概要
「まんが日本昔ばなし」で放送された昔話の1つで、栃木県に伝わる昔話。
おはなし
弥十(やじゅう)という若者が姉の家に届け物をした帰り、道に迷って鬼怒沼にたどり着いてしまう。鬼怒沼の素晴らしい景色に見とれているうちに弥十は疲れて眠ってしまった。
しばらくして弥十が目を覚ますと、近くで美しい娘が機を織っているのに気づいた。「鬼怒沼には機織姫がいて、機を織るのを邪魔すると恐ろしい祟(たたり)がある」という言い伝えを思い出した弥十は、一度は隠れるものの機織姫の美しさに見惚れて近づいて彼女に触れ、機織姫が機を織るのを邪魔してしまう。
機織姫は弥十を突き飛ばし怪我をさせる。怒り心頭の機織姫に我に返った弥十は、祟りのことを思い出し血相を変えて逃げ出した。しかし、機織姫は弥十を許さず、杼(ひ:横糸を通すための機織機の部品)をなげて村に逃げ帰ろうとした弥十を捕まえ、糸を手繰り寄せて引きずって鬼怒沼へ連れ戻す。
殺されると思った弥十は反撃に出て、機織姫を杼で突き刺した。機織姫が倒れた隙に逃げ出した弥十は顔面蒼白・血と泥で汚れたぼろぼろの姿ながら村に帰りつき、その手には素晴らしい細工の杼を持っていた。
アニメでは弥十のその後については語られていないが、元の民話では弥十はその後発狂して死んでしまったと言われている(アニメでも呆然とした表情のままでフラフラと歩くばかりで、ハッピーエンド的な明るさはない)。
余談
アニメでの機織姫の容姿が、「黒髪ロングかつ姫カット」・「身体の線がみえるほどの白い布の薄着」・「胸ポチ」という、過激なくらいにセクシーである(弥十も「天女様じゃ」と見惚れていた)ことから、pixivの投稿イラストは、R-18タグが付けられているものが大半である。