「見上げた度胸だ……って褒めたいが」
「ハッキリ言って馬鹿だな」
「まあ無理もねえんだよな。なんせアイツはオレ達のことをまるで知らねえんだからな」
概要
「静寂の三闘士」とは、アニメ「金色のガッシュベル!!」に登場した3体の石版魔物(ファウスト、ツヴァイ、トロワ)の総称である。
3体ともアニメオリジナルの石版魔物であり、原作には登場しない。
作中ではアルムから「千年前の戦いで『サイレント・ルーラー』と名を馳せ、恐れられた魔物」と解説されており、参加者全員の中でも強豪と見なされていた模様。
メンバー全員がそれぞれ数字の1・2・3を意識した名前になっているという小ネタもある。
当記事について
カードゲームに収録された際の能力名やフレーバーテキストでは「静寂の支配者」という表記になっているのだが、アニメ版のタイトルやあらすじでは「静寂の三闘士」表記のため、こちらを記事名とする。
また、ファウスト達は個別の性格を読み取れるような台詞を発しておらず、本の持ち主達も終始心を操られていたので、個々人の性格については特に解説しないこととする。
同様の理由で個別記事を作成する必要が無いので、当記事で3人まとめて解説する形とする。
他、3体に共通した術「ラウド」は専用の項目を作って解説し、「外部サイトに術名が記載されているが、作中では使用していない術」に関しては一旦割愛する。
ファウスト
ギョロリとした黄色い目や、胸部~両肩を覆う赤色の鎧、細い胴体が特徴的な魔物。
CVは乃村健次氏。
鎧の右腕~背中辺りには大剣が仕込まれており、戦闘時には分離させて得物として扱う。
公式情報ではないものの、名前の由来は悪魔と関連のある「ファウスト」と「ファースト(=1番目)」をかけたものだと思われる。
術
1話限りのゲストキャラという立場故か、公式から術属性は明かされていない。
一応、作中で使用したラウド以外の術は強化系なので、おそらく「強化」属性だと思われる。
ガシルド
おそらく初級術……なのだが、作中では術の発動時に何が起きたのか全くわからず、描写だけでは解説のしようもないという珍しい呪文である。
というのも、まず、この術を唱える前からファウストは剣を抜いているため「術の発動によって剣が出現した、剣を抜けるようになった」わけではない。
ならば純粋に「剣を強化する」術と見なすのが自然だが、剣を振り回すシーンでも剣が術のエネルギーを纏っているような描写が無い。
一応、カードゲームに収録された際のフレーバーテキストには「持っている剣を強化し、相手を攻撃する」と明記されているので、有り体に言えば「アニメスタッフが剣に術エネルギーの類を書き忘れてしまった」ということなのだろう。
シルドと付く名前から「防御呪文じゃないの?」と、思った方もいるかもしれないが、実際マルスのゲームオリジナルの防御呪文が同じ名前である。
ゼルセン
左腕から黄色い光弾を放つ呪文。
コルルやキッドと全く同じ術名なのだが、なぜか「腕を飛ばす」のではなく「腕からエネルギー弾を発射する」ような術となっており、なぜこのような違いがあるのかは不明。
ファウスト自身の特別な素質か何かが反映されたのだろうか?
ラウド
「静寂の三闘士」に共通した呪文。
詳細は後述。
本の持ち主
ナツオ・P・コスナー
深緑色のベストに黒いズボン、青色のバンダナとサングラスが特徴的な男性。
CVは佐藤晴男氏。
アニメEDクレジットでは「本の持ち主」としか表記されていなかったが、カードゲーム収録時にファウストのカード内でフルネームが判明した。
ツヴァイ
幾つもの棘が生えた茶色の甲羅、緑色の身体が特徴的な亀のような魔物。
CVは志村知幸氏。
こちらも公式情報ではないものの、名前の由来はドイツ語のツヴァイ(Zwei・ZWEI)、つまり数字の2を意識したものだと思われる。
術
ファウストと同じく、公式情報として術属性は明かされていないが、ほぼ間違いなく他の動物型魔物と共通した「強化」属性だと思われる。
ガルク
全身を丸め、高速回転しながら突撃する。
甲羅に棘が生えているためか、地面を抉ることもでき、作中では地面を掘りながら地中に潜るという応用も見せた。
チェインセン
甲羅の棘を鎖で伸ばす。
「~セン」系の中では珍しく、ただ「物体を飛ばす」のではなく「鎖を付けて伸ばしている」ため、作中では棘部分を回避したブラゴを鎖で縛るという二重攻撃を披露した。
ラウド
「静寂の三闘士」に共通した呪文。
詳細は後述。
本の持ち主
ディビット・コール
やや薄緑にも見えるワイシャツに赤ネクタイ、後ろへ流した金髪が特徴的な男性。
CVは新垣樽助氏。
彼もナツオと同じく、カードゲーム収録時にツヴァイのカード内でフルネームが判明した。
トロワ
紫色の身体にキトンのような白い服、黄色の大きな翼といった全体的に「鳥人」を思わせるビジュアルの魔物。
CVは志賀克也氏。
こちらも公式情報ではないものの、おそらく名前の由来はフランス語のトロワ(trois)、つまり数字の3を意識したものとなっている。
術
ファウスト・ツヴァイと同じく、公式情報として術属性は明かされていないが、ビライツの上位術を使用している点から考えると「光」属性だと思われる。
ガンズ・ビライツ
羽の内側から光線を連射する。
ロブノスやエルジョと違い、光線の色が赤となっている。
尚、初級術であるビライツは作中で使用していない。
ラウド
「静寂の三闘士」に共通した呪文。
詳細は後述。
本の持ち主
オージー・ブライアント
スキンヘッドに浅黒い肌、シャツ+ジーパンというシンプルな服装が特徴的な男性。
CVは平井啓二氏。
ナツオやディビットと同じく、カードゲーム収録時にトロワのカード内でフルネームが判明した。
三位一体の術「ラウド」
ファウスト達が「静寂の三闘士」と呼ばれる所以たる呪文。
この術を発動する際、まず3体とも身体のどこかに赤い球体のような物が生える(ファウストとツヴァイは胸部、トロワのみ頭部)。
スギナのラージア・ジュガロのように「心の力の準備ができたサイン」なのか「魔物固有の身体変化」なのかは不明。
その後、相手を囲むように位置取り、三方向から同時に術を発動(実際の描写ではポジショニングが正確には判断できないが、おそらく相手の斜め前・斜め後ろ・斜め上の三点で三角形を描くように囲んでいるのだと思われる)。
そして各々が自身の身体から特殊な超音波を発射し、回避がほぼ不可能な「目に見えない音の攻撃」で対象を追い詰めていく。
アルムも「超音波は共鳴を引き起こし、威力を2~3倍にも増幅する」と述べているように、3体の超音波が共鳴した状態では範囲内の地面に亀裂が走り、大地の一部が浮かび上がってしまうほど。
現に作中でも屈指の肉体強度を誇るブラゴですら(ポケットハンドをしたままとはいえ)暫くその場から立ち上がれなくなったため、おそらく並の上級呪文に匹敵するほどの威力が出ているのだと思われる。
また副次効果として、術の範囲内にいる対象を「音を聞こえない状態」にすることも可能(※)。
(※)範囲内に侵入したシェリーが呪文を唱えた際には問題なく発動しているため、「音の発生しない空間を作っている」のではなく「音波で対象の聴覚を阻害している」のだと解釈できる。
当然ながら聴覚に頼っての予測や回避が不可能となるため、作中でもブラゴの死角から術を放ち、無防備なまま直撃させるという戦術が描かれた。
最後の一人を決める戦いにおいて、3人で組むことが前提のような戦術であるが、たまたま同じ呪文を持っていた彼らが協力することで効果を高められることに気がついたのか、3人で組んでいた彼らに同じ呪文が発現したのかは不明。
活躍
アニメ版57話で登場。
アフリカでブラゴ&シェリーと対面し、ビョンコとアルムを「手を出すな」「必要ねえんだよ」と後方に控えさせた上で戦闘に臨む。
前述の通り、千年前の戦いではそれなりの強豪だったようだが、現在の戦いにおいて最強クラスの実力者であるブラゴ相手では分が悪く、シェリーを待機させた(=呪文抜き)+ポケットハンドをしたままという状態でも軽く応戦されてしまう(何気にブラゴがパンチではなく蹴りをくらわせているという珍しいシーンが描かれている)。
押され気味に戦いが進む中、ラウドを三人で一斉に放ち、ブラゴに回避困難の超音波攻撃でダメージを与えることに成功。
そのまま多重の音波で形成された「音の聞こえない空間」に閉じ込める。
そうして「音が聞こえなくなった」ブラゴに死角から追い打ちをかけ、駆け付けてきたシェリーをも頭部から出血させるほどに追い詰めていく。
だが、いざ背中合わせになったブラゴとシェリーは「音の聞こえない空間」の中でも完璧なタイミングで術を発動し、瞬く間にトロワとツヴァイを吹き飛ばす。
最終的にはファウストもディオガ・グラビドンを受け、周囲の大地ごと粉砕されて敗北となった(アルムとビョンコはディオガ・グラビドンを放たれた際、命中する前に撤退している)。
関連タグ
ブラゴ&シェリー・ベルモンド……アフリカにて交戦。
アルム(金色のガッシュ!!)/ビョンコ……同行していた魔物。
ハイド/ニャルラト/ノリトー・ハッサミー/グリサ(金色のガッシュ!!)……同じくアニメオリジナルの魔物。
ヨポポ……原作に登場した「音」属性の魔物。