概要
1862年11月20日(文久2年9月29日) - 1920年〈大正9年〉10月6日)
日本の小説家、思想家、作家、翻訳家、ジャーナリスト。
兄は黒岩四方之進。本名は黒岩周六。
「黒岩涙香」のほか、香骨居士、涙香小史、冷眼士等などの筆名を用いた。
号は古概、民鉄、正調庵、黒岩大。執拗な取材をおこなうことから「マムシの周六」というあだ名がついた。戒名は黒岩院周六涙香忠天居士。
翻訳家、作家、記者として活動し、『萬朝報(よろずちょうほう)』を創刊した。
主な業績
翻案小説
月世界旅行 - 1883頃 ジュール・ヴェルヌの Le Voyage dans la lune (月世界旅行)
法廷の美人 - 1888年 ヒュー・コンウェイ(英語版)の Dark Days (暗き日々)
人耶鬼耶 - 1888年 エミール・ガボリオの L'Affaire Lerouge (ルルージュ事件)
有罪無罪 - 1888年 エミール・ガボリオの La Corde au cou (首の綱)
片手美人 - 1889年 フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの La Main coupée (切られた手)
真っ暗 - 1889年 アンナ・キャサリン・グリーンの The Leavenworth Case (リーヴェンワース事件)
決闘の果 - 1889年 フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの Continuations of a duel (決闘の果)
美少年 - 1889年 フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの Où est Zénobie? (ゼノビーは何処に)
死美人 - 1891〜1892年 フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの La Vieillesse de Monsieur Lecoq (ルコック氏の晩年)
血の文字 - 1892年 エミール・ガボリオの Le petit vieux des Batignolles (バティニョールの小男)[17]
鉄仮面 - 1892〜1893年 フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの Les Deux Merles de M. de Saint-ars (サン・マール氏の二羽のつぐみ)
白髪鬼 - 1893年 マリー・コレリの Vendetta, A Story of One Forgotten (復讐)
人の運 - 1894年 メアリー・エリザベス・ブラッドン(英語版)の Lady Audley's Secret (レディ・オードレイの秘密)
捨小舟 - 1894年 メアリー・エリザベス・ブラッドンの Diavola (ディアヴォラ)
怪の物 - 1895年 エドモンド・ドウニイ(英語版)の The Little Green Man (小緑人)[18]
人外境 - 1896年 アドルフ・ベロー(英語版)の Black Venus (黒きヴィナス)
武士道 - 1897年 フォルチュネ・デュ・ボアゴベイの Les Cachettes de Marie-Rose (マリー・ローズの隠れ家)
幽霊塔 - 1899〜1900年 アリス・マリエル・ウィリアムソンの A Woman in Grey (灰色の女)[19]
巌窟王 - 1901〜1902年 アレクサンドル・デュマ・ペールの Le Comte de Monte-Cristo (モンテ・クリスト伯)
噫無情 - 1902〜1903年 ヴィクトル・ユーゴーの Les Misérables (レ・ミゼラブル)
破天荒 - 1903年 ジョージ・グリフィスの A Honeymoon in Space (空中新婚旅行)
暗黒星 - 1904年 サイモン・ニューカムの The End of The World (世界の果)
今より三百年後の社会 - 1912年〜1913年 H・G・ウェルズの The Sleeper Awakes (睡眠者目覚める時)
八十万年後の社会 - 1913年 H・G・ウェルズの The Time Machine (タイム・マシン)
島の娘 - 1913年 ウォルター・ベサント(英語版)の Armorel of Lyonesse (リオネスのアーモレル)
今の世の奇蹟 - 1918年 H・G・ウェルズの The Man Who Could Work Miracles (奇蹟を行なう男)
創作小説
無惨(別題「三筋の髪、探偵小説」) - 1889年9月10日
詳細は「無惨」を参照
六人の死骸、探偵小説 - 1896年12月6日
栄典
勲三等瑞宝章 - 1915年11月10日