概要
専用のメガネ(俗に言う3Dメガネ)をかけることによってスクリーンから飛び出して見える映画のこと。
様々な上映形式が存在し、映画館で上映されるもののほかにテーマパーク等のアトラクションとして上映されるものやイベントで上映されるものも多い。
歴史
3D映画の歴史は意外に古く、専用メガネを用いた立体写真は19世紀前半にはすでに存在しており、19世紀末から始まる映画史においても初期から3D作品が制作されていた。
1952年~54年頃は黄金時代と呼ばれハリウッドにて多数の3D作品が制作されたほか、1953年には日本においても東宝より『私は狙われている』と『飛び出した日曜日』の2作品が同社の開発した「トービジョン方式」による日本初の3D映画として公開された。これらの撮影には円谷英二が関わっている。しかし上映には専用の設備が必要だったために上映館数は4館にとどまり、同方式による3D映画はこの2作限りとなってしまった。
60年代末~70年代前半においては東映まんがまつりにおいてアナグリフ方式による仮面の忍者赤影(1969年)、人造人間キカイダー(1973年)イナズマン(1974年)の3作品が制作された。これらは全編ではなく一部シーンのみが3Dになっており、立体視のシーンになると登場人物が3Dメガネをかけるよう観客に呼びかけるシーンが挿入された。上映時に配られた3Dメガネは各作品のヒーローを模した一種のなりきりアイテムになっており子供たちに好評だったが、オイルショックの影響によりイナズマンを最後に途絶えることとなってしまう。なお、秘密戦隊ゴレンジャーの放送当時にも同作のアナグリフ方式による3D映画化が計画されたが、モノクロ限定というアナグリフの仕様がネックとなり(=5人全員が同じに見えてしまうという懸念があった)、断念されたことが後年イマジンあにめにて明かされている。なおそれから30数年後に後述の3D映画ブームのさなかで邦画初のデジタル3D形式の映画として公開されたのはくしくも侍戦隊シンケンジャーであった。
2000年代末ごろには洋画を中心に3D映画の上映本数が爆発的に増え、3D設備を導入した劇場も大幅に増えるなど3D映画は爆発的ブームとなった。2009年末に公開されたアバターの世界的ヒットがこれに拍車をかける形となり2010年代初頭にかけて3D映画ブームは一気に社会現象となっていき、3Dテレビやニンテンドー3DSといった映画以外の分野においても立体視を楽しめる商品が多数登場した。だがブームは間もなく収束していき2011年には日本国内において3D・2D公開作品の殆どで上映スクリーン・興行収入共に2D版が3D版を上回った。
一方ブーム終了後も3D作品は多数制作されている。