概要
作者がLinux環境に移行したことによって開発されたLinux用フルカラーペイントツール。
GPL3ライセンスのもと、誰でも無償で使用できる。正式名称は「AzPainter」。
最新版はVer3.0.7(2023/09/30)
2017年2月にVer2へのメジャーアップデートがされ、ユーザーインターフェイスや機能が大幅に強化された。
(しかし作者はAzPainter2(Linux)との呼び方に変更する意志はないとのこと)
2.1.7b3より、ARM環境(Raspberry PIなど)での動作が可能となった。
2021年5月にVer3へのメジャーアップデート。機能追加と共に全体的に作り直された。
動作環境:
Linux, FreeBSD, macOS(要XQuartz)
インストール・セットアップ
ライブLinuxや仮想環境でもインストール・起動できるため、Windows利用者などでもOSに変更を加えることなく試用できる。(VirtualBoxでペンタプを使用する場合「マウス統合」をOFFにする)
インストールは作者サイトよりソースをダウンロードし、各自の環境でコンパイルする必要がある。
最近のLinuxであれば依存解決を含め、4コマンドでインストールが完了するので難しくはない。
Ubuntuでのコンパイル・インストール例(READMEを参照)
$ sudo apt install 必要依存パッケージ群...
$ ./configure
$ ninja
$ sudo ninja install
特徴
AzPainterの一番の特徴は、初代AzPainterより引き継がれる操作の快適さ。
Linux版においても独自設計により、全てにおいて動作が非常に軽く、起動も一瞬である。
そして操作面において、ほぼ全ての動作にショートカットを設定できる。
その他フィルターや、レイヤの合成モードが豊富に用意されている。
機能
- 筆圧対応(XInput2)
- キャンバス回転機能
- 投げ縄・選択ブラシ等による自由選択機能(選択ブラシはVer2で廃止)
- DPIの設定が可能
- 8bit/16bitカラー(15bit固定小数点)で両方のカラービット数に対応
- レイヤのフォルダ・アルファマスクなどの機能
- 各レイヤのイメージは通常カラー(RGBA)、グレイスケール(色+A)、アルファ値のみ(16bit)、アルファ値のみ(1bit)の4種から選択でき、この使い分けでメモリを節約できる
- テキストレイヤ、トーンレイヤ(漫画制作などに対応)
- 合成フォント
- イラスト描画の他にドット絵の編集やフィルタを使った画像編集などが行える
- ブラシの詳細なカスタマイズが可能
- サブウィンドウのウィンドウタイプの切り替え機能。サブウィンドウを単体で別のワークスペースへ移動可能。
Windows版AzPainter2 との操作面での大きな違い(Ver2.1.7現在)(ver3は確認次第)
- 最大画像サイズが20000x20000まで対応
- 作業時のキャンバス回転
- 最大レイヤー数2000
- レイヤのフォルダ分け
- レイヤマスク(指定レイヤのアルファ値を描画時のマスクとして使用)
- レイヤスポイト機能(触ったレイヤを選択)
- 発光レイヤ
- 範囲選択の強化(自動選択(投げ縄)、フリーハンド選択等)
- 選択範囲の変形機能(別窓ダイアログにて)
- スタンプ機能
- ブラシの種別が統一され、詳細なカスタマイズが出来る
- ファイル形式が独自のAPDv3へ。下位互換あり。
保存対応形式(ver3.x以降)
- APDv4(Ver3.xから採用のAzPainter標準形式)
- PSD(Photoshopなど。)
- PNG、JPEG、BMP、GIF、TIFF、WebP
APD形式の注意点
AzPainter Ver3.xで保存されるAPDv4ファイルは、旧形式のAzPainter Ver1,Ver2などでは開けない。
読み込み対応形式
- 上記保存形式に加えて ADW、 APDv1-3
関連タグ
- ペイントツール
- AzPainter AzPainter2 AzDrawing AzDrawing2(同作者のWin版)
- AzMiniPainter(AzDrawingやAzPainterのLinux版が完成するまでのつなぎとして作られたもの)
- AzDrawing(Linux)
- GIMP(PSD形式に対応)
外部リンク
- AzSky2 (製作者サイト)
- AzPainter(GitLab)