概要
スズキが2001年に発売した、排気量1200ccの大型バイク。
その外観は、1978年に第一回鈴鹿8時間耐久ロードレースで優勝したヨシムラのGS1000Rを彷彿とさせる、レトロ調のレーサーレプリカとも呼ぶべき武骨なもの。
初年度モデルは燃料タンクの「SUZUKI」のロゴを車体と同色に揃えてプレス加工風に表現するなど、およそ21世紀のバイクとは思えない方向性の造り込みであった。
キャッチコピーも「男のバイク。」と潔く割り切っており、当時勃興していたビッグスクーターブームによる洗練されたスタイルがウケた時代に逆行したバイクであった。
エンジンはイナズマ1200の油冷4気筒を流用。
エキゾーストはマットブラック塗装のメガホンマフラーで往年の雰囲気を醸成。
後のマイナーチェンジで赤/黒のヨシムラカラーや青/白のスズキワークスカラーを設定するなど、時代に媚びない独自路線を突き進んだ。
発売当初から好き嫌いがハッキリ分かれたデザインからセールス面では苦戦。
不人気車種のイメージを脱却することなく、2004年に生産終了となった。
その後
発売から15年ほど経った2010年代後半、大型バイク市場ではレトロバイクブームが到来。
各社が往年の名車を思わせるクラシカルなバイクを発売し、軒並み好調なセールスを記録している。
同時に本車のコンセプトも再評価され、中古車市場では程度の良い個体、特にヨシムラカラーにプレミアが付くようになった。
つまり、発売が早すぎたのだ。
時代とパッケージングがマッチしなかったことが、本車の最大の不幸と言える。
この事は漫画『ばくおん!!』でもネタにされている。