魔法少女サイトSept
まほうしょうじょさいとせぷと
不幸よのぉ〜 不幸よのぉ〜
そんなそなたに魔法の力を与えよう
Web漫画サイト『Championタップ!(2018年7月から『タップ』と同社の『チャンピオンクロス』と統合した『マンガクロス』に移籍)』(秋田書店)にて、2017年10月26日更新分から2018年8月30日更新分まで連載開始されていた、『魔法少女サイト』の公式スピンオフ作品。全2巻。
本編である『魔法少女サイト』がアニメ化及び『週刊少年チャンピオン』への移籍連載が決定すると同時に、佐藤健太郎(原作)×宗我部としのり(作画担当)による本作品の連載が決定し、内容も本編とリンクしている。
新膳(しんぜん)中学校テニス部に所属する女子中学生の高橋つららは、長月雹花とダブルスを組んでいる親友同士。
親友の雹花と共に念願叶って、テニス部の全国大会出場権を獲得したつららだったが、親友にも打ち明けられない大きな不幸を背負った末、謎のwebサイト『魔法少女サイト』と出会い、電動ドリルの形をしたステッキを手にする。
不幸な少女だけが出会う不気味なサイトとステッキの存在が、つららと雹花の運命を狂わせていく…。
高橋 つらら(たかはし つらら)
主人公。新膳中学校テニス部に所属するツインテールの少女。
以前からテニス部顧問の倉木に脅迫され、肉体関係を強要されていた末に妊娠が発覚し、長年の夢だった全国大会出場を諦めようとしていたその時、魔法少女サイトからステッキを与えられ、魔法少女となる。
ステッキを与えられたその日、倉木に妊娠の事実を打ち明けるが、中絶するよう見捨てられてしまう。その上、赤井から贈られたキーホルダーを壊され、自身や赤井を一方的に侮辱されたことに逆上したあまりに使ったステッキで不本意にも倉木を殺害してしまい、罪悪感に怯えるようになるが…。
ステッキはレーザーで撃ち抜いたものをねじ曲げ、木っ端微塵に破裂させる電動ドリル型。紋章は♎。
長月 雹花(ながつき ひょうか)
もう一人の主人公。親友のつららと共にテニス部に所属し、ダブルスを組んでいる少女。黒髪ショートヘアと左目下の泣きぼくろが特徴で、ボーイッシュかつ冷静な性格。
偶然にもつららがステッキを使った倉木の殺害現場に遭遇して彼女の苦しみを知り、「つららを苦しめる奴は死んでも構わない」という思想を持ち始め、倉木の遺体処理やつららの中絶費用を集めるべく、自身もつららのステッキを手にして魔法少女となる。
安條 磯子(あんじょう いそこ)
つららと雹花のクラスメイト。黒みがかったダークブラウンのロングヘアで、斜めにカットされた特徴的な前髪で右目を隠した少女(彼女とどこかしら似ている)。
根暗でどこか謎めいた雰囲気を漂わせているが、実は…?
赤井(あかい)
つららと雹花のクラスメイトで、つららに密かな好意を寄せている少年。彼女の全国大会出場祝いにキーホルダーをプレゼントした。
つららが顧問の倉木に肉体関係を強要されていた上、妊娠した事実を知らないものの、例えつららがどんな女性であっても愛する覚悟を決めた上で彼女に告白し、一線を越えたことで交際を始める。
倉木(くらき)
つららと雹花が所属するテニス部の男性顧問。気さくな性格で、部員達から慕われている。
しかしその裏では、全国大会出場を目指していたつららを脅し、自宅に連れ込んで肉体関係を強要していた卑劣漢。つららから妊娠の事実を打ち明けられるも、中絶するよう見捨てた上でつららや赤井を一方的に侮辱し、逆上したつららが取り出したステッキによって頭部を破裂させられ、死亡。
遺体はつららの苦しみを知り、「つららを汚した最低の男」と倉木に強い憎悪の念を向けるようになった雹花の手によって処分された。
その後、倉木が生徒(つらら)を自宅に連れ込んでいた噂が学校内に広まり、倉木の自宅アパートを訪れた学年主任と間口がつららの陵辱写真を収めたファイルを発見した(アパートの隣室の男は以前から倉木の正体に気付いていた模様)。
間口 冷子(まぐち れいこ)
新膳中学校の女性教員。倉木がつららのステッキによって殺された後、学年主任と共に倉木の自宅アパートを訪れた際につららの陵辱写真を収めたファイルを最初に見つけた。
つららが出会い、雹花と共に手にしたステッキを送った魔法少女サイトの管理人。オーバーオール風の腹掛けを着た金太郎のような風貌をしている。
ステッキは機械のような羽の装飾で、星座記号の紋章が手の甲に浮かび上がる(配布先は湊区)。
魔法少女サイト及びサイト管理人の詳細等の用語は本編・個別記事を参照。
ヤンキーJKクズハナちゃん:『Sept』終了後における宗我部としのりの次回作。
※以下、『魔法少女サイト』本編の核心部分にあたる超重大なネタバレが含まれています!!
本編第2部29話(通算第84話)話以降のネタバレ注意!!
ここから先は『Sept』及び、本編に関わる非常に重大なネタバレが含まれていますので、ご注意ください。
本編に登場するサイト管理人の一人・漆の正体が、本編第2部29話(通算第84話)にて遂に判明する。
それは…、
高橋つららがサイト管理人・拾陸が管轄する魔法少女サイトから送られてきた電動ドリル型ステッキを手にし、魔法少女となった長月雹花本人だった。
なお、雹花は本編のアニメ最終話における、あるシーンにて声のみの登場をしている(CV:川澄綾子)。
作中において、つららがある事件で自殺し、雹花は親友を死に追いやった黒幕との死闘の末、寿命を大幅に削ってしまうが、安條磯子は魔法少女サイトとは無関係でありながら、「魔法の使者」を名乗り、少年少女に関係なく魔法少女サイトのステッキを与える謎の存在・“A”としての正体を明かす。
“A”に扮して暗躍していた安條も魔法少女サイトによって人生を狂わされた人間の一人であるらしく、「魔法少女サイトを破壊する者」として、独自に管理人の正体(=ステッキで寿命を使い果たした魔法少女の変わり果てた姿)を調べあげ、彼女は「雹花自らがサイト管理人となり、内部から魔法少女サイトのシステムを破壊する」という提案を出す。
雹花が変貌した漆は人間と手を組もうとするなど、管理人達の中でも独断での行動が多く、サイト管理人の一人・拾伍は「漆にはまだ人間(長月雹花)だった頃の感情が残っているのでは?」と疑念を抱くが、壱によればサイト管理人に変貌した元魔法少女は、“王”によって全ての記憶や感情は抹消されるというが、ステッキで寿命を使い果たした雹花が管理人となる直前に安條が何らかの処置を施したらしい。
実質的に本編より過去の時間軸を描いた『魔法少女サイトSept』は、サイト管理人・漆の誕生秘話を描いた物語であり、彼女が漆の運営する魔法少女サイトと出会う場面で締め括られている。
余談
本作のタイトルになっている「Sept」はフランス語で「7」、即ち七=漆を現す数詞である。
また、「“Sept”ember」は英語で「9月」、つまりは「長月」を現す。
「長月雹花と漆は同一人物」であることが暗示されていたのかもしれない。