「招汙負蔑清名礙,豈識初心未曾改;明朝浴血不枉義,吾之大道吾主宰。」
(汚名を背負い、己の名誉が地に落ちても、我が初心は決して変わらない。大義の為、明日血を浴びることになったとしても後悔はしない。己の大義は己が決め、実行するのみだ。)
概要
CV:大塚明夫
キャラクターデザイン:源覚
邪教宗門「神蝗盟」に属する戦士で紋章は桃色の百足。
二つ名は「百撃成義(ヒャクゲキセイギ)」、武器は大小二振りに分離する青龍刀「虎嘯山河(コショウサンガ)」。
かつては西幽の国境防衛の要を担っていた武人で、部下からの信任も篤い傑物だった。だが、権力を濫用し国を傾ける皇女と、それを放置する帝に失望。西幽を救う為に、外法の魔術に手を染め、神蝗盟に加わった。
西部総督の任を解かれ、皇女の直属に召し抱えられた現在は、神蝗盟のスパイとして殿中に潜り込んでいる。
殤不患とは西幽の国境で旅の手助けをした仲だったが、西幽を放置し東離へ逃げたと見なし、以降は彼と魔剣目録を狙う。
故国の未来を憂う志と、同盟相手にも警戒を怠らない用心深さを持つ。だがその生真面目さ故に、凜雪鴉のような謀略に長けると同時に、常人の理解の外にある嗜好を持つ人間につけ込まれやすい部分がある。
立場上、嘲風や禍世螟蝗によって板挟みになることが多い。嘲風からは殤不患らを逃がしたとして部下の斬首を命じられた。この件は思わぬ助太刀の登場で免れたが、啖劍太歳討伐のために対立関係にある皇軍・神蝗盟の兵士を束ねることになり、皇軍側からの信頼が揺らぎ始める。
禍世螟蝗からの要求はそれ以上に受け入れがたいものだった。西幽の脅威である照君臨復活を止めるよりも、啖劍太歳討伐・魔剣目録回収の後帰還するよう言い渡されたからだ。
そんな彼を更に追い詰める出来事が起きた。協力者の凜雪鴉が魔族側の手駒と化し、殤不患が刑亥に捕まったことで、他の陣営に照君臨を止める者がいなくなってしまった。
照君臨と戦うか未だに悩んでいた軍破に対し、部下の異飄渺は殤不患から奪った魔剣目録を彼に預ける。
果たして、百撃成義の下す決断はいかに———
関連タグ
神蝗盟
第三期のネタバレ注意
皇軍・神蝗盟の兵士を集めた萬軍破は、部下の前で自らの素性を明かした。
西幽の為に照君臨打倒を呼び掛けた彼に対し、立場の違う両陣営の兵たちが一致団結で動き出す。
復活を果たした照君臨に対し、魔剣目録に入っていた神誨魔械で対抗しようとする。しかし、神誨魔械は一国の将軍でも操るのは至難の業だ。
萬軍破が手に取ったのは殤不患が東離で護印師より預かった灼晶劍だった。灼晶劍は魔神をも圧倒する超高熱を放つが、照君臨の魅了すら吹き飛ばす熱さが萬軍破の身体を蝕んでいく。
最終的に萬軍破は、合流した殤不患らと共に照君臨を倒すことに成功する。だが、萬軍破の身体は既に手遅れの状態になっていた。照君臨に単身で挑んだ英雄は殤不患や兵士達に見送られつつ、凜雪鴉の計らいで逢魔漏を用いて鳳曦宮に帰還する。
嘲風の暴政を正すよう帝に直訴する萬軍破であったが……
「哀れなり、後一歩真理に迫っていれば……この御簾の内を見透かすことも叶っただろうにな。」
蝗の紋章が輝いた時は既に遅し。
帝に討ち取られた萬軍破は逆賊としての最期を迎えた。
元より死を受け入れていた彼だったが、その土壇場で衝撃的な真実を知る事になり、それを他者に知らせる余裕も無く、無念の死を遂げてしまった。
しかし、上述の通り自身の元に集った兵士達をその悪意から逃す事に図らずも成功しており、決してこれまでの選択は間違いでは無かった。
果たして真の盟友たる殤不患と、その仲間達が真実に辿り着き、彼の無念を晴らす日は来るのだろうか?