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概要

基本データ

全長733/970mm
銃身長463mm
重量3,170g
口径5.56mm
装弾数20/30/40発

1963年にアーマライト社で開発。アーサー・ミラー、ユージン・ストーナーら設計。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画ターミネーターシュワちゃんが警察署内でぶっ放した銃として有名(因みに左手にはフランキ スパス12を構えている。)

日本の映画では64式小銃の代用として野性の証明復活の日に登場する。

開発経緯

アーマライトはAR-15の製造権をコルト社に売却しており、代わりとなる5.56mm自動小銃を開発する必要があった。


当時世界はアメリカを中心とする資本主義とソ連を中心とする社会主義と二分され対立していた。いわゆる冷戦である。

そのソ連はAK47といったAKシリーズを同盟国やソ連が支援している発展途上国に供与した。頑丈性と信頼性に優れたことから後にそれらの国からライセンス生産、さらにはAKシリーズをベースとした銃を生産していたのである。


一方のアメリカもソ連のやり方にならってM16を同盟国や西側寄りの発展途上国で製造させようと考えたのだが、ここで問題があった。ダイレクトインピンジメント式であること、製造法のことである。

ダイレクトインピンジメント式はM16の欄でもあった通り、ガスチューブを介しボルトキャリアに直に吹き付け、作動する方式となっており、ガスピストン式と違いバレル上方で重量物が移動しないため射撃精度に寄与できるが、高温高圧のガスが銃の作動部へ吹き付けるため、部品の寿命の減少、汚れのための作動不良等の問題が起きる場合があるということである。製造法もアルミとプラスチックを使用しており、先進国ならアルミ合金は製造できるが発展途上国では製造できるのかどうか分からなかったためで計画は中止となったのである。


そこでアメリカは西側版 AKシリーズという銃を造れないかと考えたとき、アーマライト社のAR-18に注目したのである。

製造法としてM16が採用していたアルミとプラスチックの合金からスチールプレスを多用した製造法に変更され、作動方式もダイレクトインピンジメント式からM1カービンSKSカービンと同系のショートストロークピストン式となっている。銃床は空挺部隊や車輌部隊にも配慮したことから固定式ではなく折り畳み式を採用している。


このように「M16よりタフ」とコンセプトとされたAR-18だが、ここで問題が発覚。

プレス加工なため機関部の質が悪かったこと、折り畳み式銃床が壊れやすかったことである。

さらに追い打ちをかけることに「現地でAR-18造るよりM16を造って輸出した方がええやん!」ということによりM16が大量生産されて一挺あたりの単価も安くなりこれが輸出されることでAR-18をわざわざライセンス生産する意義が失われ、軍の主要装備として採用する国は現れなかった・・・・・のだが。


バリエーションとして軍用カービンのAR-18Sがある。

民間型の名称はAR-180

アーマライトはNATO弾であるSS109に対応したポリマー製強化ロアレシーバーのAR-180Bを2001年より販売したが、レシーバーの製造を委託していたイーグルアームズが倒産したことで2007年に製造が終了した。


次世代アサルトライフルの父

上述のことでいらん子扱いされたAR-18だが、M16のダイレクトインピンジメント式とそのデザインに由来する作動不良を嫌った多くの諸国では、プレス加工・折り畳み銃床・ショートストロークピストン方式のAR-18を参考とし、形状もAR-18に類似したデザインのアサルトライフルを開発した。

ベレッタ AR70/90H&K G36L85MASADAなど多数に上り、その影響はM16よりも大きなものとなった。

かつてライセンス生産していたメーカーも独自の銃を開発している。スターリング・エンジニアリング社のスターリングSAR-87、豊和工業の89式小銃である。

台湾軍のT6591式歩槍は外見こそM16に似せているが、中身はほぼそのままAR-18である。

また、韓国軍のK2自動小銃は誕生の経緯こそ違うが、そのコンセプトはAR-18に非常に共通点が多い。


正式採用する国はなかったものの、G36やSG550などといった名銃が生まれたことにより、先見性があり次世代アサルトライフルのベースとなったAR-18は非常に重要な銃ともいえる。またショートストロークピストン方式を使用するAR-15系の銃も存在している。

そう、この銃のDNAはさまざまなところで引き継がれていったのである。


日本とAR-18

豊和工業ではAR-18のセミオートマチック専用型であるAR-180をライセンス生産していたが、これらの製品はすべてアーマライトに納入される契約だった。タイ警察軍やブラジル警察軍などやアメリカの民間向けに海外輸出されており、豊和以外にも他の会社もAR-18およびAR-180を製造していたが、その中でも豊和製のAR-180は本家のアーマライト社から高精度かつ高評価だった。

そのアメリカに輸出されたものがあろうことかIRAアイルランド共和軍)のシンパにより北アイルランドに送られてテロ活動に使用されていた事が発覚し、日本の国会でも問題となったため、豊和工業での製造は打ち切られた・・・・といわれていたが、実際は豊和製のAR-180がアメリカ国内で貧困層の者たちによって様々な犯罪に使用されていたものを、当時の野党であった日本社会党などが豊和製のAR-180がIRA(アイルランド共和軍)に使用されていると捻じ曲げ、国会で発言したため生産が中止となったのが真実である。

後に小口径アサルトライフルの試作が豊和工業で開始された際には、AR-18のデザインとプレス加工による製造法が参考にされており、完成した89式小銃はAR-18に似た構造となったため、中国やロシアなどは89式小銃をAR-18の亜種と認識している。

内部構造的には89式小銃のガスシステムにはロングストロークのガスピストンが採用され、トリガーメカや、ボルトキャリアとリコイルスプリングの配置などAR-18と異なる点も多い。

IRAとAR-18

北アイルランドで発見されたAR-180は、製造メーカ名や個体番号などの刻印が削られて、フルオート射撃が可能なように改造された(セミ・オート専用型をフル・オートに逆改造することは内部部品の一部を削る程度で容易に行えた)ものだったが、英国警察の X線撮影による鑑定作業で刻印が復元され原産国が特定された。

当時のIRAは多数の改造AR-180を入手した事で、英軍に対する軍事的劣勢を一挙に挽回する機会を得て「アーマライトと投票箱戦術」と呼ばれたテロと議会の両分野での活発な活動を始め、リトル・アーマライトという歌まで作られた。

英国側はAR-180による攻撃で大きな被害を受けたため、Widow Maker(ウィドウ・メイカー、直訳で「未亡人製造機」。「殺人兵器」の意味だが、致命事故の多発する軍用機など、自陣営が製作したにもかかわらず味方を殺傷するものに対するスラング)と呼んだ。

現在では

現在はAR-18はどこも生産していないが、米国の数々の復刻モデルを発売しているBrownellsが「BRN-180」という名称でAR-18の構造を利用しつつ近代化したAR-15用のサイドチャージ式アッパーレシーバーを生産している。M-LOKに対応しているため拡張性も高い。

AR-15と違い、バッファーチューブを使用する必要性がないため、AR-15では難しい曲折銃床の取り付けも可能である。

また、それに伴い、外観をAR-18に似せたAR-15ロアも発売している。

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アサルトライフル M16 89式小銃 IRA

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