概要
毛沢東による多産奨励政策が将来的な国家の危機(人口爆発による諸問題)を招くとして、彼の死後、中華人民共和国では「一人っ子政策」への転向が取られた。
しかし農村部や鉱山では(言い方は良くないが)大人の都合に従い無償でも働く「子供」が大事な労働力であり、これを失うのは大きな痛手。そこで「第二児以降は役所に届けなければ良い」と発想の転換が行われ、爆発的に増えたのが戸籍外の存在「黒孩子」である。
ちなみに一人っ子政策の前にも黒孩子はいたのだが、総人口の0.5%程度だった上両親またはどちらかに戸籍がある場合が殆んどであり、行政がその気になればすぐにでも対策できる………はずだったのだが……。
その後「両親ともに黒孩子」という、謂わば第二世代が現れたことで状況は一変する。この場合戸籍を用意するのが困難であり、更に母数が分からないまま第三世代が産まれていくと倍々ゲームで数が増えていってしまっている。
黒孩子の問題
まず戸籍がないということは行政サービスなどは一切受けられず、教育も受けられない。結果的に家業以外なにも知らず労働力として使い潰されてしまう。
また法的に存在しないため、マフィアにとっては扱いやすい鉄砲弾として重宝された。中には二束三文で売られて移植用臓器にされたケースもあったとか。
政府もこれを問題視し2015年には1300万人規模で黒孩子に新しい戸籍を与えているが、実際の数は未だに把握しきれていないのが現状。