奇跡と理想の楽園へようこそ。
概要
キプロスのMundfishが開発、Focus Entertainmentと4Divinityが2023年2月21日に発売したサバイバルSFホラーゲーム。ゲームジャンルはアクションRPGとFPS。対象年齢は18歳以上。プラットフォームはWindows/XboxOne/XboxSeriesX。4月13日にはBeep JapanによってPS4/PS5で発売し、さらには日本語声優が追加された。
本作の舞台は、最先端技術やロボット工学の発達によって繁栄、ポストモダンを反映させた独創的な機械や壮大な施設が建つ、架空の1955年のソビエト連邦。突如として暴走したロボットや奇怪なミュータントをなぎ倒し、国家の繁栄の裏側に潜む恐るべき陰謀と狂気を解明する物語である。
20世紀のソビエト・ロシアで活躍した、著名な歌手や音楽家の曲がゲームの随所に流れ、数多くのコンポーザーがこれらをリミックスし、予断を許さない戦闘の臨場感を高める。もちろん本作オリジナルの音楽もあり、DOOMなどで有名なミック・ゴードン氏などが作曲を務めている。
ソ連時代から現在のロシアまで長年放送された、知る人ぞ知るカートゥーン作品「Ну, погоди!(ヌー、パガジー!)」の映像の一部がテレビで流れる。
DLC
- Annihilation Instinct
2023年8月3日リリースのDLC。本編の終盤で選択肢Aを選んだ場合の後を描いた物語。薄暗い盆地を舞台に戦いが始まり、新たなスキル・武器・敵が追加される。また、変態AI「ノラ」の秘密が明らかになる。
- Trapped in Limb
2024年2月6日にリリース予定のDLC。本編の終盤で選択肢Bを選んだ場合の後を描いた物語。本編の重要な場面でたびたび登場する、あの狂気的な世界が舞台となる。
システム
戦闘
DOOMやBioShockなどの、敵の行動パターンを読みながら戦うタイプのFPSであり、高速かつ容赦のない攻撃がプレイヤーに襲い掛かる。敵にはそれぞれ耐性と弱点があり、これらはスキャンすることで判明できる。
また、戦闘やイベントによってはQTEが要求される場合がある為、最後まで油断は大敵。
アイテムとクラフト
AK47やショットガンといった武器から、電気エネルギーを発射する科学兵器、バフアイテムとしてウォッカなどが登場。大多数のアイテムは、敵を倒すかオブジェクトを調べると素材と一緒に入手できる。
素材は、各所セーフゾーンに置かれたクラフトステーションで、アイテムの作成や武器の強化に使用できる他、いらないアイテムや武器は分解して素材に戻すことが出来る。
スキル
倒した敵から入手する神経ポリマーは、プレイヤーが新しいスキルを獲得するのに必要となる。消費した神経ポリマーはいつでもリセット可能。また、能力の宣伝にカートゥーン・アニメーションがあり、ちょっぴり強めの愛国心に溢れる内容となっている。
- SHOK
瞬間的な電撃。敵の動きを少しだけ遅くする。一部の機械は一時的に止められる。
- キャラクター
基本ステータスの底上げ。
- フロストバイト
冷凍放射。敵に当て続けると徐々に動きが鈍くなり、一定時間は動かなくなる。
- マステレキネシス
サイコキネシスで宙に浮かせ、敵やオブジェクトを地面にたたきつける。
- ポリマースロー
ポリマーの射出。ポリマーまみれになった敵は属性攻撃に弱くなる。
- ポリマーシールド
ポリマーの防壁。射撃攻撃を防ぎ、近接攻撃を受けた際には敵をポリマーまみれにする。
- レイジ
エネルギーの消費を管理する。
キャラクター紹介
- セルゲイ・アレクセイヴィッチ・ナチェフ
CV:岩﨑洋介
本作の主人公。「P-3」というコードネームでKGBに所属する熟練のエージェントであり、階級は少佐。過去の記憶を失った経緯から、陰気で皮肉屋でロボット嫌いな人物。自分の命を幾度となく救ってくれたサチノフ博士に強い忠義と信頼を持つ。
- チャー・ルズ
CV:市橋尚史
P-3と意識を共有する、ポリマーグローブに搭載された人工知能。高い知性と冷静さで、時に言い争いながらもP-3の戦闘をサポートする。
- ディミトリ・セルゲイヴィッチ・サチノフ
CV:大塚明夫
3826番施設を管理するソビエト連邦の天才科学者。ポリマー技術の開発とソレを応用した大規模な計画の実行により、ソビエト連邦が架空の歴史を辿ることになった張本人である。
- ラリサ・アンドレイヴナ・フィラトヴァ
CV:小清水亜美
一流の神経外科医である女性。上司の命令に従わない、自由奔放かつ人心掌握術の才能から、ソビエト当局からの不審を買っている。
- ジナイーダ・ペトロヴナ・ムラブヨヴァ
CV:かとう有花
通称「ジーナ婆さん」。3826番施設のどこかで暮らす謎多き老婆。
- ミカエル・シュトックハウゼン
CV:杉田智和
ドイツからやって来た科学者。サチノフの目に留まるほどの優れた才能からスピード出世を果たした。
- ヴィクトル・ヴァシリエヴィッチ・ペトロフ
CV:梶裕貴
独創的なアイデアを持ちながら、施設の理念に逆らった事で懲罰を受けている若きエンジニア。
- テレシコヴァ
CV:千凛さくら
3826番施設のガイドなどを務める、女性を象ったロボット達。ソビエト連邦内の女優やダンサーなどを参考にしているため、大抵のテレシコヴァは明るく気さくで踊るのが好き。独立した人工知能のおかげで、彼女たちは暴走を免れた。
- ノラ
CV:伊藤あすか
赤い冷蔵庫という外見のクラフトステーションに搭載された人工知能・・・なのだが、一定の確率で殺戮ドM痴女と化す。
- 双子
CV:筏井かなえ
サチノフ博士のボディガード兼アシスタントを務める、大柄な2体のバレリーナ型ロボット。上着を着ていないのが「レフト」で、着ているのが「ライト」。本作を象徴するキャラクターであり、鋼鉄の女体に無貌という実にセクシーな外見が特長。Pixivでは大抵彼女らのイラストが観られるだろう。
用語
- 3826番施設
本作の舞台となる自然豊かなエリア。多くの科学者や労働者が集うこの場所は、磁力で動く列車や驚くような建造物、空中都市に社会奉仕を前提とする住宅地が数多く存在している。科学の理想郷と呼ばれたそこは、しかし今や暴走したロボットたちとクリーチャーが跋扈する地獄と化した。
- ポリマー
サチノフ博士が生み出した化学物質。ジェルのように柔らかくも形状をほとんど崩さない特性をもつ。塊は水泳が可能な上に溺れる心配がなく、加えて電気信号の伝達能力にも長けている。この物質のおかげで、ソビエト連邦は数世紀先の技術を手に入れ、国中に広大なネットワークを築くことが出来た。
- ソート
ポリマー技術を利用して生み出された特殊なデバイス。頭に装着することでネットワークに接続、情報収集・学習・機械の遠隔操作などを可能とする。P-3のグローブもこれに該当する。
- コレクティブ2.0
労働・物流・人命救助などをロボットに任せる計画「コレクティブ1.0」を成功させた、サチノフ博士率いる科学者グループが新たに提唱する大いなる計画。ソ連中の人々に、個人用のソートを提供してポリマー化を推進、全国民の神経を一つのネットワークに繋げる、というものらしいが・・・?
余談
2018年に最初のトレイラーが公開され、たびたび続報を出すなど開発を進んでいたが、2022年2月に起きたある出来事から、本作は論争の種になっている。これに対し、Mundfishは公式Twitterにて暴力の反対を声明、ミック・ゴードン氏は、収入の全額をウクライナ支援に使用することを発表した。