F⭐︎MEGA!!
(エフッ!メガァッ!!)
概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第三部にて、テレンス・T・ダービーが挑んだ
魂をかけてのゲーム対決において、花京院典明が選んだテレビゲーム。
ジャンルはカーレースバトルゲームだが、格闘ゲームばりに駆け引きの
テクニックがあり、操作性も非常に自由なのが特徴。
名称や作中の描写からして、F-ZEROが元ネタであると思われる。
カートリッジ式のゲームソフトで、ゲーム機本体は平べったい円柱形(4代並んだモニタの中央に配置されているが、下部はおそらく配置用のポールと思われる)。
ゲームプレイには真ん中に縦長式のボタン二つ、左は十字キー、右は時計回りに緑、青、赤、黄色のボタンが並ぶ逆V時型のコントローラーを使う。
花京院曰く「(このゲーム含め)そこにあるゲームソフトは日本の若者なら『もう あきたよ』というものばかり」らしいが、
3部の舞台が1987年、元ネタのF-ZEROは
スーパーファミコンのローンチタイトル(1990年)であるため、
若干現実よりもゲーム機・ソフトの進化が進んでいたのかもしれない。
原作でもレースは迫力のある描写をされているが、アニメ版では若干レトロな3Dモデルで表現されていた。
それでも2000年代はとうに過ぎているであろう画質に見える点は突っ込んだら負けである。
劇中での勝負を見る限り、物理エンジンが搭載されているらしく、
高速度でトンネル内を走行している時であれば壁や天井部分を走る事もできる。
ガチゲーマーを自称するテレンスはもちろんのこと、テレビゲームが一人でも楽しめる娯楽だった事から花京院(スタンド能力を理由に友達を作っていなかった)も相当にやり込んでいるゲームである。
時折第二次ミニ四駆ブーム時に人気を博した某漫画のようなプレイも見られるが、F-MEGAを参考にしているかどうかは不明。
2012年発売のJOJOスマホでは実際にアプリゲーとして導入されている。しかも、何故か承太郎も選択可能であった。
主な仕様?
車種
両者共にA車(カー)を選択したが、レースゲームの仕様上車は数種類は存在するはずである。
A車の場合、MAXスピードは475km/h、フルスロットルになるまで17秒との事。
ナンバーは花京院は28、テレンスは15だったが、後者について「1月5日が誕生日なので」と
述べている事などから、車を選ぶ→好きなナンバーを選ぶ事が出来る仕様であると考えられる。
なおTVアニメ版ではこの画面で「Select your car!」とアナウンスが入る粋な計らいをしている。
操作
黄色(アクセルボタン)
スタートダッシュは黄色ボタンを押す事で行う。この時スタートする時に連打すればブーストをかける事が出来る。テレンスはこれを利用し目にも止まらぬ小刻みな連打でブーストを決め、花京院に差を付けた。
元ネタは初代F-ZEROのスタートダッシュの仕様であると思われる。
アクセルボタンを押しっぱなしにすると全速力のスタートダッシュが出来るが、すぐにオーバーヒートして大減速してしまう。
これを回避するために、アクセルボタンを連打(=小刻みに押す)事で
オーバーヒートせずにそこそこ早くスタートダッシュできる…というテクニックが存在するため、
テレンスの行った操作はおそらくこれが元ネタ。
初代F-ZEROでは上述の全力スタートダッシュからの大減速直後に
他の車に追突されると更に速くスタート出来るというテクニックも存在するが、
対戦では相手車がぶつかってくれるとは限らず、更に相手はF-MEGAをやり込んでいる花京院だったため
テレンスはこちらは避けて連打スタートを選んだとも考えられる。
十字キー(方向転換)
方向転換はこのキーで行う。後続マシンの方向に転換する事でブロックしたり、ホイールについたスパイクで弾き飛ばしたり減速させたりする事が可能。なおパワー残量が多ければ多いほど相手を弾き飛ばす力は強くなる。
操作にはかなり自由度があるらしく、ガチゲーマーのテレンスですら知り得ない裏技も多く存在する。
十字ボタンを回転するように押せば(※このコントローラーにジョイスティックはありません)マシンがスピンして相手を弾き飛ばしたり、ボタンの押し方によってはマシンを傾かせて壁走りさせる事が可能。
これらプレイを行ったのはいずれも花京院であり、テレンスをして「花京院 きさまこのゲームやり込んでいるなッ!」と言わしめた。
もちろんテレンスも裏技をまったく把握していないわけではなく、上述のパワー残量が弾き飛ばす力に比例する事を逆手にわざと花京院のマシンに弾き飛ばされ、その力で自分のマシンをコースの遥か彼方まで飛ばしショートカットする事で一気に距離を稼ぎ、花京院を戦意喪失状態に追い込んだ。
上記の「スピンして相手の車をふっとばす」というテクニックについては
初代F-ZEROには存在しないが、『F-ZERO X』(1998年発売)以降で逆輸入されており、
敵車にダメージを与える為のテクニックとして以後の作品でも登場している。
パワー残量
各プレイヤー車には「パワー残量」が設定されており、衝突時の吹き飛ばす/吹き飛ばされる力に関係する。
パワー残量が少ないと押し負けやすくなるため、同速度で併走していても不利になってしまう。
一部のテクニック(上述の花京院が使ったスピンアタック等)は敵を吹き飛ばす代償に
パワー残量を消費してしまうらしい。
F-MEGAにおいてはこのパワー残量の管理も勝負の駆け引きにおいて非常に重要になる
(TVアニメ版ではしれっとパワー残量が回復しているシーンもある)。
これもF-ZEROのエネルギー残量が元ネタであると思われるが、元ネタと違い
残量が少ないと減速してしまうというような描写はない。花京院の車にヒビが入る
描写はあるため、おそらくパワー残量が0になると車が破壊され再起不能となると思われる。
コース
劇中では一つ(コースNo.1)しか出てこなかったが、これだけでもかなり理不尽な構造をしている。
スタート後200mの直線コースまではいいのだがその後6つのコーナー、その内第3〜5コーナーは直角カーブが連続で続き道幅も狭いためやり慣れてないと普通にコースアウトを起こす。
ゲーム内の説明によれば「コースアウトは爆裂」らしいが、道幅が狭く急なコーナーが連続するセクションに限って道路脇にガードの類がまったく設置されていない。
花京院とテレンスはこのセクションのコーナリングでは互角の勝負であった。
第6コーナーを抜けた後、時速850kmまで加速できる加速トンネルから本当の理不尽が始まる。
まず、トンネル幅が1台分しかない。このため2台同時に入る事が出来ず、遅れた方はトンネルの外を走行し時速が倍近くまで加速した相手と並走するか、タイムロスを覚悟して後からトンネルに入らなければならない。
さらにトンネルの途中から画面が暗転し自分のマシンが把握できなくなる上、その状態で八ヶ所のカーブと各一ヶ所の地雷原とキャノン砲を避けて進まなければならない。何を言ってるのかわからねーと思うが(略
初見でクリアする事はまず不可能であり、何回かプレイしコースを把握しなければクリアには程遠い。
つまりこういうことか?
「『ネットではクソゲー認定されている…』」
作中でのこうした描写は元ネタであるF-ZEROがそこそこに難しく、
マシンとコースの組み合わせによっては1ミスで取り返しの付かない事態になる点や、
そのシビアな作り故にヘビーゲーマーの心を掴みタイムアタックが白熱した…という事を
誇張してパロディした結果こうなったものと考えられる。
立体化
2024年3月、「一番くじ ジョジョの奇妙な冒険 STARDUST CRUSADER」のH賞でまさかのF-MEGAのレーシングカーモデル(F-MEGA MASTERELIVE COLLECTION)が登場した。
ラインナップは花京院モデルとダービーモデルの二種。