概要
無限のリヴァイアスに登場するヴァイア艦の第一番艦。航宙士養成所リーベ・デルタに秘匿されていた。
搭載しているヴァイタル・ガーダーは人型のアインヴァルト。リフト艦が存在し、そこから遠隔操作される。リフト艦と分離したリヴァイアス本体には、「ブラティカ」という名称がある。
主人公・相葉昴治をはじめとした487人の子供たちを乗せ、宇宙を漂流することとなる。
経緯
第二のゲドゥルト・フェノメーンが発生する前に、人類を太陽系外に脱出させるための航宙艦建造計画「ヴァイア計画」によって設計。
時期は不明だが、月面にて人型のヴァイアが発見されそれをベースにヴァイタル・ガーダー・アインヴァルトと黒のリヴァイアスが建造。2213年に一度起動するが暴走を起こし、コンラッド・ヴィスケスの娘、アンジェをはじめとした軌道保安庁の多くを死亡させた為、ヴァイア計画の穏健派の手によってリーベ・デルタの中に秘匿、封印措置を施された。
2225年4月。リーベ・デルタに秘匿されていたリヴァイアスを強奪するためにテロリストがリーベ・デルタに潜入。リーベ・デルタを事故に見せかけて圧壊させようと企てるも操船科二期生・通称ツヴァイと一部の生徒の協力でテロリストは取り押さえられる。
生存していた生徒たちはリベール船で脱出を試みるもフライトアプローチに失敗。その時、突如としてリベールと繋がっていた黒のリヴァイアスが機動。生徒たちはそちらに移動し、この艦から救難信号を発信し、救助を求めて航行する。しかしなぜか助けてくれるはずの軌道保安庁から攻撃を受けることとなる。
テロリストの正体は軌道保安庁の工作員で、生き残った工作員の証言からリヴァイアスに乗っているのは子供だけであることが報告されるが、この事実は隠蔽されリヴァイアスはテロリストに乗っ取られ、リーベ・デルタは圧壊し生存者はいないという偽の情報が報道される。
第一次ツヴァイ政権
リヴァイアス内ではツヴァイのルクスン・北条を艦長とし、艦内における生活マニュアルから各生徒の作業分担配置の作成までをツヴァイが行うこととなった。
軌道保安庁による2度の攻撃を撃退。また2度目の攻撃の際に、工作員2名を閉じ込めていた教習艦リベールの残骸がすべて脱落。ツヴァイは艦内の混乱を避ける名目でこれらの事実を隠蔽する。(このリベールが軌道保安庁に回収され、生存した工作員の報告でリヴァイアス乗員が子供であることが発覚し、上記の隠蔽工作が行われた)
航宙課の生徒の成績順をルクスンの一存で公開し、尾瀬イクミ、相葉祐希ら航宙課の上位成績者を集め、グラン・マクダニエルをリーダーとしアインヴァルト操縦の訓練を開始。
しかし秘かに情報を入手していたエアーズ・ブルー率いる半グレ集団「チーム・ブルー」がブリッジを制圧の上、リベール脱落の事実を暴露してツヴァイを糾弾、以後ツヴァイに代わりリヴァイアスを牛耳ることとなる。
ブルー政権
ブルーを2代目艦長としチーム・ブルーおよび偶然ブリッジに居合わせた相葉昴治、ファイナ・S・篠崎を加えた8名が、ブリッジの監視を名目に常駐。
火星圏宙域の戦闘で初めてアインヴァルトを投入。戦闘中に取り乱したルクスンがブリッジから追放。ブリッジとリフト艦は一時連絡が取れなくなるが、ブリッジの昴治の提案とアインヴァルトメイン操縦者の相葉祐希の思惑が一致し、火星圏の戦闘に勝利する。
リフト艦での裏切り行為が発覚し反乱首謀者であるグラン及びソン・ドッポの2名がチーム・ブルーの制裁を受ける。
昴治の提案で祝勝パーティーが催されるも突然入ったニュース速報により、自分たちリヴァイアスの乗員がテロリストと断定されたことが知れわたり騒然となり、パーティーも中断される。
ブリッジでの緊急会議により、敵襲を口実に火星圏を離脱。一路土星圏へ向かうことが決定される。
一種の電子マネーであるポイント制が導入。割り当てられた仕事をこなすことでカードに入金され、そのカードを用いて配給を受けることができるが幹部メンバーはポイントフリーで無制限にポイントを使えるという不公正な面があり、またカードからカードへ直接ポイントを移すこともできるため、ギャンブルに興じる者や他人のポイントを強奪する者が現れたりと多くの問題を生んだ。また、監視員が一般の生徒たちの監視に当たることになる。
土星圏宙域においてヴァイア艦青のインプルスと戦闘。初のヴァイア艦同士の戦いのため長期戦になる。
ブルーは自らリフト艦に乗り込み、リヴァイアスを見捨てて衛星ハイペリオンへの逃走を指示するが、ハイペリオンがインプルスの攻撃で破砕されたため頓挫する。イクミはブルーの発言を混乱を避けるべく「何も聞かなかった」ことにして穏便に済ませて戦闘を継続する。
辛くも勝利を収めるものの、ツヴァイのシュタイン・ヘイガーがリフト艦でのブルーの会話を入手し、母艦内で放送。このことが引き金となり暴動が発生し、ブルーは艦長の座を追われ逃走し、チーム・ブルーのメンバーは拘束される。監視員も襲撃され、ブルー政権は崩壊した。昴治とファイナを含むブリッジのメンバーとアインヴァルトのパイロットはチーム・ブルーに強要されていたと見なされ、制裁は免れた。
第二次ツヴァイ政権
その後、再びツヴァイが政権を握りユイリィ・バハナが3代目艦長に就任。ポイント制の続行が決定し新たに監視員募集を募るも、前回の暴動の余波を受け、志願者は大幅に下回る。
この頃から艦内の治安が悪化。暴行・リンチ事件が多発するようになる。特にポイントがらみの犯罪が急増しポイントを賭けてのギャンブルやポイント強奪事件、また一部ではミシェル・ケイのように売春も行われていた。
土星から天王星間宙域にて真紅のディカスティアと交戦。リヴァイアスは窮地に陥るも、祐希の機転で撃破に成功。この戦闘で、リヴァイアスは戦闘における初の犠牲者を出す。
稚拙な戦闘指揮の責任を追及されたユイリィは艦長職を辞職するが周囲の説得によりブリッジには残留することとなり以後、艦長職が不在の状態となる。
尾瀬イクミ政権
そして度重なる暴力事件や治安の悪化に業を煮やしたイクミがそれまで反目していた祐希と結託。数名の協力者と共にリフト艦を占拠しリヴァイアスを攻撃するクーデターを慣行。治安維持回復を訴えた。
深緑のヴァイスハイトと戦闘。撃破に貢献したイクミが4代目艦長に就任。
イクミを支持する有志達が治安部隊「ガーディアンズ」を結成。ミシェル・ケイがリーダーの座に就く。
ファイナの提案により、リヴァイアスは天王星圏チタニアに針路を取る。
ヘイガーが能力別の区画分けと居住区の移動を提案し、採用される。その提案を含め、イクミのやり方に反発を覚えていたユイリィはブリッジから離脱。ヘイガーは祐希の「障害を取り除く」ため、昴治、蓬仙あおい、ユイリィを最低のEランクに落とす。また幼児であるパット・キャンベルのEランク行きに反発したラン・ラックモルデに殴打されると、彼女もEランクに落とす。
イクミは徐々に独裁者としての片鱗をあらわにしていき秩序に関しては一応は問題児の取締りを行ってはおり、力を無暗に使わないようにすることを自他ともに言い聞かせているが、取り締まりは集団リンチといった過激なやり方な上、暴力の発生率を0%にしろという滅茶苦茶な命令をヘイガーに下すなど自身の矛盾やヘイガーやファイナにいいように利用されている傀儡政権にされていることには全く気づいていなかった。
Eランク区画はヘイガーの独断により閉鎖。これに不服を申し立てるために昴治が同区画から脱出、イクミらに直談判をする。しかし話は平行線をたどり、イクミは昴治から奪ったニードルガンを発砲し、昴治に重傷を負わせる。
その直後天王星圏付近で灰のゲシュペンストと交戦。激しい攻防が続き、イクミは乗員達をリヴァイアスからリフト艦に避難させるがヘイガーの独断でEランクの生徒をはじめ、逃げ遅れた乗員達が多数取り残される。
チタニアを目前にしてアインヴァルトがゲシュペンストのガイストと相打ちになる形で大破、戦闘続行が不可能となり、リフト艦ではその対応について紛糾する。負傷した昴治が現れて投降を呼びかけ、それを拒否するイクミと対立する。一方ゲシュペンストでは艦内に突如現れたリヴァイアスのスフィクス「ネーヤ」が停戦を訴える。ゲシュペンスト艦長コンラッド・ヴィスケスはリヴァイアス乗員の救助を部下に命じ、責任を取る形で自決する。軌道保安庁職員・矩継真琴の告発により保安庁の不祥事が明るみに出て、ヴァイア・プロジェクトの中心人物だったセルゲイ・ベルコビッチが逮捕。
突入したゲシュペンスト乗員がリヴァイアス乗員の救助に転じ、リフト艦にも現れたことにより、長きに渡る漂流は終焉を迎えた。時に2225年12月16日、リーベ・デルタ襲撃から8ヶ月後のことだった。
第三次ツヴァイ政権
この一連の漂流事件は後に「リヴァイアス事件」と呼ばれ、事件関係者は一躍時の人となった。ルクスンはテレビに出演し、彼の執筆した事件の真実が記された手記は出版されるや大ベストセラーとなり、昴治も(祐希に向けてだが)一般女性たちからサインを求められるなど芸能人のような扱いを受けた。
事件後、回収されたリヴァイアスは一度も再起動することはなかったが、矩継が再搭乗を促すべく元乗員の元へ回った。この呼びかけに約250名の生徒が応じ、再起動することとなる。昴治はイクミと無事に和解し、もともと確執のあった祐希とも以前のような険悪な仲ではなくなった。イクミも事件の中で傷つけてしまった恋人の和泉こずえと再会を果たす。
ブリッジクルーの満場一致でルクスンが5代目艦長に就任。副艦長はユイリィと三度ツヴァイがリーダーを務めることとなった。目的地は昴治の提案で天王星圏チタニアに決まり、2296年9月、リヴァイアスは再び宇宙へと旅立っていった。