概要
航空自衛隊が1980年に制式化し、現在も運用している空対艦ミサイル。正式名称「80式空対艦誘導弾」。戦後日本初の国産対艦ミサイルでもある。
同じく戦後日本初の支援戦闘機として開発が進んでいた三菱F-1の自衛隊配備に合わせて開発が進められ、F-1の主要な武装として運用された。F-1以外にもF-4EJ改やF-2といった他の空自戦闘機にも搭載可能で、F-1の退役後もASM-1は運用が続いている。
射程は50㎞、飛翔速度はマッハ0.9、誘導は中途航程では慣性誘導、終末航程ではアクティブ・レーダー・ホーミング誘導を用いる。
性能は当時としては破格で、模擬標的に15発を発射予定であったものが直撃弾の続出で標的が破損、1発を残して終了したり、実艦標的に実弾3発を発射予定だったものが初弾で撃沈してしまったりと、開発側も想定していないほど高性能だったという(それでも主目標となるソ連海軍の艦隊に対空火器の有効射程圏内である50kmまで近づく必要があったため、実戦では甚大な被害が出ると予想されていたが)。
また、当初より発展性を考慮して設計されたことで、後の日本の対艦誘導弾ファミリーの基礎となり、派生型・発展型として88式地対艦誘導弾・90式艦対艦誘導弾・91式空対艦誘導弾・93式空対艦誘導弾等が開発されている。
終末航程にアクティブ・レーダー・ホーミング誘導を用いることから、対レーダーミサイルとして地上攻撃に転用できると主張する声も一部でみられる。
関連イラスト
PixivではASM-1を搭載したF-1を描いたイラストが少数投稿されているが、ASM-1単体で描かれたイラストは少ない。