概要
古代中国の地理書『山海経』の「海外東経」に記述される、身体は黒い毛に覆われ両手に蛇を持つだけではなく、左耳には青蛇、右耳には赤蛇を巻いている異形の雨神である。
中国語ではユィシーチエ(Yushiqie)と呼ぶ。
雨師妾とも表記され、「雨師」とは中国の雨神のことで、「妾(わらわ)」とは本来女性のへりくだった自称であることから、雨を司る女神であると解釈されるが、何故か挿絵で描かれるのは全裸で毛むくじゃらであるというとんでもない姿である。
なお古代ギリシャのクノッソスの宮殿跡から、両手に蛇を持った女神官の陶器が出土しており、さらにメソポタミアの病魔ラマシュトゥも同様な特徴の女悪魔であることから関連性が考察されている。