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CV:名塚佳織

概要編集

薬屋のひとりごと 』の登場人物。


外邸に仕える長身の官女。途中から男装の麗人その2となる。

薬と毒に長じており、その知識は猫猫をもしのぐといわれる謎の多い人物。


猫猫に対して何の前触れもなくどつく等容赦のない性格。


ネタバレ編集

その正体は地方の豪族「子の一族」の家長である子昌の先妻の娘子翠であり、上級妃楼蘭妃の異母姉。しかし楼蘭の母である後妻の神美から虐げられており、一族内では臣下として扱われている。これは父の子昌が元は傍系出身で本家の養子になった事と、後妻の神美は本家出身であるため一族内での発言権が強い事が要因である。神美の「躾」の一環として子どもの頃に蛇だらけの部屋に閉じ込められた事が何度かあり、今も蛇に対しては過呼吸が出るほどトラウマになっている。


後妻の神美はかつて先帝の上級妃として嫁いだものの、幼女趣味の先帝からは見向きもされず、手をつけられないまま子昌に下げ渡しされた。そのためプライドを傷付けられた神美は先帝を含めた現政権を憎み、一族を巻き込んだクーデターを目論んでいる。

そんな中でも異母妹の楼蘭とは仲が良く、母の神美の命令で後宮に入りクーデターのためのスパイとして活動する妹に協力し、暗躍していた。


暗躍編集

  • 祭事に使用する祭具の管理を任された礼部の高級官僚・浩然がストレスが原因となる味覚異常の病にかかっていることを知り、致死量の塩分を酒に混ぜて飲ませ殺害。
  • 浩然の後任になった高級官僚が弟と不和でありことを知り、弟にふだんは食用としている海藻も時期を外し、調理をまちがえると毒性をもち健康を害して死亡することと入手方法を教えたこと。
  • 深夜の後宮近くで道案内の礼として食糧倉庫の役人に高級煙管を与えたこと、高級煙管を与えられた役人は食糧倉庫で一服したため、それが粉塵爆発の原因になったこと。
  • 粉塵爆発のどさくさにまぎれて祭事に使う祭具が盗まれたこと。
  • 盗まれた祭具をもとに熟練の鋳造職人に、わずかな熱でも変形する液体金属(水銀と思われる)を使用する合金を材料にした新しい祭具の製造を依頼。鋳造職人は直後に体調が悪化して亡くなる。
  • (水銀は水俣病の原因として知られており)、依頼者にとって鋳造職人の体調が悪化して亡くなることは想定のうちであり、口封じに殺害されたのではないかとの疑惑が浮上する。
  • 有力皇族が祝いの言葉を述べる祭事場に、強度が弱い新たな祭具が使われていること。

これらの偶然とも悪意による必然ともつかぬ事件の数々に、猫猫は祭事を執り行う有力皇族の命を狙ったものであることを確信する。そして「皇弟・華瑞月暗殺未遂事件」が起き、猫猫は翆苓が首謀者の一人であることを見抜く。


暗殺が失敗に終わったのち、いくつかの証言からくる猫猫の推理により、いずれ疑いが自分にかかってくることを悟った翠苓は「仮死薬」を飲むことで自らの死を偽装、いずこへと逃亡。自身の長身や中性的な顔立ちを生かして宦官として後宮に潜入し、楼蘭と接触する。(以降猫猫から男装の麗人その2扱いをされる)やがて自分や協力者たちの正体を見抜いた猫猫を誘拐し、クーデターに巻き込んでいく。しかし一方で猫猫に対しては巻き込んでしまった責任は持っており、楼蘭同様に神美から猫猫を守ろうとしている。

「子の一族」に仕えていた元後宮医官の育ての親から薬学の知識を学んでおり、その過程で前述の「仮死薬」も発明していた。


高貴な血を引く者編集

後妻の神美はいきさつを知らなかったが、翠苓は先帝の孫娘である

かつて後宮内に勤めていた翠苓の祖母は先帝のお手つきとなり娘を出産。先帝の子だと訴えたものの先帝は女帝の詰問を恐れて娘の認知を拒否し、去勢を免除されていた後宮医官との不義の子として追放された。この事件は宮廷内でも有名で、この件がきっかけで後宮医官も去勢手術をするようになった。皇太后である安氏も、先帝の性格から侍女の言っていることが本当だと勘付いており、自分の場合は産んだのが男児だったから助かったのだろうと思っている。


その娘は追放された医官と共に、本心では気にかけていた先帝の計らいで子昌に引き取られ、先帝の頼みで適齢期になった後に子昌の妻となった。こうして生まれたのが翠苓である。つまり翠苓は現皇帝の姪であり、壬氏の真の出自からすれば彼の従姉妹にあたる。(よく見ると目の形や顔の輪郭が壬氏に似ている)

楼蘭はこの事実を壬氏に暴露することで、本来なら謀反を起こした事で一族郎党処刑される運命にある「子の一族」の中で、姉だけでも処刑から守ろうとした。


一族のクーデターが失敗した後は、楼蘭の思惑通り皇族の血筋を引いている事から処刑されることはなく、仮死状態から生き返った子どもたちと共に阿多の元に匿われる事になった。しかしその出自から決して表舞台に出ることは許されず、彼女の優れた才能を生かしきれない事に対して阿多は歯痒い思いを抱いている。


皮肉にも、彼女が「蘇りの薬」の材料に使用した曼荼羅華の花言葉は「素敵な恋人」「愛敬」「偽りの魅力」「変装」「恐怖」であり、彼女のほぼ全てを物語っている。



関連タグ編集

薬屋のひとりごと

子翠

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