竹中半兵衛(戦国無双)
たけなかはんべえ
『戦国無双3』から参戦した無双武将(プレイアブルキャラクター)。
史実において、美濃の斎藤氏に仕えた後、紆余曲折を経て当時織田家臣の木下秀吉(後の羽柴→豊臣秀吉)に仕官し、軍師として活躍した竹中半兵衛重治をモチーフにしたキャラクター。
美濃の戦国大名・斎藤家に代々仕える譜代の家臣であったが、織田信長による美濃侵攻を機にその家臣である羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)に仕える。結核により夭折したという史実に倣い、物語の半ばで病死してしまうため出番自体は僅かではあるが、そのキャラクター性もあり多くのファンを持つ人気キャラクターでもある。特に病床の最期のイベントは心に響く名シーンとしてファンの間で話題に挙げられることも多い。
なおナンバリング5作目『戦国無双5』以降、登場キャラクターたちの設定が再構築され、官兵衛についても多くの変更が加えられた。以降は『戦国無双4』までと、『5』以降で分けて記載する。
冷静かつ豪胆な采配センスをもつ天才的な軍師であり、「今孔明」「知らぬ顔の半兵衛」などの異名を持つ。
人物
容姿
男性武将の中でもかなり小柄で、十代中頃ほどのあどけない少年のような顔立ちをしている。ただし、史実では1544年生まれで官兵衛よりも2歳年上(実際ゲーム内でも「官兵衛殿より年上」と発言している)、子供も一般武将として登場しているなど、それなりに年は食っているらしい。
顔立ちも中性的な美形で、『3』本編の個別OPでは、史実における半兵衛が当時の主君・斎藤龍興を女装して追い詰めた逸話が再現されている。『4』では雑賀孫市により「天下の色男決定戦」に出場させられているが、本人はやはり面倒くさがって眠気を理由に早々に戦線離脱しようとしている(プレイヤーは彼が脱出する前に撃破することになる。)
性格
一人称は「俺」。容貌に違わず、立ち振舞も少年そのもので、基本的に歯に衣着せぬ遠慮のない物言いをする。面倒くさがりな性格で常々昼寝をしており、戦中も他の武将に任せてサボろうとしては周囲に「働け」「ダメでしょう」とバッサリ拒否されることもしばしば。
しかし、実際はその異名に違わず思慮深い人物で、何も考えず気の向くままに行動しているように見せながら、すべては計算ずくで、いかなる敵が相手でも飄々と人を食ったような助言から容易く敵を術中に嵌めるほどの頭脳を持つ。
「知らぬ顔の半兵衛」という史実の慣用句が人物造形に織り込まれており、普段の言動も涼しい態度であまり感情を乱さず表面的には軽めで友好的なトーンだが、非常に取って付けたような無感動な喋り方で、腹に一物抱えているキャラクター性がボイスアクトで表現されている。
なお、彼のこうしたキャラクター性のテーマは「天衣無縫な天才少年であどけなさと鋭さの両立」とのこと。
先見の明にも長けており、斎藤家にもはや後がない事や、攻め入った織田軍の武将・羽柴秀吉が後に天下を治めることを予見すると共に彼の人柄を気に入り、「寝て暮らせる世」の実現のため彼に仕えるようになる。
一方で、徹底した現実主義者である官兵衛とは対照的に、他者への情や思いやりは強く、こうした人間性は秀吉や官兵衛の他、幼馴染でもある濃姫とのやり取りで顕著に表れている。戦においても「楽して勝つ」をモットーとし、いかに犠牲を少なくして勝つかにこだわっている。
…なお、上述の容姿、とくに身長についてコンプレックスを抱えており、指摘されることを極端に嫌う。しかし逆に、そんな幼い外見を利用して(サボるために)あざとい仕草で甘えるぶりっ子のようなところもある。
戦闘スタイル
武器は円盾ほどの巨大な羅針盤。
改造により方針や側面に仕込刃が施され、丸鋸のように高速回転させながら相手を斬り付ける攻撃を主体とする。他にも軸には鎖が収納されており、ヨーヨーを操るかのように自在に伸縮させたり、ハンマー投げの要領で周囲に振り回したりと広いリーチを持つ。更にはどこぞの未来のひみつ道具の如く針をプロペラのように高速回転させ空を飛ぶなどのアクションも見せる。
振りはそう遅くないのだが、何分範囲が狭いのがネック。
人間関係
斎藤家出身ということもあり、濃姫や明智光秀とも顔馴染みの間柄。
とくに濃姫とは予てより非常に交友が深いことが示唆され、武器に使用する羅針盤も彼女から送られたものとされる。普段猟奇的な言動を用いる彼女も、半兵衛の前では人間らしい暖かみを垣間見せている。
一方で、濃姫の夫である織田信長のことはその苛烈すぎる思想もあってか嫌っており、自身はあくまでも「秀吉の家臣」であるとしている。また、前述の結核により信長全盛の時代に病没するが、彼の天下が長くは続かないことも予見していた。
同じく軍略家である黒田官兵衛とは性格こそ違えどウマが合うらしく、官兵衛の冷たい態度も気にせず対等に接し、ときには共にその知略を練ったり競い合ったりしている。また、毛利元就とは敵対しながらも、互いに才を認め合う関係にある。
他の既存武将に比べると、作中での立ち位置や人物像での変更点は少ないが、全体的に落ち着いた大人な雰囲気に。また黒田官兵衛に対しては彼の軍略の先達として振る舞う姿も見られるようになった。
人物
戦闘スタイル
武器は長い紐で繋がれた鼓。
モーニングスターのように振り回して叩きつけるという、意外にパワフルな使い方をしている。また過去の無双シリーズに登場した笛や琴、三味線のように音塊で攻撃することも可能で、鼓から発せられた玉型の音塊は、バウンドしながら周囲に散らばっていく。
人間関係
本作では羽柴秀吉との関係性が強調されている。稲葉山城の戦いで墨俣に城を建てようとする秀吉の策の奇抜な作戦に興味を抱き、自身の妨害を退いて本当に城を一晩で完成させた彼に関心を寄せる。秀吉の方も、早期に作戦に勘付いた半兵衛の鋭さに驚き、墨俣に現れた彼に家臣になって欲しいと懇願。半兵衛は「僕を倒せたら」としつつも戦後に秀吉の陣を訪れ、改めて仕官を申し出た。以降は秀吉の勧めもあり、「秀吉」「半兵衛」と互いに屈託のない口調で接し合う友人兼参謀といった関係を築く。
その後も秀吉の傘下に加わった中村一氏、黒田官兵衛に対しても良き先達として接し、二人からはそれぞれ「軍師(殿)」「先輩」と呼ばれている。両者は加入した時期が近く、また互いにやや棘のある性分もあり、秀吉の前でも口論を始めることもあるが、半兵衛は秀吉の心情を代弁する形でたしなめていた。
また、同じく斎藤家に仕えていた明智光秀に対しては、義龍の台頭後に道を違えることになる。半兵衛は自身への負い目から申し訳無さを漏らしていたが、光秀は責められようのないこととして彼に対する恨みは抱いていない様子。
前者では戦国3、後者では戦国4準拠の外見・性能で参戦している。
『2』無印では三人いる主人公格キャラの一人として大抜擢を受けた。
戦国と三国の英雄たちが妖蛇によって次々死亡。最後に生き残った三人の一人として、時を渡り絶望の未来を変えるために行動していくことになる。
ストーリーでは参謀ポジションなのだが、仙人絡みの部分では太公望が結構おいしいところを持っていくことも多い。本作の貴重な少年成分を補充する清涼剤である(大人だが)。
タイプはワンダー型であり影技でガード崩しや隙消しを行っていくことができるが、やはり通常攻撃の範囲の狭さがかなりネックになるのであまり強い方ではない。
陣地で特殊会話の発生する友好関係にあるキャラは相互、一方通行合わせて八人と多め。絡む相手は元祖孔明や姜維、周瑜、龐統といった軍師キャラが多く、ストーリー上でも対決や共闘シーンが存在する。
『3』ではスピードタイプに変更されたことで身軽になったものの、影技が没収されてしまったのが地味に痛い。
こちらでは中盤頃に登場し、出番はそこそこ多い。
オロチ3は中核級のキャラに見せ場が絞られる傾向にあり、神格化で明確に区別されている中では登場シーンが多め。
少し重い設定になっている他、『戦国4』の後なので若干身内思いの側面が強くなっている。
固有神器はミョルニル。タイプアクションは全武将一律で廃止され神術に入れ替わったが、『2』のタイプアクションだった竹中コプターがスライドしてこの位置に収まっている。『2』に似て動きに癖があり汎用性が低い。
特別友好相手は孫堅、司馬昭、夏侯覇の三人。
身長について
その何かと物議を醸す身長設定だが、『戦国無双3』の資料集より先に発売されたコンプリートガイドの時点で160cmと書かれており、以降の資料集では160cmに訂正されている。
『無双OROCHI2』の陣地で見て分かる通り、170または172cmは下駄込みの身長で確定。『5』では、スクリーンショットで確認される範疇だが本作の羽柴秀吉や中村一氏らよりも頭一つほど低身長ではあるものの、青年ほどの身長となっている。
中の人
シリーズを通じて彼を演じている役者の庄司宇芽香は綾御前と一人二役。あちらのキャラも「表面的な物腰は柔らかい感じだが声音が不穏で、内面は正反対」という部分が共通している。同じ役者とは思えないくらいに声質・演技が使い分けられている。
無双武将化以前の半兵衛
声:岡本寛志(2)
武器:槍
第1作目から登場しており、稲葉山城の戦いでは一夜城完成後に織田軍に寝返るというイベントがあり、本シナリオで斎藤側の武将である明智光秀や森蘭丸が討伐に向かうミッションもあった。
『2Empires』では浅井長政・豊臣秀吉のいずれかが大名の状態で登用すると、彼が稲葉山城を数少ない手勢で落としたことを挙げるイベント「長政(秀吉)、今孔明を得る」というものがある。
因みにこのイベント、長政はともかく秀吉が大名として登場(織田の従属勢力)するのは「本能寺の変」シナリオからであり、1582年スタートのこのシナリオでは半兵衛が既に病没していて登場しないという罠がある。そのため、イベント収集の為には意図的に群雄割拠シナリオをプレイする必要がある。
武器は汎用の槍。バランス型無双武将並みの能力に加えて無双ゲージにプラス補正が付いており、壁際でゴリゴリ当たる左近タイプのLV3奥義を持つため無双武将含めても強い部類に入る。
更に献策でも「拠点中立化」「総合鍛冶」など強力なものを提案してくるため非常に使い勝手が良い。
1、2時代共に一般武将の中でも整った顔立ちの豪将モデルで登場している。
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