CV:速水奨
キャラクターデザイン:minoa
イラスト:AiTuoKu
概要
邪教結社「神蝗盟」の教祖。
殤不患と彼の持つ「魔剣目録」を狙っている謎の人物。
滅多に姿を見せず、赤い蝗の描かれた石碑から威圧的な声を発する。
門徒を多く持ち、アジトだと目される場所には彼や門徒達の称号たる蟲の絵が描かれた石碑が立てられている。
姿が判明したのは第3期。威厳ある雰囲気を持つ男性で、両眼が金色と銀色のオッドアイ。
『西幽玹歌』と『第1期』の間の時期に殤不患と浪巫謠、そして睦天命の3人を相手に戦った過去が明かされ、彼らを終始圧倒し、遂には天命に重傷を負わせ失明に追いやり、責任を感じた不患が単身で目録を処分する為の旅に出る切っ掛けを作った。
第3期では不患に怨みを持つ刑亥から共闘を持ちかけられて手を組むが、彼女が無界閣を利用してかつて西幽を蹂躙した魔族・照君臨の復活を企んでいる事を萬軍破から知らされる。
しかし、その問題を「取るに足らない些事」と一蹴した上に、魔族と殤不患一行を戦わせ漁夫の利を得る様に命令する。
どれほどの力を持っているかは不明だが、恐るべき外法の達人であり、魔剣や聖剣以外の攻撃が通用しないほどの魔道の使い手で、上述の通り不患達3人を相手に圧倒し、追い詰められた不患が目録を使いかけてもむしろそうする様に煽るなど、あからさまな企みのある態度を見せ、それに対する警戒心もあって不患達は勝てなかった。
また、照君臨ほどの魔族の復活を「些事」とする点は一見すると傲慢なだけに思えるが、本当に問題にならない様な巨大な力を持っている可能性も捨てきれない。
禍世螟蝗による支配の在り方として、善と悪に対する与し方を異飄渺に説いた場面が存在する。
彼にとって善悪とは天秤の測りにしか過ぎず、自ら皿の上に乗る(善悪に与する)のは誤り。
神蝗盟は自ら天秤になる、即ち「善悪という基準そのもの」を司る立場となることで世界を支配する(要約・「私自身がルールだ!」)と説いたのだ。
その為の手段が魔剣目録でならば、軍破に魔剣目録回収後直ちに撤収するよう命じたのも納得がいく。
尚、上述の通り不患が旅立つ切っ掛けを作ったが、奇しくも彼が到着したばかりの東離は、玄鬼宗の暴虐とそれによる魔神・妖荼黎復活という危機に瀕しており、窮地にいた丹翡を助けた事でその騒動に関わった不患は、魔剣目録によってその事態を収束に導き、未曾有の災厄を未然に防ぐことに成功した。つまり、見様によっては禍世螟蝗は間接的に東離壊滅の危機を救う結果をもたらしてしまった事になる。
そして、目論見を潰され敗走する羽目になった刑亥が不患を事実上東離へ追いやった張本人たる彼と手を組んだのは何とも皮肉な因果と言えるだろう。
使う武器は「諸業俱毀(しょごうぐき)」。剣に柄がない代わりに、長い布で刃を振るう形で戦う。「業」が因果応報をもたらすのは、仏教の因果の法則である。禍世螟蝗の武器としては、善悪の因果の法則は全て壊され、成立しなくなる、という意味。
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ネタバレ注意
実は嘲風の父にして西幽の皇帝たる幽皇と同一人物。
すなわち、現在の西幽は彼の仕組んだ自作自演によって支配されている状態にある。
この事実を知っているのは花無蹤のみで、娘である筈の嘲風は何も知らず、父を一切疑わずに信頼している。
西幽の皇室は200年前の照君臨の暗躍によって国を蹂躙される憂き目を見る羽目になったが、それから現在に至るまでにどの様な歴史を歩んだのか、禍世螟蝗が皇帝の座に着くまでの詳細も含めて不明な点が多く、未だに謎だらけである。