な実験体。日本人の母親とロシア人の父親を持つハーフで、旧姓は「進藤」。
虐待を受け、母親により車から投げ落とされ、直後両親が車と接触した事に死亡し、斉藤に孤児院へ連れて来られる。孤児院では優一郎と共に最年長。
早乙女巴
早乙女与一の実姉。《終わりのセラフ》の実験体。一瀬グレンが柊真昼に渡された研究書の中から見つかった名前。
早乙女与一
早乙女巴の実弟。《終わりのセラフ》の実験体。一瀬グレンが柊真昼に渡された研究書の中から見つかった名前。
少年
《終わりのセラフ》の実験体。素性は不明。『第六ラッパ』をその身に宿す。