概要
カトリック、正教会、イスラム教を奉ずる諸民族の混住するバルカン半島のボスニアで編成されたムスリムの武装親衛隊一師団。
将校、下士官はドイツ国民、あるいはこの地に生まれ育った民族ドイツ人で構成され、兵士はトルコ帽を着用したボシュニャク人などのムスリム。
山岳地帯のパルチザン掃討戦に投入、正教会の信徒であるセルビア人やユダヤ人に対する宗教戦争的な様相を呈し、戦後にも禍根を残した。
師団名の由来
師団名にあるHandschar(ハンジャール)は、アラビア語で خنجر(Khanjar/ハンジャル)と記されるムスリムの成人男子が携帯する三日月型の短剣に由来する。
ボスニアやクロアチアでは Handžar と表記され、ムスリムが帯びた湾曲した刀剣を指す。ボスニアの歴史的な表徴として師団章や襟章に用いられた。
日本の文献では、ハントシャールと表記される場合があるが、これは Handschar のつづりが偶然ドイツ語のHand(ハント、手の意味)とSchar(シャール、農具の鋤の意味)に似ていることによる誤解であり、ハンジャールという表記が原音に忠実。