概要
全てのモンスターがレベル4で攻撃力・守備力が1000であり、以下の共通効果を持つ。
カードテキスト
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
お互いは〇属性モンスターしか特殊召喚できない。
解説
特定の1属性を除き、モンスターの特殊召喚を封じる永続効果を持つ。
特殊召喚を封じる効果は強く、盤面への影響も大きいのだが、以下のように欠点も多いカードであった。
- 登場した当時は特殊召喚に依存しないE・HEROエアーマンやガジェットが環境を牛耳っており、特殊召喚を封じる意味が薄かった
- 1属性の特殊召喚を許すというため、効果の影響度が相手によって左右される
- 結界像登場の少し後に一切の特殊召喚を封じる上、特殊召喚されたモンスターの除去まで行い、さらにステータスも結界像より高いフォッシル・ダイナ・パキケファロが登場。その後も大天使クリスティアなど扱いやすい特殊召喚を封じるモンスターが増えていった
- フィールドに維持することが必要なのに低ステータスかつ耐性もザルなので簡単にフィールドから退かせられる
こうした点に加えて収録パックの悪評も手伝って登場当初は評価が極めて低く、デュエリストたちからは見向きもされず、クソカードの烙印を押され、そのまま遊戯王OCGの膨大なカードの海の中に埋没していく…かと思われた。
転機となったのは登場から9年ほどが過ぎた2015年。
当時はEMEmが大暴れしていたのだが、そんな環境で突如、結界像で相手の特殊召喚を封じつつ、攻撃反応罠やカウンター罠で守るというメタビートデッキである【結界像ビート】が環境で結果を残し、地雷デッキとして徐々に有名になっていった。
9年間という時間の中でサーチカードの増加、特殊召喚手段の増加、モンスター効果も強力になり、除去を魔法罠ではなくモンスター効果で賄うデッキも少なくなくなるなど遊戯王全体が大きくインフレしていた。
そんな環境故にモンスターの特殊召喚への依存が登場当初と比べて極めて大きくなり、特殊召喚メタカードが刺さりやすくなったのである。
こうして特殊召喚メタカードの評価が見直される流れとなり、その中で結界像の評価も見直されることになった。
最近の環境では「属性統一デッキ」というのは極めて少なく、属性が纏まったカテゴリーデッキであっても、大抵の場合は展開補助や切り札として属性の異なる外部のカードを当たり前に採用しているため、たとえ相手のデッキの主力カードと属性が被ったとしても一定の働きが期待できた。
さらにここまで特殊召喚依存が進むとフォッシル・ダイナパキケファロや大天使クリスティアらでは自分の特殊召喚も完璧に封じてしまうという点が無視できないデメリットになったため、デッキ構築やプレイングで相手のみにそのデメリットを押し付けられるというのは他の特殊召喚メタカードではできない芸当であり、その点が注目されるようになった。
そうした特徴を活かしたデッキ開発も進み、現在は自分が影響を受けないように調整し、ビートダウンデッキの制圧要員、或いはメタビートデッキでの2番目以降の主力として採用されることが多い。
そして2023年1月1日改訂にて結界像の1体である烈風の結界像が禁止カードとなることが決定した。
この禁止の報を受け、一部では「もう結界像は全部禁止にしたほうがいいんじゃないか」という声もあがったほどで、登場から約16年、登場当初の評価を完全にひっくり返したと言えるだろう。
まさしく「時代が追いついた」結果であると言え、同じ2023年1月1日改訂で準制限に緩和されたかつての最凶カードである八汰烏が「いつしか時代に追いつかれ、そのまま追い抜かれていた」と評されているのとは対照的である。