概要
米国MAGPUL社が誰も頼んでないのに開発した高性能アサルトライフル。
独H&KのG3シリーズ、米国コルトのAR-15シリーズやAR-18、FNHのSCARなどの代表的アサルトライフルの良い所を抽出して作られたような銃。
ボルトリリースの配置はSCARプロジェクトに提出されていたロビンソンXCRを参考にしたともいわれている。
社長曰く「最高のアサルトライフルを作ってみたかっただけ」とのこと。
アッパーレシーバーはアルミ合金、ロアレシーバーは樹脂製となっている。
またAKシリーズのマガジンも使用することが出来るが、標準でNATO STANAGマガジンと.223口径弾仕様となっているためバレルとロアレシーバー、ボルトの交換が必要。
ボルトキャリアはマルチキャリバーに対応しており、5.56mmNATO弾、6.8mmSPC弾はボルトとバレルのみの交換で対応が出来る。
バレルだけでなくロアレシーバー、ストック、ロータリーボルトといった殆どの部品が工具を使わずに分解・交換が可能で、好みの銃身長に変えたりストック形状を変更することができる。
特にバレルまでもワンタッチで着脱可能という点は、ゼロインが必要になってしまうためにアサルトライフルとしてはやや過剰とも言え、マグプルのこだわりようがうかがえる。
もちろんアッパーレシーバーごと交換してしまえば、現場でゼロインなしで銃身長の変更も可能である。
先述したように開発目的は「最高のライフルを作ること」であり、今のところ積極的な売り込みをかけることはない。
根本的にMAGPULは銃器のパーツ製造会社であり、ライフルを生産する設備がない為かライセンスもあっさり手放しており、後にACRとして軍用向けをレミントン社が、民間向け(単発機構のみ)をブッシュマスター社が作ることになった。
ブッシュマスターACRは5.56mm、6.8mmのほかに0.450bushmaster、.300BLKに対応しており、アフターマーケットのパーツで7.62×39mm弾などへの対応も可能。
ストックなどのパーツの製造はMASADAの設計者の一人が立ち上げたKinetic Research Group社に委託されており、こちらはこちらで民生用にライバルのSCARやCz805、AR-15、MP5に挙句の果てはFAL等に取り付けられるストックアダプターを製造しており、SCARとCz805が特に人気であり、民間でもそれらの構成を目にすることが増えた。
また、2020年にレミントンが破産したことに伴い、親会社であるブッシュマスターが銃器の製造を中止した為、現在はレミントンACRもブッシュマスターACRも製造されていない。
そのため、現在はACR本体よりもストックの方が圧倒的に普及している有様である。
しかし、そもそもKRG社はボルトアクションライフルのパーツ専門の銃器会社であることや、製造中止のあおりを受けたのか現在はストックの再生産が行われておらず、ホームページからも購入ページが削除されている。
ゲームでは『Call of Duty:ModernWarfare2』に登場し、大人気キャラのゴーストが使用したことで有名だが、これは当初は登場させる予定はなく、当時MASADAの製造権を持っていたレミントン社のマーケティングによって登場したという噂が存在していたが、2023年にレミントンが経営破綻した際に社内文書の内容が明らかになり、これらが事実であったことが判明した。
これらの契約に金銭のやり取りは一切なく、銃の広告塔としてゲームが最適であるとの判断からの物だった模様。
しかし、実際には銃の設計上の欠陥によるリコールが多発しており、それほど売り上げにはつながらず、当時のレミントン社の副社長も「ACRで一番良かったのはゲームでの評判」だったとのこと。
動作機構や外見が似通っているためかFN SCARとは(主にヨルムンガンドのせいで)ライバルのように扱われることが多いが、そもそも軍向けに作っていなかったこともあり、セールスの面ではSCARの圧勝と言えるだろう。(その代わり民間ではストックが寄生することで共存している為、完全な負けでもない)
しかし2024年には民生品を販売していたブッシュマスターからも販売が打ち切られ、遂に完全な絶版となってしまい、最高のアサルトライフルの計画は途絶えることとなった。
MASSOD
7.62mmNATO弾モデルはMASSOUD(マスード)と呼ばれる。
名称は9.11の二日前に殺された反タリバンアフガニスタン北部同盟の有名な指導者であるアフマドシャー・マスード氏からとられている。
こちらはプロトタイプのみで終わっているが、昨今ではKinetic Research GroupがFOX-42という名称でM-LOK等に対応した最新型を試作していたが現在でも未発売のままである。
データ
全長 | 743mm |
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銃身長 | 266〜508mm |
重量 | 3,000g |
口径 | 5.56〜7.62mm |
装弾数 | 30発 |
IWI MASADA
ガリルで有名なIWI社が2017年から製造を開始したストライカー方式のピストル。
一応、フィリピン軍には採用されているが、目立ったヒット等はしていない。
この銃の登場により、メインアームとサイドアームどちらもMASADAにできるようになった。