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関所とは管理施設の一つである。


概説編集

地域の境界上に設立され、物流と人間の往来を監査する施設。


現代でいう「検問所」であり、特に首都圏と地方圏、国境など、人・物の往来を監視する必要のある地点に重点的に設置された。

「入り鉄砲に出女」という言葉があるが、これは「謀反のために使う鉄砲などの武器は江戸に入れず、人質になっている大名の妻子は江戸から出さない」という関所の役割を現わした江戸時代の有名な格言である。


関所を超えるには、一定の通行料を支払うか、「通行手形」を発行してもらい関所の番人に検閲させなければならない。これを怠ると門前払いとなるか、場合によっては番屋に拘置されて取調べを受けることになる。関所が多い時代としては、治安が悪かった戦国時代とされており、大は大名が治める国境から小は村々の間のいたるところに関所があったと伝えられている。

通行料を取ることで歴史に名を遺した有名な人物としては室町幕府8代将軍・足利義政の正室・日野富子が知られている。


物流に関しては、違法な物品や許可されていない危険物、さらには荷物に紛れて越境しようとする不審人物の摘発においても、重要な役割を果たしている。

また、通行料を受け取った側(大抵は設置者と同一)は、支払った側の通行中の安全を保障する義務を負ったとされ、その能力も無いのに関所だけを設置する行為は人々の反感を買う一因となって一揆などのターゲットにされた。

さらに疫病の蔓延に関して防波堤となる役割を担っており、関所の外から疫病を持ち込ませないのはもちろん、関所の内部から疫病が漏出するのを防ぐ役割も強い。江戸時代コレラの大流行が発生した際、関所の厳戒態勢のお陰で江戸周域からコレラが漏れ出ることは無かったとされる。


そして犯罪者や非社会的集団の出入の制限も担っており、治安維持の一環も請け負っている。

日本国外だと、難民の流入を堰き止め移民の流出を遮る役割も重要な任務であり、地域、ひいては国家の人口管理にも影響を持っている。



創作における関所編集

時代小説ファンタジー作品では意外に出番が多く、特に主人公側が「如何に関所をすり抜けて目的地へ向かうか」という定番のイベントに引っ張り出される。


大抵は変装や荷物に扮しての潜入など、小細工を弄して通過しようとしたところでトラブルが発生し、そのトラブルを解決して特例的に通過を認められるか、もしくはトラブルのどさくさに紛れて突破するかのパターンが多い。

とりわけ主人公たちが逃亡者や敵対者など関所を管轄する国における反体制勢力であった場合、関所そのものがまともな手段では通過できないため、関所に隣接する山岳地帯などの天険を越えるイベントが発生するパターンも多い。


関連タグ編集

境界 施設

国境 検閲 検疫

料金所(高速道路や有料道路の関所)

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