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概要

外薗昌也による日本のホラー漫画作品。殺人鬼が住む島に取り残された大学生たちが体験する異様な世界を描く。基本的にはスプラッタ・ホラーだが、オカルトの要素も描かれている。

2013年12月から竹書房のウェブコミック配信サイト『WEBコミックガンマ』にて連載。その後、2019年5月より連載の場をLINEマンガへ移す。

前編作品に『臓物島』(全4巻)、スピンオフ作品に『恋する鬼畜島』(既巻1巻)、『大鬼畜峠』(鬼畜島の単行本内で連載)がある。

アニメ『カオルの大切なモノ』も2020年11月18日よりBS日テレにて放送された。キャラクターをデフォルメしたほのぼの系ショートアニメになっている。

2020年10月時点で単行本の累計発行部数は290万部を記録している。

あらすじ

M大学廃墟研究サークルが廃墟を求めて行き着いたのは日本地図に載っていない菊池島だった。そこでメンバーの東山が豚のマスクを被った異様な大男に襲われて連れ去られたため、警察を呼ぼうとする高久たち。だが、乗ってきたクルーザーは座礁、転覆してしまい、殺人鬼が棲まう菊池島に取り残されてしまう。

主な登場人物

M大学廃墟研究サークル

  • 高久(たかひさ)

M大学廃墟研究サークルのメンバーの男性。上原に惹かれて廃墟研究サークルに入部した。

非常に気弱で臆病な性格であり、受け身的な行動が目立つが、上原の事になると性格すら行動的になってしまう。

しかし、本人も自覚していないほどの凶暴性を持ち、殺人鬼としての気質の持ち主でもある。

島に来た当初はツンツンヘアーのどこにでもいるような出で立ちだったが、菊池島島民の群れに拾われ、髪を切られ体中に炭でマーキングされ、原住民のような容姿になった。また、島の地下にある生命の樹で体を再生した際にハナクロと融合をしてしまい、背中にハナクロの顔と手の一部がくっついたような姿となってしまう。

  • 上原 友香(うえはら ゆか)

M大学廃墟研究サークルのメンバーで東山の恋人。ショートカットの女性。高久から好意を寄せられていることを知っており、それを利用するかのような意地の悪い一面も見せる。高久らと島を探索中、義一に拉致され亜美と同じ場所に監禁された。

  • 飯野(いいの)

M大学廃墟研究サークルの部長。太めの体型の男性。義一に鼻をむしり取られる。多くの怪我を負いながらも生き続けてきたが、カオルらの手によって上原・亜美のいる場所へ監禁された後、衰弱死する。一旦埋葬されるが、空腹になった上原に掘り起こされ食べられる。

  • 東山(ひがしやま)

金髪で顎鬚をたくわえた男性。上原友香と付き合いながら藤井、倉木とも肉体関係を持っていたプレイボーイ。筋肉質で引き締まった均整のある体格をしており、左肩から下に伸びるトライバル柄のタトゥーが特徴。

島に上陸した当初、カオルに金槌でメッタ打ちにされた後行方不明となっていたが、後にマリの拷問部屋に捕えられていた事が判明した。マリからの拷問を受け続けていたために、髭の色が白くなり、局部をマリに潰されていた事に加え、顔中がアザだらけの無惨な姿になりながらも、辛うじて生きていた。マリアおろし(儀式)によって顔が歪み髪の毛がほとんど抜け落ちた異形の姿となっていた。

その後は、自我を失った怪物に成り果てたかのようになっていたが、自我を取り戻し、後にマリアおろしの儀式で容貌や潰された局部を復活させる。

  • 藤井(ふじい)

M大学廃墟研究サークルのメンバー。大人びた雰囲気の女性。菊池島では高久、飯田部長、倉木と行動を共にする。

変貌した東山に頭部を潰されて死亡。

  • 倉木(くらき)

M大学廃墟研究サークルのメンバー。菊池島では高久、飯田部長、倉木と行動を共にする。メガネがトレードマークの女性。

化け物と化した島民に斧で顔面を打ち砕かれ瀕死の重傷を負う。死の間際、東山との男女の関係を暴露したことがきっかけで怒り狂った藤井に殺されてしまう。その後、死体は一家の手によって人肉を用いた風呂の原料にされてしまった。作品内で同作者の『黒異本』を読んでいる描写がある。

鬼畜一家

鬼畜一家の長。菊池島を狂わせた張本人。頭部には鉄板を、右手には鉤爪をつけている。

魔石(人を超人に変える石)の影響で超人的な筋力と生命力を持っており、普段はガリガリに痩せ細った体型だが、力を発揮すると筋骨隆々の体型に変化する。

義一の長男。サトルからは「兄ちゃ」、カンナとアンナからは「バカオル兄貴」と呼ばれている。

マスクをかぶった肥満体型の大男。このマスクは、幼少期にいじめられていたカオルを思った義一が、バカにされないようにと被せたもの。常に濁点のついた発声をする(例:サンタマリア→ザンダマリア)。

外から来た人間を躊躇なく殺す程に凶暴な性質を持つ一方、言動などから体格に似合わず精神的に幼いことがうかがえる。自分の血を見て卒倒するなど気が弱い。

殺戮の際にはチェーンソーのほか、金槌や石による力任せの攻撃も多い。

義一の長女でカオルの姉。カオルからは「姉ぢゃ」、カンナとアンナからは「マリ姉」と呼ばれている。

外見上は女子高生を思わせる制服姿である。自身の指にメスを埋め込んだ極度のサディストで、気に入った顔の皮を剥ぐことと男を嬲るのが趣味。魔石の力により、非常に俊敏な動きができる。

幼い頃におとき婆さんによって鼻から下を損傷させられており、子供の頃はマスクで、現在は人の皮膚のようなもので傷口を隠している。元々は高久と敵対していたが、魔石の影響で凶暴性が露わになった姿を目の当たりにして男として意識するようになり、次第に「ダーリン」と呼ぶようになる。

義一の次男。両目を縫い付けられた制服姿の少年。語尾に「~デショ」と付ける特徴的な話し方をする。学校に連れて行くことを条件に、高久たちの菊池島脱出の手助けをする。

人の心を読む能力を持っている。しかし、亜美の心を読むことができなかったりと、能力は完全ではない。

  • おとき婆さん

巨大な老婆。その大きさは顔だけでも義一の身長ほどもある。義一の実の母親にあたるが、義一からは「ばあちゃん」と呼ばれている。マリ曰く子供好きであるようだが、それが災いし、幼少期のマリに口元から下に重傷を負わせてしまった過去がある。常に赤ちゃん言葉を話し、本家に侵入した高久を赤子のようにあやす。死後、義一によって墓から掘り返され魔術によって蘇る。義一の力では眼球を動かす程度の力しか戻らなかったが、真梨子の力で完全に蘇生する。

  • 真梨子・グラッチアス(まりこ・ぐらっちあす)

義一の元妻。修道女のような出で立ちをしている。義一との間にマリ、カオルらを複数の子供を産むも島外へ逃亡。再び島に戻り、義理の母であるおとき婆さんの復活を手伝う。その後、滅びの子(産まれることで世界が浄化されると言われている存在)をめぐって義一と対立する。

魔石によって変異しており、感情が高ぶると一つ目になる。

義一の次女、カンナとは双子の姉妹。フクロウのマスクと蓑を身に着け、武器として背丈ほどもある大鎌を持っている。カンナと違い整った顔をしている。母親である真梨子の側についており、義一とは対立している。暴走したカオルに踏み潰されて死亡したが、後にゾンビとして蘇生している。

義一の次女、アンナとは双子の姉妹。アンナと同じくフクロウのマスクと蓑を身に着け、大鎌を持っている。語尾に「ピーヨ」「○ーヨ」とつけてしゃべる癖がある。一人称もピーヨ。生まれつき口が縦に裂け、額に鼻がついている奇形児だが、普通に会話はできる。

村田家

  • 村田 秀男(むらた ひでお)

刑事で亜美の父親。ヤクザを拷問して家出した亜美の居場所を聞き出し、菊池島に上陸。義一とカオルに襲われる高久たちを救い、彼らを兵士として使うため、島民をけしかけて殺人を経験させる。義一たちと対決するが、拉致・監禁される。

監禁場所で亜美と再会し、亜美に自分の子供を産ませて自分たちだけの王国を作るという夢を実現するため、亜美を強姦しようとする。亜美の激しい抵抗にあい、チェーンソーによって腹部を貫かれた後、カオルが落としたエンジンの下敷きになって圧死する。

  • 村田 亜美(むらた あみ)

秀男の娘。秀男が暴力で支配している家にいるのが嫌で、家出する。駅で声をかけてきた男についていき、麻薬漬けになる。その後、男がヤクザの金を盗もうとした責任を負わされ、菊地島へ流される。

義一たちに、豚の皮を顔面に縫い付けられ、監禁される。

島民

  • ハナクロ

菊池島元町長。義一たちから逃げ出した高久を保護し、匿う。対義一用の武器にするため、高久を魔石と同化させ、超人的な力を身につけさせる。

身体を細切れにされた高久と共に生命の樹の元で傷の治療を行うが、その際に高久と融合してしまう。

  • 伊佐知(いさち)

菊池島の住民。義一、ハナクロと共に魔石を発掘した。

義一を本土のヤクザと繋げて島を廃棄物処理場とする契約を結び、大金を手に入れるがその後の消息は不明。

外部リンク

鬼畜島 - Wikipedia

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