不幸だねー不幸だねー。そんなキミに魔法の力を与えよー。
それでは楽しい魔法少女ライフを。
不幸だねー不幸だねー、概要だよぉー。
朝霧彩のようにいじめや虐待に苦しむ少女、奴村露乃のように家族を殺され、心に暗い影を落とした少女などといった不幸の境遇に見舞われる少女たちに魔法のステッキを配布する謎のwebサイト『魔法少女サイト』を運営している謎の存在。
「不幸だねー不幸だねー そんなキミに魔法の力を与えよー」の口上(管理人によってそれぞれ異なる)や話し方が独特であり、名前が漆や捌などの漢数字になっていること以外、その正体や目的は一切不明。
それ故に他の人物や背景とは異なり、点描で描かれている等、その存在はメタフィクション的な異質さを漂わせている。
webサイトのトップ画面にその姿が描かれており、そのトップ画面に描かれたサイト管理人(漆は左耳、捌は鼻)をクリックすることでテンペストのカウントダウンが記されたページを表示することができる。
彩や奴村たちが出会ったサイト以外にも、雨谷小雨たちが出会った“もうひとつの”魔法少女サイトをはじめとする、複数の魔法少女サイトが存在すると同時に18人のサイト管理人が存在しており、ステッキの配布も市区町村ごとによって管轄エリア(主に東京都内)が決まっている。
しかし、「ステッキを回収する」という目的の下、潮井梨ナや雫芽さりなを魔法少女狩り(マジカルハンター)に仕立てあげることで彼女たちにステッキを回収させたり、サイト管理人自らが魔法少女抹殺に出向くなど、不穏な動きを見せており、サイト管理人のリーダー的存在の壱を中心とした経過報告会議が定期的に行われている。
そして魔法少女と思われる少女達の遺体やステッキがごまんと転がると謎の場所では、一人の謎の少女が…?
不幸やねぇ~不幸やねぇ~、ステッキについて教えるさかい~
配布の仕組み
- サイト管理人が不幸な少女を見つけ、偶然を装うように少女のPCやスマートフォンに「魔法少女サイト」として現れる。
- 偶然を装ったアクセスの形で少女の前に突如現れたその後、サイト管理人自らがステッキを届けに少女の自宅か学校に現れる(少女の自宅に現れる際は主にその少女が所持するPCの画面から現れているが、学校や別の場所から出現する場合、どう現れるかは不明)。
- サイト管理人がステッキと簡単な使い方が記載された説明書を学校の下駄箱や鞄の中などに直接潜めることで、少女の元にステッキが配布される。
漆は自分達がただ少女にステッキを与えるのではなく、「必要な者に必要なモノを必要な時期(タイミング)にステッキを与えてこそ、それを少女達に使わせること」が目的と語っている(例えば、いじめや虐待に苦しんでいた彩は強い自殺願望を抱いていた時、住倉湯華はTwitterに遺書と言わんばかりの書き込みをして駅で飛び込み自殺を図ろうとした際にそれぞれPCやスマートフォンに繋がった魔法少女サイトと出会った)。
梨ナ曰く、ステッキの配布はその少女が登校「してる」か「してない」かで、届け先が決まるらしく、ちゃんと登校していた彩や奴村は学校の下駄箱、引きこもりだった梨ナや一時期不登校だった穴沢虹海は鞄の中にステッキと説明書が入っていた。
ステッキの原則
ステッキを与えられるのは基本的に不幸の境遇に見舞われた“少女”になるが、女装を理由に学校でいじめられていた男の娘の水蓮寺清春も魔法少女サイトと出会い、与えられたステッキを使用しているため、「魔法少女サイト」と銘打っていながらも、サイトから配布されるステッキは男女関係なく使用が可能である。
しかし漆の協力者として深く関わる美炭貴一郎は、「ステッキは“少女”が使わなければ、意味を成さない」と語っている。
第2部では、魔法少女サイトの使いの者ではない謎の人物・“A”の存在が確認されているが、少年少女に関係なくステッキを与えており、“A”からステッキを受け取った者達は湖村花夜の妹をはじめとする一般人を次々襲い、無差別殺人を引き起こしていた。
ステッキの使用を許されているのは、基本“少女”のみであり、“A”や彩の兄・朝霧要といったサイトとは無関係の人間は処分対象と判断されるが、サイトから配布されるステッキが男女関係なく使用できるにもかかわらず、「魔法少女サイト」と名乗ったり、ステッキの使用を少女のみに限定する理由も謎のままである。
不幸でんなぁー不幸でんなぁー、サイト管理人やで
漆(なな)
CV:中尾隆聖
彩や奴村たちが出会った魔法少女サイトの管理人。
捌(はち)
CV:キズナアイ
小雨たちが出会った“もうひとつの”魔法少女サイトの管理人。
詳細は個別記事を参照。
弐(に)
CV:悠木碧
アリスが出会った魔法少女サイトの管理人。
拾陸(じゅうろく)
公式スピンオフ作品『魔法少女サイトSept』にて登場する、高橋つららが出会った魔法少女サイトの管理人。オーバーオール風の腹掛けを着た金太郎のような風貌をしている。巨大な鉞が武器で、刃部に炎を纏わせることで高層ビルを真っ二つにするほどの威力を引き出す。笑い方は「ほっほっほっほ」。
本編における第1部38話の初登場では、拾陸のみシルエットでの登場だったが、第2部27話(通算第82話)にて正式に登場する。
壱(いち)
CV:安里勇哉
軍服を纏ったのっぺらぼうのような風貌をしている。サイト管理人たちのリーダー的存在であり、定期的に行われる管理人たちの経過報告会議を取り仕切っている。
詳細は個別記事を参照。
その他のサイト管理人
参(さん)
蛇そのものな顔をした、チャイナ服姿の管理人。あらゆる場所に潜って奇襲や回避をすることが可能で、口先や尻尾を刃物に変えて攻撃を仕掛けてくる。
肆(し)
セーラー服を着た大仏のような風貌をしており、訛りの入った話し方をする。笑い方は「がっがっがっがっ」。
斬撃攻撃も通用しないほどの強度を誇る自身の巨体で相手を潰して圧殺する他、蜂や蜘蛛、蠍をはじめとする虫の大群を口から出して相手を襲う。
伍(ご)
ブルマ姿の舞妓さんな風貌をしている。一人称は「妾(わらわ)」で、舞妓さん口調で話す。時折口裂け女を思わせる不気味な笑みを浮かべてくる。笑い方は「おひょひょひょ」。
鍔から5匹もの蛇のような凶暴な生物を生やした魔剣・喰異丸(くいまる)が武器で、戦闘時に口から出してくる他、口から羽根状の刃を飛ばして攻撃を仕掛ける。
陸(ろく)
CV:小杉十郎太
般若の面を被ったジャージ姿の管理人。髪型はリボンをつけた三つ編みのおさげヘアで、掌から対象を消滅させる黒い煙を放つ。
玖(きゅう)
狐面を被った黒スーツ姿の管理人で、単調な話し方をする。掌から放つ冷凍光線で相手を氷漬けにし、凍死させる。
拾(じゅう)
CV:小西克幸
スキンヘッドでラッパーを思わせる風貌をしており、英語を交えたラッパー口調で話す。強力な超音波や怪力で相手を苦しめる。
拾壱(じゅういち)
顔の殆どが骸骨になっているスク水姿の管理人。経過報告会議中は度々居眠りをしている呑気な性格だが、ポルターガイストを引き起こすほどの強力な念力を繰り出し、引き寄せた周囲のもの全てを瞬時に圧縮する他、引力で対象物を引き寄せる。
拾弐(じゅうに)
天狗の面を被ったバニーガール姿の管理人。短気な性格で、笑い方は「かっかっか」。
手から民家を半壊に追い込むほどの威力を持つブラックホールで標的を消し飛ばす。
拾参(じゅうさん)
豚そのものな顔で、修道士のような風貌をしている。笑い方は「ブフフフ…」。地中から鋭く尖った巨大な棘を大量に発射し、相手を串刺しにする。
拾肆(じゅうし)
ポニーテールで黒いパーカーを羽織っており、『忍者戦隊カクレンジャー』のドロドロや『スクリーム』のゴーストフェイスを思わせるマスクを被っている。
根暗かつネガティブな性格で、マスクの目や口の部分から放つビーム攻撃が武器な他、擬態も作れる。経過報告会議では主に体育座りをしている。
拾伍(じゅうご)
CV:富士葵
顔を包帯で覆い隠したOLのような風貌をしている。レーザートラップをはじめ、斧や日本刀等といった無数もの刃物を召喚して相手を攻撃する他、強力な再生能力を持つ。
拾漆(じゅうしち)
ツインテールに白衣を羽織ったピエロのような風貌をしている。経過報告会議ではよく机に足の指を乗せながら座っている。両手から放つリング状のビーム光線で相手にファスナーを取り付け、バラバラにしてしまう。
拾捌(じゅうはち)
小尉の面を被ったメイド服姿の管理人。髪型はリボンをつけたツインテールで、毛先を変形させて標的を消し飛ばす光弾を放つ。ゴムのような身体で自在に伸び縮みさせ、電撃攻撃も無効化させる他、背中から出すジェットパックによる空中飛行で標的を猛スピードで追跡する。
不幸よのぉ~不幸よのぉ~、管轄エリアを教えてくれよう
※太文字になっている魔法少女は通常とは異なる形でステッキを受け取った等の特殊な例がある者。
サイト管理人 | ステッキの装飾 | 紋章 | 紋章が浮かび上がる位置 | 配布先 | 魔法少女 |
---|---|---|---|---|---|
壱 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
弐 | 骨となった羽 | ローマ数字 | 左鎖骨 | 八王寺市 | 禍沼アリス、住倉湯華※1、※リンク先ネタバレ |
参 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
肆 | 蝶々のような羽 | ひらがな | 不明 | 不明 | 不明 |
伍 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
陸 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
漆 | 天使の羽 | ハートや三日月などの記号、ギリシャ文字 | 左手首 | 武蔵之市、美鷹市、黄金井市、にし東京市 | 朝霧彩、奴村露乃、潮井梨ナ、穴沢虹海、雫芽さりな※2、池股みかど、小波ゆう、湖村花夜、酒木さくら、霜園博子、etc… |
捌 | 悪魔の羽 | アルファベット | 右首筋 | 錬馬区、杉浪区、仲野区 | 雨谷小雨、燐賀紗雪、泉ヶ峰みかり、水蓮寺清春※3、滝口あさひ |
玖 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
拾 | 漆と異なる天使の羽 | ト音記号などの音楽記号 | 不明 | 世多谷区、眼黒区 | 不明 |
拾壱 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
拾弐 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
拾参 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
拾肆 | 弐と似たような色違いの羽 | 不明 | 不明 | 品河区、太田区 | 不明 |
拾伍 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
拾陸 | 機械のような羽 | 星座記号 | 手の甲 | 湊区 | 高橋つらら、長月雹花※4、※リンク先ネタバレ※5、なのか |
拾漆 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
拾捌 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
※1:魔法少女サイトにこそ出会ったものの、弐が倒されたためにステッキを受け取ることができなかった。
※2:魔法少女狩りの後継者として、漆から直接ステッキを与えられた。
※3:女装をした男の娘である少年魔法少女(ステッキを受け取った清春本人も捌が自分を少女と勘違いしたと特に気に留めてはいない)。
※4:つららとひとつのステッキを共有する形で魔法少女になった。
※5:他の生徒の下駄箱に入っていたステッキを盗んで魔法少女となったため、あくまでも魔法少女サイトとは無関係になるが、年齢的に魔法少女と言うよりアレな方である。
不幸だな…不幸だな…、関連人物だよ…
表向きは警視庁の刑事だが、その正体はサイト管理人・漆と繋がりを持つ協力者。
彩をはじめとする少女達の周辺や環境の調査、ステッキの配布等と事が円滑に進むよう動き、ステッキの回収・配布を代行しており、30つ以上ものステッキを保有しているが、漆と手を組んだ理由や目的等は謎に包まれている。
実は漆以外にもある魔法少女と深い繋がりがある。
能面の面を被った黒づくめの姿で、「魔法の使者」を名乗る謎の人物だが、実際には魔法少女サイトの使いの者ではない。
目的や正体等は一切謎のままだが、サイト管理人・漆が管理している同等のステッキを大量に所有し、霰矢冬子のような不幸な少女だけでなく、少年少女に関係なくステッキを与えており、「黄金井市少女リンチ殺人事件」を引き起こした実質的な黒幕でもある(管理人側にも厄介な存在として危険視されていた)。
しかし本編中(第2部)において、衝撃的な事実や正体があまりにも意外な人物であることが判明するが、その者も魔法少女サイトや管理人とは別のルートからステッキを与えられたらしい。
YO!不幸ー不幸ー、管理人の正体だYO!(※ネタバレを含むので、要注意!!)
禍沼アリスが発案した、「サイト管理人が少女の元に新たなステッキを与える瞬間を狙い、奇襲を仕掛ける」という、サイト管理人奇襲作戦によって、彩たち魔法少女はひょっとこのサイト管理人・弐を倒すことに成功するが、自分たちが倒した管理人から全裸の少女が現れたことに驚愕した。
少女の遺体や燐賀紗雪が斬り落とした管理人の片足、管理人が学校の下駄箱に潜めようとしたステッキを回収し、アリスがそれらを調べた結果、サイト管理人・弐に姿を変えていたのは「越智 沈果(おち しずか)」という少女で、彼女もかつては彩たちと同じように魔法少女サイトからステッキを与えられた魔法少女の一人であったが、既に命を落とし、サイト管理人に変えられていたことが明らかになる。
即ち(経緯や仕組みこそはまだ明らかになってはいないが)、サイト管理人の正体は命を落とした元魔法少女であると判明。
しかし、その後の経過報告会議で魔法少女たちに倒された弐が不在であったことから、弐の異変を密かに察した漆が「今度からステッキを与える際は用心した方がいい」と、他の管理人たちに警告したことから、再び行われたサイト管理人奇襲作戦において、サイト管理人・拾と拾肆の猛攻で泉ヶ峰みかりが犠牲者となり、多くの負傷者が出ることになった。
憤ッ!!関連イラストだぞっ!!
こちらは関連タグでございます。
魔法少女 魔法のステッキ 魔法少女狩り 美炭貴一郎 ※この先ネタバレ注意!! “A” 先人類の王
第1部にて登場する魔法少女
朝霧彩 奴村露乃 潮井梨ナ 穴沢虹海 雫芽さりな 雨谷小雨 燐賀紗雪 泉ヶ峰みかり 水蓮寺清春 滝口あさひ 禍沼アリス 池股みかど 小波ゆう 住倉湯華
第2部から登場する魔法少女
スピンオフにて登場する魔法少女
その他の関連タグ
亜種魔法少女:『魔法少女・オブ・ジ・エンド』にて、主人公達の脅威となる存在。
キュゥべえ・ファヴ・コエムシ・喪黒福造・謎の老婆・神崎士郎:同業者
This_Man:サイト管理人のモチーフとなった都市伝説。
恐怖新聞:掲載誌にかつて連載されていたホラー漫画、ならびにその作中で登場するサービス。21世紀からは、ネット社会にも対応している。利用者の寿命を吸い取り最終的に自らの関係者にしてしまう等、共通項が取り沙汰されている。
ヤッター十二神将:数字を元にした名前を持つ敵幹部繋がり。
不幸だな。不幸だな。そんな貴様にこの物語の核心を教える(※以下、ネタバレ注意!!)。
魔法少女サイトから与えるステッキは、使うと寿命が減るというリスクが存在しており、ステッキの使用ごとに左手首などの身体の一部に現れる紋章(所謂ライフポイント)が少しずつ減り、寿命を使い果たした上でその紋章が完全に消えると、その魔法少女は命を落としてしまう。
劇中では虹海やみかりをはじめ、サイト管理人強襲などによって命を落とした魔法少女は存在していたが、ステッキの使用によって命を落とした魔法少女は特に存在していなかった。
しかしサイト管理人奇襲作戦において、サイト管理人・拾と拾肆の猛攻に魔法少女達が苦しむ中、寿命があとわずかであった奴村が自身の残り少ない命と引き換えに使ったステッキで寿命を使い果たし、静かに息を引き取った奴村の身体が黒い霧に包み込まれていくという現象が発生する。
更なるネタバレが含まれておりますので、ご注意下さい!!
満身創痍となっていた魔法少女達は、彩のステッキが彼女の「みんなを守りたい」という強い想いで能力パワーアップし、記憶や寿命の移動が可能となったことから、彩のステッキによる瞬間移動によって拾と拾肆の猛攻から免れ、寿命があとわずかだった梨ナや小雨のステッキでも回復不可能な状態にあった清春、ステッキの酷使で寿命が限界を迎えそうになった彩は、仲間と互いの寿命をステッキで補填し合うことでそれぞれが約半分の寿命となり、テンペストが迫る10日前に捌・拾肆を撃破した。
…だったのだが、魔法少女達に倒されたはずの弐が時間停止能力を身につけると同時に復活を遂げ、魔法少女並びに家族や友人をはじめとする魔法少女達の関係者を始末するよう、壱に命じられた拾陸と共に“研修”として、動き出すこととなる。
『Sept』最終話において、魔法少女サイトとは別のルートからステッキを受け取った魔法少女・安條磯子の独自の調査により、
- サイト管理人の正体=ステッキの使用によって寿命を使い果たした魔法少女の成れの果ての姿
- サイト管理人の能力=ステッキの多用で亡くなった魔法少女が生前に使っていたステッキの能力をサイト管理人が引き継ぎ、使用する
…という事実が判明。
『Sept』最終話における回想シーンでは、ビームを放つタイプの香水瓶型ステッキの使用によって寿命が尽きた魔法少女がサイト管理人・拾肆に変貌し、引き継いだステッキの能力で暗殺を行う場面が描かれている(簡単に言えば、『魔法少女まどか☆マギカ』の魔女に近い存在といえる)。
そして、「“少女”がステッキを使わなければ、意味を成さない」というのも、男がステッキの使用で寿命を失った場合、特に変化が現れなかったため、サイト管理人に変化するのは“少女”だけと思われる(男の娘である清春に関しては不明)。
※なお、弐の復活はサイト管理人が一人欠けた状態によって復活をしたため、管理人が18人現存したまま、魔法少女がステッキの使用で亡くなった場合、どうなるかは不明。
一方、陸と拾伍、そして壱が“王”の判断で処分対象となった漆の始末に動き、他の管理人達も魔法少女達の関係者暗殺に動き始めていた。
管理人達の現在の動向
サイト管理人 | 現在の動向 |
---|---|
漆 | 離反、処分対象 |
壱、陸・拾伍 | 漆の処分役 |
弐・拾陸 | 魔法少女暗殺→待機 |
参 | 雨谷小雨とその家族の襲撃、酒木さくらとの交戦 |
肆 | 雫芽さりなとその関係者の襲撃(既にさりなの母親を暗殺) |
伍 | 燐賀紗雪と両親、燐賀組組員の襲撃 |
玖 | 水蓮寺清春の母親の襲撃 |
拾 | 不明 |
拾壱 | 滝口あさひとその家族の襲撃 |
拾弐 | 朝霧彩と兄・朝霧要、両親の襲撃 |
拾参、拾漆 | 待機 |
拾捌 | 潮井梨ナと彼女の母親の襲撃 |
…しかし既に倒された捌と拾肆、不要宣告を出された漆を除いて15人に残ったサイト管理人も、漆の処分役として動いた陸・拾伍は漆の返り討ちによって倒され、魔法少女と関係者の暗殺に動いていた参・伍・拾弐・拾捌もそれぞれ魔法少女との激戦の末に倒されたことで、壱や拾、標的を取り逃がした肆・玖・拾壱、待機していた弐・拾参・拾陸・拾漆の9人となり、十分集まった膨大な不のエネルギーによって目醒めを果たした“王”と対面する。
壱を除く8人のサイト管理人が漆及び彩たち魔法少女の前に現れ、なのかや霜園博子をはじめとするさつりく帳を通じて花夜・酒木と繋がった魔法少女、小雨たちと協力関係にして生死不明だった二人の魔法少女(眼鏡っ娘と怪しい薬の中毒者)、さつりく帳に載っていた魔法少女など、彩たち以外の都内の魔法少女が管理人たちによって全滅させられた。
そして生き残った彩たちも手にかけようとするも、あさひの決死の行動によって事なきを得、その後の彩とさりなのコンビネーションによって壱と離反した漆を除く管理人が倒され、弐に姿を変えられていた奴村も救出された。
残った壱も他の魔法少女たちと駆けつけた魔法少女の家族たちの活躍で壮絶な戦いの末に討伐され、漆以外のサイト管理人は全滅、残された“王”も合流した彩たちとの死闘の末、多大な犠牲を払いながらも見事討伐された。
この物語の結末を教えましょう(以下、物語終盤のネタバレ注意!!)。
私ね……気づいたの。みんなが幸せでいることが、私の幸せだってことに……
とある場所、魔法少女サイトの拠点にて、計画に必要な「不のエネルギーに満ちた少女」が全く現れないという事態に“王”は業を煮やしていた。
それもそのはず、魔法少女となる者……つまりこれから悲劇的な運命を辿るはずだった少女たちが何らかのアクシデントでその運命を回避していたのだ。
自身が犯罪に巻き込まれるところを運良く助かった、悲恋で終わるはずだった恋が成就され結ばれた、理不尽な犯罪で家族を失う所を助けられた、自分を虐げていた者が何らかの形で成敗された、死ぬ運命だったはずの自分の病気が突然完治した等……、これらの事態に“王”は何者かが過去に介入しているのではと考える。
「誰も不幸にならない」というのは“王”にとってあってはならない事態だった。
不幸にならなければステッキを与える口実もできないばかりか計画に必要な「不のエネルギー」を回収することができない。
何より魔法少女がいなければ寿命を使い果たした肉体を素材に管理人を生み出すことができない…………
ただ一人、他の管理人とは異なる性質を持つ壱を除いて。
なんとしてもエネルギーを確保したい“王”は、ただ一人「不のエネルギー」に満ちているという少女の元に壱を向かわせる。
だが現場に向かった壱はステッキを置いた直後に何者かに銃を突き付けられる。
そこにいたのは今まさにステッキを与えようとしていた少女、他ならない朝霧彩本人だった。
ただでさえ不幸のどん底だった少女が「魔法」という偽りの希望を得たことで過酷な運命に巻き込まれ、ただただその命を搾取され、最期には異形の化け物にされるか訳もわからずに殺される…………
そんな不条理な現実が許されるはずがない。
そう、ステッキの力で自分を「過去」に飛ばした彩は世界を救う為に150回以上も時間移動を繰り返して暗躍していたのだ。
過去の自分と接触して寿命を共有することで風前の灯火だった寿命も徐々に増えていき、加えて他の少女を不幸から救うことによるバタフライエフェクトによってその者に渡るはずだったステッキが自分の元に行き渡ると知ってからさらに繰り返して“王”に対抗する勢力を着実に増やしていった。
作戦の途中、「自分一人だけ不幸になるのは許さない」という兄の言葉を思い出してからは最初過去の自分たちで“王”に特攻する算段だった計画を変え、さらに時間移動を繰り返して時を待った。
全ては“王”によって滅ぼされた地球を取り戻し、みんなを幸せにするため。そして自分自身も幸せになるために……。
本来奴村に渡るはずだった「時間停止のステッキ」が自分の手に渡ったことで全ての準備を終えた彩は状況を飲み込めない壱に真実を伝える。
自分たちの“王”が私利私欲の為に地球を滅ぼそうとしていたこと、そのために純粋に地球の未来を案じていた壱すらも騙し利用していたこと、彼女たちの決死の活躍によってその“王”を倒したこと、
そして、その“王”との戦いで地球の核となる「地球の宮」が引きずり出されたことで今まさに地球が崩壊の危機にあることを。
全てを伝えた彩は唯一滅びゆく地球を再構築することが出来る壱に地球を救うために協力してほしいと持ちかける。
「愚かな人類はこの地球に必要な存在なのか」と問う壱に対して彩は「少なくとも自分はこの地球に人に生まれて幸せだった」と答えた。
そんな彩に希望を見いだし、彼女が語る「幸せ」という概念に興味を示した壱は、彩への協力を受け入れる。
私は感情というものは持ち合わせてはいないが、貴様の言う「幸せ」というものを一度味わってみたいものだな……
案内しろ。この私を朽ちかけた地球の元に。
こうして、「地球のために身を捧げることが自分の幸せ」だと悟った壱は、自分たちが殺めてきた命と滅亡寸前だった地球を復元した後、自らを核として支えることで地球の崩壊を食い止めることに成功した。
そして改変された世界でただ一人、彩によって「必要な存在」として復元された漆(元になった彼女がどうなったかは不明だが、少なくとも彩によって救われたのは間違いない)は、自分の存在価値について考えながら、この世界の行く末を見守ることとなった。
はぁ……不幸だなー