紀忘憂
きぼうゆう
「滿室天香仙子家,一琴一劍一杯茶。
羽衣常帶煙霞色,不惹人間桃李花。」
称号:雲行無常(うんぎょうむじょう)
「霹靂布袋戲」の登場人物。
「霹靂戰魔策」の主要人物の一人。
天手湖に住む、優雅で博識な賢人。武林を脅かす七大神秘の一つ「天物之澤」について調べながら、各勢力と関わっていく。
滅亡した古靈族の生き残りであり、本名は元妙歸淳(げんみょうきじゅん)。
天手湖の裏側に悠心居を構え、優雅に暮らす賢人。博識であり、占いができる一方、琴の造詣も高い。それに加え、呪術や剣術にも長じるなど、多芸多才な人物である。七大神秘の一つ「天物之澤」について調べ、長年隠居してきた。
苦境魔界が内戦を勃発した際、異端魔族が中原にも魔の手を伸ばした。水僧月浮漪が藏淵閣の追撃から、天手湖に逃げ込んだところ、紀忘憂が初めて登場する。初期は異行人に扮して、正道を幾度か協力した。そんな中、四代目天物之澤・劍說俠喻と初代天物之澤・命蕭疏が登場し、紀忘憂も次第に表舞台に浮上する。
手負いの西窗月を救い、命蕭疏や花凋謎境の追撃を幾度も退いた。それ以外に、落花朝や元八荒など、武林の人々にも助力した。以上の功績と天物之澤に関わったことから、魔界をはじめ、各勢力から注目の的になる。
元妙歸淳
紀忘憂の正体は、古靈族の生き残り・元妙歸淳。従者の綠蟻と御史狐も、古靈族の出身である。かつて窮奇族の祇首魈嶢と知り合い、ともに神物志について研究していた。それ以外に、二代目天物之澤・鳳麟遊とは親族関係にあった。鳳麟遊は古靈族の族長で、「天地遊」の剣霊から生まれ変わった人物。鳳麟遊が天物之澤であることから、古靈族が命蕭疏と窮奇族に狙われ、滅亡された。
滅亡の当時、元妙歸淳は不在だったため、難を免れた。古靈族の滅亡後、祇首魈嶢と決裂し、以降は「紀忘憂」と名乗る。鳳麟遊の死をきっかけに、天物之澤の対処法について調べるようになった。その間に、祇首魈嶢が「元妙歸淳」の名を騙って、各地で悪事を働き続けた。
登場初期に詠む詩は、南宋の白玉蟾が著した『臥雲』である。それに加え、秦假仙や天魔などと初対面の際、会話シーンで紀忘憂の正体をほのめかした。これにより、「霹靂英雄榜之風起雲湧一」で活躍した素還真の化身・臥雲先生と同一人物ではないかと、ネット上で様々な憶測が飛び交った。「霹靂戰魔策」の本編を通して、臥雲先生との関わりについては明言されずに終わった。
- 公式人物資料(紀忘憂)※中国語