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八汰烏

やたがらす

遊戯王OCGの悪魔族モンスターの一種。スピリットモンスターに属する。
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概要編集

八汰烏(やたがらす)は、『遊戯王』に登場する風属性悪魔族効果モンスターで、遊戯王OCG史上最凶カードの一つとして挙げられていた。


禁止カード制度が導入されてから、18年以上禁止カードに指定されていた。制限復帰するまでのOCG最長期間記録保持者であるが、秋になればその保持記録も抜かれると思われる。


アニメは『遊戯王デュエルモンスターズ』の「乃亜編」における遊戯VS乃亜戦で、海馬乃亜が使用したカード。

武藤遊戯に止めを刺すために召喚されたが、攻撃が通らずにただ召喚されただけに終わった。

なお遊戯のライフが200だったので、攻撃が通ってたとしても効果を使う機会はなかった。


特殊召喚できず、召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに手札に戻るという特徴を持つ、スピリットモンスターの一体。

攻守は大変頼りなく、毎ターン手札に戻るのが面倒なため初心者にはスルーされがちだったが、このカードの怖さはその効果にあった。


カードテキスト編集

スピリット・効果モンスター

星2/風属性/悪魔族/攻 200/守 100

このカードは特殊召喚できない。

(1):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。

次の相手ドローフェイズをスキップする。

(2):このカードが召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに発動する。

このカードを持ち主の手札に戻す。


解説編集

Yata-Garasu

カードゲームの根本である「ドロー」を潰すというのは、極めて強力な能力である。

手持ちのカードではどうしようもない!このドローに全てをかける!!」という展開になっても、そのドローが出来ないからである。すなわち、相手が抵抗出来ない状態でこの効果が決まると、ずっと俺のターン状態になりほぼ勝利が確定する。


欠点としては、スピリットモンスターであるため通常召喚しかできない点。一度墓地に送られると一般的な蘇生方法では特殊召喚になるため、再度召喚するのが非常に手間である点(一例として「死者転生」で手札に戻す等)。

攻撃力が低いため、効果使用には直接攻撃以外にほぼ手段が無く、単独だと相手フィールドにモンスターがいるだけで防がれてしまう点などが挙げられる。ただし、全体を除去する手段は今も昔も豊富であるため、この点は実際あまり気にならない。それに、他のモンスターと組み合わせて使うことでも、モンスターを破壊しつつドローを封じられる。

エンドフェイズ時に手札に戻るため、毎回召喚する必要があるものの、相手ターンに魔法カードや戦闘で破壊されることがないという利点もあった。


【八汰ロック】と呼ばれる、あらゆる全体除去カードを使って八汰烏での直接攻撃を狙うことで相手のドローを封じ、一方的に試合を運ぶデッキが猛威を振るった。八汰烏そのものは低ステータスであるため、効果モンスターなど手札に加える手段は豊富だったことも、このデッキの強さに一役買った。

エラッタ変更前の混沌帝龍-終焉の使者-と組み合わせれば、相手の手札とフィールドを何も無い状態にできたため、八汰烏の効果が決まれば確実に勝利する状況を作り出せる。やられた相手にしてみれば、ターンエンドかサレンダーするしかないため面白くない事この上ない戦法である。

さらに言えば、八汰烏の効果を有効に使うために必要なカードが、どんなデッキにも入れられる汎用的な除去カードであるため、別にわざわざデッキを考えずとも、入れるだけでそれなりに使えた点も強力だった。


現在では墓地から効果発動するネクロ・ガードナーなどといったカードが存在するため、仮に相手の手札とフィールドを何も無い状態にできたとしてもそれで勝利が確定しない可能性がある。

特に、鉄獣戦線のような「墓地を利用した展開」に長けたテーマも環境で散見されており、これらであれば1枚でも手札が残っていれば容易に巻き返しができ、従来以上に「八咫鳥を通す前に完全に反撃不能にしておく」ことの重要度は上がっている。

また、デュエルの高速化が進んだ現在では相手の展開を許してしまった時点で1ターンキルが成立し、何をドローしても無駄な状況が整うため、ドローロックの必要性が相対的に暴落している事情は存在する。

とはいえ、高速化が進みカードパワーが増しているからこそ、1枚のドローでも逆転できる見込みもまた増しており、その可能性を削ぐ影響力は大きい。たとえ完封できなくとも、新たな手札無しで手持ちだけでしか動けないという状況に追い込むだけでも拘束力は大きい。

身も蓋もない事を言えば、一度直接攻撃が通った時点で特殊勝利したも同然となり得るようなカードというのはゲームバランスの調整を図る制作側としても扱いにくいという事情も長らく禁止カードに残り続けている理由にあるのでは、とも。


また、単純な性能とは別で大会進行上の問題も存在する。

遊戯王OCGの大会は原則的に3戦・2勝先取のマッチ方式で行われるのだが、制限時間は3戦合計で計測される。このため、ワンターンキルであればすぐに決着がつき2戦目に移るところを、あえて「ずっと俺のターン」状態にし時間をかけることで、1戦目だけで大幅に時間を圧迫し、2戦目以降による逆転のための時間を削ることが可能となる。相手は何もできないのに対し、自分は新たにドローを繰り返せるため、わざと動きを増やし正当に時間をかけることが可能であり、うまく時間をかければ事実上のマッチ勝利まで確定できてしまう。

日本の公式大会においては、サイドチェンジに対する情報等のいくつかの理由から、サレンダーするには相手の合意が必要となっており、このためにヴィクトリー・ドラゴンが存在する頃にはわざと不正をして反則負けをもらい強制的に2戦目に移す問題が発生したこともある。

このカードをのものはマッチキル効果ではないが、コンボの複雑化で1ターンの行動時間を引き延ばせる現代においては、制限時間との兼ね合いで実質的に同様の問題を引き起こしてしまうマナー上の問題も存在している。

なお海外ではサレンダーに合意が必要ないためこの方法はできない。




禁止カード指定編集

2001年11月29日に登場してから約1ヶ月後の2002年1月1日には制限カードに指定されたが、それでも猛威を振るい続けた。

当時は八汰烏のコンボに効果面で対抗できるキラー・スネークの制限が解除されたこともあったが、個別に暴れまわっただけで抑制としては全く機能していなかった。


制限カードになってから約2年半後の2004年3月1日に禁止カード枠ができてからは、最初に禁止指定された10枚の内に含まれた。

サンダー・ボルト」「ハーピィの羽根帚」「王宮の勅命」と並んで、一時期は禁止の最古参4枚の内の一つであった。しかし、2015/10に「ハーピィの羽根帚」が、2017/01にエラッタにより「王宮の勅命」が、そして「サンダー・ボルト」が2018/04に禁止から解除されたことで、禁止カード発足から一度も緩和されたことがない唯一のカードとなった。

デュエリスト達からも「二度と戻ってくるな」と言われていた。


しかし…


制限復帰編集

このようにゲームバランス上で解除は難しいとされてきたカードだが、海外では2022/5/17で制限カードになり、日本でも5ヶ月ほど遅れて2022年10月1日より「刻の封印」ともども制限カードに復帰を果たした。環境の変化を感じさせる緩和といえよう。

新規参入者向けか、2022年12月24日には「SECRET UTILITY BOX」で「刻の封印」と共に再録される。

上記の通り海外と日本ではサレンダーのルールが違うことに加え、さっそくこれら2枚を海外未発売の日本最新カードと組み合わせるコンボも考案されている。

なお、このカード以外の初代禁止カードは全て、一時的な復帰も含め禁止から解除されたことがある。このため、このカードが禁止解除されたことで、初代から一貫して禁止されたままの永久禁止カードは存在しなくなった


制限解除されたものの、高速化した現代遊戯王の環境では結果を残せなかったのか、続く2023年1月1日の改訂にて準制限へと緩和され、3か月後の2023年4月1日で無制限へと解除となった。

「刻の封印」は制限に留まっている(ラビュリンスに採用され、一定の結果を残した、あるいは罠サポートが増加しており、特にトラップトリックで簡単にサーチできてしまうのを公式が警戒したからだと推測される。)のとは対照的な結果となった。

八汰ロックでの相方であった混沌帝龍-終焉の使者-はエラッタによってかつての動きが出来なくなり、ハンデス三種の神器のような条件の緩いハンデスカードは軒並み禁止カードになっており、「もし再び手軽に八汰ロックを実現可能になるパーツが現れたら八汰烏本体よりもそちらが先に規制されるだろう」と言われている。

それに加えて先述の通り、「これに召喚権割いてダイレクトアタックを決められる状況なら他の手段でもっと楽に勝ててる」都合上、マッチ制限時間を意図したような運用でもなければあえて使う強みは無くなっている。

そしてそれすらも、高速化が進みすぎたために初手制圧に特化して無難に2連勝を狙う方が簡単にもなっており、このままの状況なら制限解除も時間の問題だろうとも言われている。


かつては遊戯王最凶のカードの称号をほしいままにしながらも獄中生活を送る約18年の間にいつしか時代に追いつかれ、そのまま追い抜かれていたのである。

時代は変わったのだ、かつての最凶を凡夫に変える程度には。


それでも使ってみたいなら編集

現在の環境においても採用検討可能なデッキはいくつか存在している。

例を挙げると

  • ふわんだりぃず:通常召喚の回数を水増しして展開するため、八汰烏に召喚権を回しやすい。ただし種族の違いから下級ふわんだりぃずの効果では召喚できない点には注意。
  • スプライト:「2」に特化したデッキであるためレベル「2」である八汰烏もその恩恵を受けられる。
  • 閃刀姫:2ターン目以降であれば八汰烏に召喚権を回すことも可能で、スピリットモンスター故に召喚するタイミングにさえ気をつければ閃刀魔法カードの発動を阻害しない。

ただしこれらのデッキでも「どうやって安定して手札に呼び込むか」「どうやって戦闘ダメージを与えるか」という課題があるため、運用は難しい。


八汰烏の骸編集

罠カード「八汰烏の骸」というカードがある。効果は以下の通り。


通常罠

次の効果から1つを選択して発動する。

●自分のデッキからカードを1枚ドローする。

●相手フィールド上にスピリットモンスターが表側表示で存在する場合に発動する事ができる。

自分のデッキからカードを2枚ドローする。


カードのドローを封じる八汰烏に対し、カードをドローするというまさしく正反対の効果を持つ。

八汰烏が禁止カードに指定されてから登場したカードであり、このカードの禁止をネタにしたカードであると推測されている。


種族編集

くどいようだが、悪魔族である。

見た目はどう見ても鳥獣族が妥当であろうが、効果的は悪魔そのものなので、これで良かったのかもしれない。

また、「鳥獣族の通常召喚を増やして制圧する」というふわんだりぃずが登場し環境の上位に存在しており、もしもあちらに対応する見た目通りの種族であったなら、禁止解除はさらに遠のいていただろう。実際、解除とほぼ同じ時期に、あちらの主力カードである烈風の結界像が禁止カードになっている。


ちなみに日本神話に登場する神獣の場合は、『八咫烏』という表記が正解である。


関連イラスト編集

お前の所為か再

八汰烏八汰烏が見た目の割に強いとか言われるけど


関連タグ編集

遊戯王 遊戯王DM 海馬乃亜 効果モンスター 禁止カード(遊戯王OCG)


竜崎一矢闘将ダイモスの主人公。スーパーロボット大戦をTCG化した『スクランブルギャザー』において、『相手ターンのドローフェイズがなくなる』という類似効果を持っていた繋がり。しかも、こちらはエラッタが適用されるまでは配置しただけで効果が発生していた。ただし、同名のパイロットカードは両方のフィールドに1枚までしか存在できないというルールがあった為、対策が不可能と言う訳ではない。


外部リンク編集

遊戯王カードWiki - 《八汰烏》

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