「こういう時こそ冷静になれ」
概要
CV:川澄綾子(『魔法少女サイト』本編のアニメ版第12話(最終話)にて登場)
新膳(しんぜん)中学校に通う中学2年生(2年C組在籍)で、親友・高橋つららと共にテニス部に所属し、ダブルスを組んでいる。
青みがかった黒髪ショートヘアで、左目下の泣きぼくろが特徴のボーイッシュな少女。
冷静かつ、親友であるつららを大事に思う友達思いな性格で、ある理由で謎のwebサイト『魔法少女サイト』から与えられたステッキを手にしたつららの苦しみを知ったことをきっかけに彼女と共に自身も魔法少女となる。
ステッキ
ステッキの使用で出血する場所は膣、髪色はライトイエローに染まる。
元々はつららが魔法少女サイトから与えられたステッキだったが、雹花が預かることになった。
来歴
親友との出会い
かつて父親を事故で亡くしたショックで引きこもりになってしまうが、その時毎日見舞いに来てくれたクラスメイトがつららで、彼女に対して次第に友情を感じるようになり、テニス部の全国大会に出たいという彼女の夢を叶えたい一心から立ち直り、「二人で一緒に夢を叶えよう」と誓い合い、無二の親友となった。
こうして親友同士となったつららと雹花は、部活内で「高月コンビ」と呼ばれるようになり、紆余曲折を経て、全国大会出場権を獲得した。
親友の苦しみ
しかし、念願の全国大会出場権を獲得して喜ぶのも束の間であった。
以前からテニス部の男性顧問・倉木に脅され、肉体関係を強要されていたつららが妊娠してしまい、突然全国大会を諦めて部活をやめようとすることにショックを受け、親友にも打ち明けられない大きな不幸を背負ったつららは魔法少女サイトと出会い、電動ドリル型ステッキを与えられた。
つららは妊娠の事実を倉木に報告するも、中絶するよう見捨てられた挙げ句、自身や意中のクラスメイトである赤井を一方的に侮辱されたことに逆上し、手にしたステッキで倉木を殺害、雹花は偶然にもその現場に遭遇してつららの苦しみや倉木の正体を知ってしまう。
親友の苦しみを知った雹花は、倉木に対して「つららを汚した最低の男」と呼んで強い憎悪を抱くようになり、「つららを苦しめる奴は死んでも構わない」という思想を持ち始め、自身もつららのステッキを使って倉木の遺体を処分して証拠隠滅を行った。
そして全国大会が終わってからの9月に自首をしようと、つららと決めた。
決別宣言
雹花は顧問の子を妊娠してしまった(妊娠8週目)つららの中絶費用を集めるべく、つららから預かったステッキでオヤジ狩りを行うが、クラスメイトの安條磯子に犯行現場を目撃され、自分達の秘密を知られてしまうが、彼女も魔法少女の一人であるらしく、二人の秘密を特に公言するつもりもないと語っている。
そんな中、つららが現実逃避をする形で赤井と交際を始めたことにショックを受け、決別宣言をした。
関連タグ
奴村露乃:本編におけるもう一人の主人公的存在となる魔法少女。
※以下、ネタバレ注意!!
※以下の項目は重大なネタバレを含むため、注意。閲覧は自身の責任になります。
永遠にさようなら。
あんたら教師たちみんな…、腐ってるってことはよくわかった。
お前ら…何が楽しいんだよ…。そんなことして、なにが楽しいって言うんだよ!!!
ある朝いつものように雹花が学校に来ると、倉木の自宅アパートを訪ねた学年主任と女性教諭・間口冷子が回収したつららの陵辱写真が何者かによって学校中に大きく貼り出され、雹花は学年主任を問い詰めて事の経緯を知り、きっと他の誰かが写真を流出したと聞き、自分達の秘密を握る安條が犯人ではないかとばかり疑う。
つららは倉木に撮られた陵辱写真が学校中に暴かれてしまったことで豹変した赤井に手酷く見捨てられ、掌を返したクラスメイトから凄まじいいじめの対象となって酷い罵声を浴びるようになり、雹花は決別宣言をしながらも親友を見捨てることができず、つららを庇おうと一人必死になる。
お前に…あたしたちの絆はわからねぇ
あたしがお前の夢を叶えたいと思ってる…!!
今からでも遅くない…!!やり直せばいい!!
言っただろ!?あたしがお前をサポートするって…!!
赤井の裏切りやクラスメイトからの非難の嵐に耐えきれず、叫び狂いながら教室を飛び出したつららを一人追いかけた雹花は今にも屋上から身を投げようとするつららの姿を見つけ、必死に説得しようとするが…、
つららは親友・雹花の目の前で屋上から飛び降り、自らの命を絶つのだった。
突き付けられた真実
長月雹花、お前は何も真実が見えていない。
真実と言うものは時に…はるか奧に潜んでいる。
雹花は目の前で親友を失った絶望に閉ざされ、赤井やクラスメイトも自殺をしたつららの無惨な姿を目の当たりにすると、つららを見捨てたそれまでの態度とは一転して顔を青ざめ、学校中がひどい大騒ぎとなってしまう(※尤もつららを手酷く見捨てた赤井やつららに非難の嵐を浴びせたクラスメイトはこの一件が警察沙汰となれば、自分達に嫌疑がかけられるのも時間の問題であり、特に赤井に至っては陵辱写真が広まった際に必死に訳を説明しようとするつららの顔面を蹴り飛ばす現場を大勢の生徒に目撃されている以上、言い逃れはできず、彼女と同じ末路を迎えると思われる)。
特にいじめに加担する訳でもいじめを止めようとする訳でもなかった安條は、親友の死に絶望する雹花の前に飄々と姿を見せ、彼女がつららの写真を流出した犯人とばかり思い込み怒り狂う雹花だが、つららの電動ドリル型ステッキを手にした安條からある真実、即ちつららを自殺に追い込んだ黒幕の正体を知らされ、安條と共につららの死を一人嘲笑う黒幕との戦いに挑み、死闘の末に勝利する。
親友の仇を討つことはできたが、これまでのステッキの酷使によって寿命が残りわずかとなってしまった雹花は、魔法少女サイトとは別のルートを通じてステッキを手に入れ、サイト管理人の正体がステッキの使用で寿命を使い果たした“元魔法少女”などといった管理人の秘密を詳しく突き止めた安條から「雹花自らがサイト管理人となり、内部から魔法少女サイトのシステムを破壊する」という提案を出される。
安條のことを信用しきれないものの、最期の力でステッキを使い、寿命が尽きゆく雹花は自分やつららの全てを奪ったものへの反撃を誓う。
これはあたしとつらら、二人の意思だ。
あたしたちの夢や希望、人生を奪った全てのものへの
反撃だ。
※以下、『魔法少女サイト』本編の核心部分にあたる超重大なネタバレが含まれています!!
本編第2部29話(通算第84話)話以降のネタバレ注意!!
ここから先は本編に関わる非常に重大なネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
『魔法少女サイトSept』は、本編よりも過去の時間軸を描いた物語であり、本編に登場するサイト管理人の一人・漆の正体こそが、長月雹花本人であると判明。
しかし雹花が変貌した漆は人間と手を組もうとするなど、18人存在するサイト管理人達の中でも特に独断での行動が多く、サイト管理人の一人・拾伍は「漆にはまだ人間(長月雹花)だった頃の感情が残っているのでは?」と疑念を抱くが、管理人のリーダー的存在の壱によればサイト管理人に変貌した元魔法少女は、“王”によって全ての記憶や感情は抹消されるらしい(しかし雹花が管理人になる直前、安條が身体のサイズを自在に変化させる眼鏡型ステッキで身体を縮ませ、特殊な音波で時空間を歪ませ、移動ができるハンドベル型ステッキを使い、黒い霧となって消え行く雹花の中へと紛れ込み、一時的に彼女と意識を繋ぎ合わせていたが、雹花が「王室」へと案内された途端に雹花はまばゆい光に包まれ、そこで安條自身の意識も途絶えたという)。
サイト管理人・漆としての経緯や動向などについては、本項を参照。
余談
- スピンオフのタイトルにもなっている「Sept」はフランス語で「7」、即ち七=漆を現す数詞であり、「“Sept”ember」は英語で「9月」、つまりは「長月」を現している。
- 実は本編のアニメ版第12話(最終話)において登場している雹花だが、“長月雹花”としての姿ではなく、ステッキの酷使で絶命した奴村露乃の前に現れる謎の巨大な眼球として登場している(なお、絶命した奴村の前に最初に現れたのは漆であり、漆からその巨大な眼球の姿となって登場している)。
※そのため、名前の由来やアニメ版最終話と合わせると、「漆の正体=長月雹花」であることを暗示させている。
「君の痛みは王の痛み。君の望みは王の望み。君の救済は王の救済」
「喜びたまえ。王は君を新たな管理人として選ばれた。不幸の存在しない新世界を共につくる御使いとして…」
「王は君に特別な恩寵を下された。受け入れよ、奴村露乃。それだけが君を解放する」