概要
パソコンソフトブランドLassが2004年に発売したアダルトゲーム。
正式なタイトルは『3days ~満ちていく刻の彼方で~』。
小説版が存在し、そちらのタイトルは『3days ~刻の彼方の眠り姫~』となっている。
また一部キャラクターの設定や世界観を共有した作品に『11eyes ‐罪と罰と贖いの少女‐』が存在する。
『無限に続く三日間』というループ世界を舞台に、繰り返される惨劇から大切な少女を守るべく行動を起こす主人公の姿を描く、いわゆるループものの作品。
主人公は恋愛対象にある幼馴染を謎の男によって自分もろとも殺されてしまうが、何故かそのたびに時間が死の二日前に戻ってしまい、時間の繰り返しから脱する方法、謎の男を倒す方法などを模索していくことになる。
作品としては、ストーリー展開の都合上、暴力シーンやグロテスクな描写を含む為、『BloodLimiter』という補助システムが存在する。またループものであることを生かし『ディスティニー・クリック』なるシステムが世界観を盛り上げる。詳細は後述する。
主な登場人物
高梨亮(たかなし・りょう)
主人公。両親を『事故』により失った少年。
幼馴染の少女『たまき』との交流の最中で恋愛感情が芽生え情事に及ぶが、突如現れた謎の黒衣の男により目の前でたまきを殺害され、自身も憎悪と慟哭の中で息絶える。
…が、気が付くと何故か死の二日前(ゲーム内では物語序盤にあたる)の朝に戻ってしまう。
最初はループ前の世界の記憶を忘れているが、徐々に自らが時間の繰り返しに囚われていることを自覚し、仮面の男からたまきを守る方法、無限の三日間から脱する方法を模索していくことになる。
同時に三日間の世界の初日に、学校の先輩である少女『美柚』が殺人事件の犠牲になったことを知り、自分でも奇妙に思うほど事件に関心をもつようになるのだが……。
藤見たまき(ふじみ・たまき) CV:一色ヒカル
学校の先輩『美柚』が殺されたことを知って事件を詮索しようとする亮を心配している。
亮のために毎朝自宅に迎えにきたり、お弁当を作ってくれる心優しい少女。
亮に恋心を抱いており、誕生日の夜についに彼と体を重ねるに至ったが、直前に黒衣の男によって殺害されてしまう。
多くのループ世界において毎回三日目に死亡、または死亡こそ確認されないものの亮が殺されて時間が巻き戻ってしまう為、彼女を惨劇から救うことがゲームの目的の一つとなっている。
柊美柚(ひいらぎ・みゆ) CV:楠鈴音
亮たちが通う学校の上級生。
物語冒頭で殺人事件の犠牲になってしまっており、学校にて彼女の死亡が伝えられることになる。
三日間のループ世界においても一日目の前日が殺害日である為、序盤では亮は彼女に会うことすらできない。
ドイツ人のクォーターであると言われており、美しい容姿と清楚可憐な物腰から学校内でも人気があったようだ。
彼女の素性を知る者はほとんどおらず、公式サイトのプロフィールでも唯一、誕生日と星座が『?』と表記されている。
亮は彼女の死に対し、ただの興味本位や犯人に対する憎悪などでは説明できない程の関心を寄せ、自分なりに真相を探ろうとするのだが……。
吾妻梨花(あずま・りか) CV:青山ゆかり
亮と同学年である、寡黙で内気な雰囲気の少女。
その態度や『のえるん』なるぬいぐるみを常に抱いている姿などから皆に避けられ、学校内では孤立している。
本編では学校の屋上から動機不明の飛び降り自殺を図るが、ルートによっては妹の『瑠花』に襲いかかり惨劇を巻き起こすなど、謎めいた行動が多い。
吾妻瑠花(あずま・るか) CV:金田まひる
梨花の妹。姉とは対照的に明るく活発。
『りあむん』なるぬいぐるみを常に抱きかかえている。
公園で遊んでいたところに亮やたまきと出会い、亮のことを「にーに」と呼び慕うようになる。
ちなみに、攻略対象ではないが性描写が存在しているキャラでもある。
広原月子(ひろはら・つきこ) CV:文月かな
美柚の死の真相を探ろうとする亮に対し、たまきが紹介した少女。
学校の『オカルト研究部』の部長で、いきなり謎の装置でホログラムを作って魔法バトルを始めたり、奇抜な衣装に改造した制服を着ているなど、色々な意味で理解したら負けな言動が多い。
民間伝承や人間心理に関する知識など雑学を多く備えており、作中では様々な助言(?)を行う。その際の彼女の台詞は周囲が眠くなるほど膨大になる為、『マシンガントーク』とも呼ばれている。
彼女の名字と同じ『広原』姓を持つ人物はLassの他作品にも多く見られ、いずれも彼女に似てエキセントリックなキャラクターとなっている。
千神奈々子(ちかみ・ななこ) CV:常盤もも
美柚の同級生であり親友の少女。
殺人事件の犠牲になった美柚に対し、心を痛めている。
Lassが制作するゲームに毎回登場するキャラクターであるが、このゲームを含めたLass過去作品において一切性描写を出さなかった存在でもあり、ファンの間では『奈々子商法』と呼ばれていた。
黒衣の男 CV:間寺司
無限の三日間において最終日に現れ、亮とたまきを惨劇に引き込む謎の男。美柚を殺した犯人ともされている。
黒ずくめのコートに身を包み、奇怪な仮面で顔を隠している。
仮面の口にあたる部分からワサビのような物体が突き出ていることから、一部プレイヤーの間では『山葵』と呼ばれている。
巷の噂では『精神病院から脱走した患者』とされているようだが……。
システム
BloodLimiter
残酷描写を含むCGに対し、その描写の軽減を行えるシステム。ONにすると多少CGの表現が穏便になる。
作中では更にこのシステムの存在を利用し、ON・OFFのどちらか限定で回収できるCGが存在する。
ディスティニー・クリック
本作がループものであることを意識して作られたシステム。
主人公は本編にて同じ日常を繰り返すことになるが、ある条件を満たしている場合、画面右下の時計が回り出し、その時計をクリックすることでループ前の世界には無かった選択肢を選んで物語に新たな展開を呼び起こすことができる。
このシステムにより出現する選択肢の条件はそれぞれ異なり、真のエンディングを迎える為の大きな鍵となっている。