※この記事には物語の根幹に関わる重大なネタバレを含みます。
【邪神】とは特殊超級職にして、生贄。
<終焉>の力の一部を行使する権利を持つが、最後には<終焉>の頭脳体として一体化する者。
<終焉>降臨のカウントダウンは、【邪神】の誕生から始まる
概要
【邪神】(ジ・イーヴィル)。
ティアンのみが就ける特殊超級職の一つにして最も特異で残酷なシステム。
その性質上、インフィニット・デンドログラムにおけるラスボスに相当する存在。
とあるティアンの研究によるとデンドロ世界はジョブを極める事でその先の領域、すなわち超級(スペリオル)を超えた無限(インフィニット)に至る目的で創造されたとされている。
そんな世界に創造主達は<終焉>(ゲームオーバー)と呼ばれる『足切り装置』を仕掛け、高みに至れない世界をリセットするシステムを遺した。そして終焉が目覚めた時に頭脳体として一体化する存在が【邪神】である。
具体的には適性を有するティアンが誕生した瞬間から就いており、同時に<終焉>降臨のカウントダウンが開始。世界中から死者のリソースを吸収して成長し、一定値に達した時覚醒。その後降臨した<終焉>と融合し世界に牙を向く<終焉>の半身にして半神。
しかし【邪神】は世界滅亡の呼び水であると同時に「生け贄」であり、<終焉>に対抗するだけの力が無い場合の「及第点」として降臨前に【邪神】を殺害すれば降臨のカウントダウンがリセットされる仕組みになっている。
要するに<終焉>による滅亡は『停滞する世界なら滅べ』、降臨前に【邪神】を倒せれば『努力は認めるので滅びは先延ばし』というシステムである。
能力
通常の超級職よりも強力な物が多い特殊超級職の中でも特に凶悪。
先代管理者が【邪神】を作成する際、その試作として作られたのが七つの【魔王】シリーズであり、【邪神】は【魔王】の力をブラッシュアップした完成版の力を扱える。
自殺も自傷もできず、その身に危機が迫れば否応なくスキルで自動迎撃してしまい、存在するだけで<終焉>の力の一端を行使する災厄と化す。
更にスキルにより外から持ち込まれた要素では倒せず、無限エンブリオでも勝てない。(正確には無限エンブリオでも上位の者なら対抗できるが舞台となるデンドロ世界自体消し飛ぶので論外)
スキル
能力の内容が断片的な為特性も表記。
- 眷属変性
危険に応じて周囲の物体を眷属に変化させる。また対象者の同意があれば生物を自発的に眷属化可能だが、その場合対象が強い存在である程成功率が下がる。
【怠惰魔王】と【色欲魔王】の複合版。
- ポジション効果(名称不明)
【傲慢魔王】のインナー・ポジションの強化版で欠点も克服している。
- 死者リソース吸収能力(名称不明)
【暴食魔王】の能力と同様で、リソース吸収による自動レベルアップを行う。
- 完全隠蔽(名称不明)
一定レベルになるまで【邪神】に関連した情報の完全隠蔽。本人が【邪神】の情報を言っても相手に伝わらず、看破によるステータス情報も完全に隠蔽される。【傲慢魔王】のアッパー・ポジションを元にしている。
- 代替脳(名称不明)
歴代の【邪神】の記憶の保持及びジョブ自体を代替脳として思考する特性。要するに生誕時から【邪神】というジョブの器が脳とは別の思考と記憶のための器官として機能。
よって歴代【邪神】は自分がどうあっても死ななければならない存在だと理解してしまう。
- 次代の強化(名称不明)
代を重ねる毎に基礎ステータス及びスキルの強化。よって【邪神】は先代よりも強くなる。
実際本編における先代【邪神】は幼少期の時点で並みの超級職よりも強かった事が語られている。
終焉
<終焉>(ゲームオーバー)
【邪神】が世界を滅ぼす為の戦闘体に相当する存在。
『神骸』とも呼ばれる人の様な獣の様な何かの死骸。
現在はかつて【覇王】が支配していた「業都」の地下深くで眠っている。
太古の時代に一度倒されているが、この時は特殊超級職が欠けておらず、フラグマンの機械兵器が盛りだくさんで後方支援も万全なフルメンバー。
それでもなお撃破には多大な犠牲を払っており、マスターの増加で超級職に就いたティアンが減り、更に特殊超級職も欠けた現代では覇王級の戦力がなければ滅亡は必至。
仮に現代に復活した場合、無限エンブリオ中位相当の戦闘力になると推定されている。
その正体は、かつて無限職たちによって討伐された、古の三邪神が一柱 無限級契魔<破壊神>であると推定されている。
ちなみに特殊超級職の役割は以下の通り。
- 【勇者】:勇者
上級・下級含め最大100ずつジョブに就け、合計レベル15000と膨大なスキルで立ち回る。
- 【聖女】:回復役
最上位の回復が使える。
- 【聖剣姫】:前衛攻撃職
元始聖剣アルターによる絶対切断攻撃が可能。
- 【機皇】:兵器開発・火力支援
詳細不明。適性は「血統」のみ。
- 【宝皇】:道具探索・道具支援
詳細不明。現在適性となる「血統」が途絶えロストジョブ。
- 【妖精女王】:後衛魔法職
国土の自然魔力を自分の力として扱え精霊を召喚して戦う。
- 【征夷大将軍】:広範囲バフ・広範囲デバフ
結構な頻度で代替わりしており質が低下している模様。
- 【先導者】:斥候・危険回避
確実な未来に繋がる道を勘という形で掴みとる。
- 【龍帝】:人界の〈イレギュラー〉
【邪神】の様に代を重ねる毎に強くなるモンスターの様な存在。
管理AI達はティアンの戦力の質を自分達の計画によって低下させてしまい、結果的に自分達の首を締める事になって頭を悩ませたが、管理AIの一体ドーマウスが【邪神】を保護して自動吸収されるリソースを処理、更にその補助としてセーブポイントを設置する方針で対応が決定。これが後のアルター王国である。
更に【邪神】は<終焉>からそう遠くない場所で誕生するルールがある為監視にも適していた。
そして肝心の<終焉>本体が眠る地下空洞は空間操作も加えて厳重に封印され、UBMまで徘徊させて絶対に最深部に辿り着けないダンジョンが完成。こうして完成したのがアルター王国の名物ダンジョン『墓標迷宮』である。
ちなみに化身達無限エンブリオが到来したのは丁度先々期文明が<終焉>を倒した後の時期で、もしそれ以前に現れたら泥沼の戦いで全てが滅んでいたとされる。
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ネタバレ
この先超ネタバレ注意
『現』【邪神】
「――Don’t touch the GAME OVER」(私に触れないで)
現代に誕生した歴代最強の【邪神】、その正体はテレジア・C(セレスタイト)・アルター。すなわちアルター王国第三王女である。
元々病弱な王女として生まれ【邪神】のスキルで自分の末路を察した彼女は、「自分の命は長くないのだろう」と考えていた。
しかし8歳になるまでに「恵まれ過ぎ」とぼやく程手厚く大事に育てられ、病弱故に張られた結界もリソース減退に貢献。予想外に生存の環境が整っていた事も後押しして、希望ある終わり方を考えられる様になる。
そんなある日、ゼクス・ヴュルフェルが『王女誘拐』という大罪を犯す為にテレジアを拉致。
ゼクスはスキルに頼らず彼女の異常性を察知し、偶然監禁場所を訪れたシュウ・スターリングは彼女の嘘を見抜く。
この日を境にドーマウスがペットという形で彼女の傍に立ち、テレジアに衝撃を与えたゼクスとシュウは世界の秘密の一端に触れる事となる。
第三王女誘拐事件を契機に長い因縁が始まったのであった。