吸血鬼(終わりのセラフ)
きゅうけつき
世界崩壊後、滅んだ世界を支配し、常軌を逸した身体能力を有する、人の生き血を吸う種族。
約千年前、真祖と第二位始祖の一人リーグ・スタフォードが失踪した事により、現在は第二位始祖のウルド・ギールスを頂点としているが、吸血鬼界のルールは真祖によって作られたものである。
世界中に集落があり、日本の京都の地下にある「サングィネム」は三番目に大きな集落とされている。
人間を「家畜」と見下し侮る者が大半で、人間を警戒する者は少なく、上位の吸血鬼の拠点では人間に命を保証する代わりに血を提供させ飼い殺している。
特徴として耳が尖った形をしており、瞳は血のように赤く、その大半は美男美女。
長らく血を吸わない状態が続き、血が欠乏すると身体能力・再生能力が低下し、「鬼」となる。鬼となった際は過去の記憶がなくなる。
人間の7倍以上の身体能力と、切断された手足の接合などの再生能力を備えている。
紫外線が弱点であり、これを浴びると体内で毒素が発生し、死に至る。そのため、普段から「紫外線中和装置」を装着している。この弱点を利用した「日光拷問」という拷問法がある。
また、頭部の破壊、鬼呪装備の攻撃も弱点である。
第一位始祖から第五位始祖までの者は「上位始祖」、第六位始祖から第二十位始祖までの者は「貴族」、その他の「一般吸血鬼」に分かれおり、「一般吸血鬼」の中から下位貴族に迫る力を持つ者が多く所属し、主に領地の防衛や献上物の護送を行う部隊「都市防衛隊」が存在する。
「上位始祖」と「貴族」は、吸血鬼自体が数を容易に増やす事を好まない為、報告は上がらないが、人間を「吸血鬼化」し、自身の眷属とすることを認められている。
「吸血鬼化」した者は、心臓が止まり、血に対する欲望しか残らないが、人間の血を飲まない限り身体は成長する。しかし、一度でも人間の血を吸うと完全な吸血鬼となる為、身体の成長は止まり、瞳が赤くなる。吸血鬼と吸血鬼化された者は「親子」に、同じ吸血鬼の血で吸血鬼化した者達は「兄弟」となる。しかしその関係は複雑で、「親」を慕う「子」がいれば、自身を死ぬ事のない身体にした「親」を憎む「子」がいる。
吸血鬼の力は、生きた年数と主の能力が色濃く反映されると言われているが、ウルドとリーグの様に同時期に同列の場合もあれば、クルルとレスト・カーの様に時期が離れていても同列の場合もある。「上位始祖」や「貴族」の場合、数が低い程力や権力が大きく、同列の場合権力争いが生じる。位数=人数と言われている。
武器は、一級武装と二級武装の2つのグレードが確認されている。一級武装は基本的に貴族や都市防衛隊の実力者が所持することが多く、二級武装は一般吸血鬼が所持している。所有者の「血を吸え」という言葉と共に、柄から吸血される仕組みを持つ。血を吸った武器は刀身が赤く染まり、所有者の身体能力を大幅に上昇させる。武器の形状には通常の「剣」に加え、「レイピア」や「ハルバード」の様なものもある。
上位始祖
貴族
クローリー・ユースフォード
第十三位始祖。フェリドの派閥に属する元テンプル騎士団。
表向きはフェリドの血で吸血鬼化した第十三位始祖だが、実際は第二位始祖のリーグの血で吸血鬼化したため、その実力は第七〜八位始祖レベル。フェリドとは「兄弟」。
都市防衛隊
百夜ミカエラ
第三位始祖クルル・ツェペシの眷属。元人間で、百夜優一郎の家族。
4年前、フェリド・バートリーに重傷を負わされた際、クルルの血を服用し吸血鬼となるが、4年間人間の血を吸血しなかったため、人間と同様に成長していったが、優一郎の血を吸血した事で完全な吸血鬼となる。
身分不明
ルギー
世界崩壊前、ルカルと共に《百夜教》の殲滅に携わっていた。
ロー
当時人間だったクローリー・ユースフォードの前に現れた男吸血鬼。クローリーを手にかけようとするも、その直後フェリド・バートリーと遭遇し、生死不明。