概要
猛将・藤原秀郷(俵藤太)との死闘の末に彼の契約式神となっている。
姿形
まん丸したお目々を核に、ぶにんとしてそうな不形の体をもつ。場面により体型・体長が自由に変化している(そのため、どうしても大阪・関西に縁ある妖怪みたいな象形生物?を連想しちゃう姿である)。
平常時は契約主・藤原秀郷(俵藤太)へ-頭の上や肩の上とか-張り付くように過ごしているようで、それに合わせて体を縮小している。そのため秀郷(藤太)の服飾と化しており、じーっと目が合ってしまう装飾(アレ)は「実は妖怪なのでした」と分かれば、じわじわとなんか可愛らしく感じちゃうかもしれない。
戦闘時は、ポコポコと目玉(身体)を増やし、体型・体長は大きくなり、数個~数十の目ん玉が連なった形態になる(うん、ますますアノ化物さんにめえちまうなぁ)。
妖怪像
弓の名手にして、琵琶湖での巨大ムカデ退治の逸話などで名が知られる猛将「俵藤太(たわらのとうた)」こと、藤原秀郷が従える妖怪の一体。
百目鬼(どうめき)は「藤原秀郷(ふじわらのひでさと)」がまだ「俵藤太(たわらのとうた)」と呼ばれていた時代、下野(しもつけ)は宇都宮へいた頃に出逢った。そこで藤太(秀郷)と死闘の末、彼の契約式神になった。
藤太(秀郷)の式神(しきがみ:従属関係を結んだ妖怪)になった影響もあってか、普段は彼に付き添って大人しくしている模様。また言葉を話す様子はなく、知能はそれほど高くない妖怪かもしれない。
妖怪 百目鬼(どうめき)には鬼技(おにわざ:超能力)とも言える特殊な能力がある。それは一眼に一つ、見たものを物理的に目に焼き付ける性質をもつ。元来は獲物の姿を忘れないようにするというだけの、ささやかな力(もの)である。
この特徴に目を付けた藤原秀郷(俵藤太)は、これを利用した戦術を考案。それは百目鬼(どうめき)の瞳に式回路を丁寧に読み取らせ、式召喚の簡易化を図るという試み。
結果は百目鬼(どうめき)の瞳に焼き付けられた回路を実戦で活用する事に成功。一眼一眼に焼き付いた式回路により、陰陽師でなくとも安易かつ大量に式神召喚を可能とした。
恐るべき戦法であるが、本作「月歌の始まり」は平安時代あたりが舞台で、衣食住の安定や治安維持は万全であると言い切れない危険と隣り合わせの日常生活。更に妖怪が自然発生する世界観でもあり、警戒を怠れば命が危機に晒される事態も想定される。この背景も鑑みてだろうか、貴族であり武人・藤原秀郷(俵藤太)は家臣でもある妖怪たちの長所を活かした戦術を編み出し、日ノ本存亡の危機を回避・いざという時の備えに精進しているのだろう。
また日々、百目鬼(どうめき)へ式回路を読み取らせる作業は、決して無理強いを迫るようなおっかない事はしていない。回想にて、部屋いっぱいに巻物が保管された部屋に、藤太(秀郷)がゆったりと胡坐で座り、柔らかい表情で式回路の巻物を広げながら眺め、彼の肩にちょこんと目玉だけの体を乗せて一緒に覗き込む妖怪 百目鬼(どうめき)の姿。その傍らには、藤太(秀郷)へ寄りかかり昼寝でもしている風の女妖怪・百足(ひゃくり)、更に照明の代わりだろうか発光するクラゲの妖怪が浮かんでいるという、傍目からは妖しくも穏やかな時間を過ごしている光景が描写された。
備考
妖怪造形基である百目鬼伝説。これの主役・藤原秀郷(俵藤太)が目にした妖怪 百目鬼(どうめき)は両腕に百の目、全身から刃のような毛を生やし、身の丈10尺(約3m)もの大鬼であったという。
そして本作「月歌の始まり」では、作者・小雨大豆が大胆に奇妙に酔狂に、伝承へ登場する妖怪 百目鬼(どうめき)を実に妖しく怪々な創作(アレンジ)で誕生させている。
関連項目
九十九神(九十九の満月) / 式神(九十九の満月) / 式契約(九十九の満月)
九十九の満月:本作から数百年くらい後のお話が描かれる妖怪漫画
アンノーン・・・姿形が似てる_その1
pixivisionのアイコンとかに居る「p」の目玉(キャラクター)・・・姿形が似てる_その2だっぴ
いのちの輝きくん・・・やっぱりちょー似てる