令和6年度米海軍主催多国間共同訓練 リムパック24(RIMPAC2024)
サムネ画像に写るのが12式地対艦誘導弾およびその発射機。
概要
2012年に陸上自衛隊で制式化された地対艦ミサイルシステム。通称は12SSM、SSM-1(改)。
それまで運用していた88式地対艦誘導弾(SSM-1)の後継として、日本独自で開発された国産ミサイルである。
1980年代に開発されたASM-1シリーズの6番手であり、SSM-1の中間誘導システムをASM-2B/93式空対艦誘導弾(B)と同じくGPS誘導型に更新すると同時に、射程延伸や生残性の向上を図る等の性能向上が施されている。
SSM-1最大の特徴だった地形回避飛行能力は健在。これにより内陸に隠された発射機から洋上の敵艦を攻撃することができる。さらにSSM-1と発射機や発射管制システムには共用性があるとされ、SSM-1と混載して運用することも可能。
中間誘導にGPS誘導を用いるため、原理的には対地攻撃も可能とされる。レーダー捜索情報が無くとも概略方位に向けて発射することが可能なため、海自や空自の航空機などから音声伝達された捜索情報に基づいて攻撃することもできる。
射程は200km程度。
派生型
- 17式艦対艦誘導弾:12式地対艦誘導弾をベースとした艦艇発射型。通称はSSM-2。90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)の後継で、SSM-1Bとはキャニスター形状の違いで容易に識別可能(SSM-1Bがキャニスター先端部に突起が付いた丸型なのに対し、SSM-2は突起が付いていることは変わらないがキャニスター全体が角形)。
- 12式地対艦誘導弾能力向上型:17式艦対艦誘導弾をベースにスタンド・オフ能力を持たせた発展型(実質的な巡航ミサイル)。射程は当初目標で約1000km、最終的には1500kmまで延伸し、敵基地攻撃能力(反撃能力)が付与される。開発に際してはASM-3や実用化されなかった「12式地対艦誘導弾(改)」の開発成果、島嶼防衛用新対艦誘導弾の要素技術が導入されており、ステルス性向上のための弾体へのエッジ処理、長射程化のための展張式大型主翼の追加などで一見別系統のミサイルに見えるほどかなり外見は大幅に変更されている。誘導弾本体の大型化に伴い、発射器も従来の6連装から4連装に数が減らされている。他にも水上艦へ搭載する艦発型、F-2戦闘機へ搭載する空発型の開発が予定されている。
- 23式空対艦誘導弾:P-1等の哨戒機に搭載される空中発射型(名称は防衛装備庁の公示より)。以前は哨戒機用新空対艦誘導弾と呼ばれていた。