hookedonyou
ふっくとおんゆう
正式名称は『Hooked on You: A Dead by Daylight Dating Sim』。
カナダの「Behaviour Interactive」発売の非対称オンライン対戦ゲーム『Dead by Daylight』を題材にした恋愛シミュレーションゲームである。
…もう一度言う。
アノ猟奇的殺人鬼に追い回されるホラーゲーム『Dead by Daylight』が題材の恋愛ゲームである。
しかも、有志によるファンゲームなどではなく発売元公認の正式なスピンオフ作品でもある。
開発は以前にもKFCのカーネルおじさんとの恋愛シミュレーション『I Love You, Colonel Sanders! A Finger Lickin’ Good Dating Simulator』を手掛けた「Psyop」。…なお、コチラもKFC公式作品である。
2022年8月4日にsteamにてリリース。しっかりと日本語にも対応している。
因みに本来の「Hooked on You」は「君に夢中(大好き)」という意味合いで使われるフレーズ。原作ゲームでサバイバー(生存者)を生贄として捧げるフックにもかかっている。
プレイヤーは、とある南の島でバカンスしながら、個性豊かなキラー(殺人鬼)たちと会話したり、ビーチバレーやカクテル作りなどリゾートならではの交流(ミニゲーム)を楽しみ、最後にどれだけ関係を深めたかで告白が決まる…といった流れでゲームが進行する。…そう、本作の攻略対象は「サバイバー」ではなく「キラー」なのである。
上述通り、本作舞台は原作のような不気味な霧の森や人の寄り付かぬような陰鬱とした廃墟、凄惨な事件現場、怪しい研究施設などではなく、眩しく照りつける太陽と晴れやかな空と海、白い砂浜が広がるリゾート地で、キラーを含む登場人物たちも皆、水着やアロハなど、まさにサマーバケーションを楽しむ旅行者のような出で立ちにアレンジされている。
…しかし、たとえ恋愛シミュになってもそこはDbD。猟奇的要素もしっかりと残っており、選択肢を間違えて攻略対象の気分を損ねるとると即メメントされてゲームオーバーなんてことも。
割とやりたい放題で何でもありなゲームだが、原作の雰囲気や恋愛シミュレーション要素はしっかりとしており、プレイしていると制作陣の原作愛やリスペクト、こだわりを随所に感じさせる。
また、原作内では語られなかったキラー達の意外な一面や過去なども語られており、DbD好きには堪らない作品となっている。
目覚めるとそこは見覚えのないとある島。
自身の記憶も荷物も何もかも無くし、周囲には誰もいない。
砂浜で元気にバレーボールを遊ぶ4人の殺人鬼たちを除いては・・・
自分は何者なのか? どうやってここへたどり着いたのか?
不気味ながらも笑える冒険を通じて、彼らとイチャついたりからかいあったり、時には愛を囁きながら打ち解けて、湧き上がる謎と彼らがここにいる理由を解き明かすため奔走する。
ただし殺人鬼たちはその情熱に比例してパワフルな存在。
魅力的なこの夢の世界があっという間に悪夢に変わっても不思議ではなく・・・
攻略対象
THE TRAPPER(トラッパー)
原作でもパッケージを飾っているキラーサイドの顔役的存在。本作でも原作さながらに、背中を向けながらこちらに視線を送るポーズでパッケージを飾っている。
本作では青と白のストライプ柄の上下一体型水着で登場。原作ではポッコリお腹だったが、ひと夏のロマンスのためにビルドアップしたのか、はちきれんばかりの見事な逆三角体型となっている。
背中の各所に刺さった金属片や、初期名義の「チャックルズ」の由来でもある不気味な顔の仮面は健在ながら、原作よりも素顔がハッキリと分かる構造に微修正されており、うっすら覗かせる素顔は中々のイケメン。
(実際、学術書のムービーで描写された狂気に目覚める以前の青年期はシュッとした美形であった。)
原作で暴力によって従業員たちを支配し自社を上場させ続けた父に同調していた経緯からか、今作では何かと自分の力を誇示したがる気質の持ち主で、会話時もなにかとボディビルダーのようなポージングで肉体美をアピールしている。
THE WRAITH(レイス)
原作では性能こそアレだが、儀式中のモーションや板をぶつけたときの鳴き声がかわいいと評される愛されキャラだった彼も、本作で攻略対象として登場。
原作ではボロボロのマントに包帯という死神めいた出で立ちだったが、本作では上下同じ派手柄のアロハにハーフパンツという、ちょっと変わったイケイケなファッションに変貌。
特徴的な頭部の形や白い瞳はこちらも健在だが、常に無表情だった原作から一変、喜怒哀楽の感情豊かな表情を顕にしている。
原作で勉学に熱心であった経緯からか、他の面々と比べるとクールで知的な雰囲気の言動が目立つ。
THE HUNTRESS(ハントレス)
登場以降、女性キラーの中でも特に人気の高かった彼女も堂々参戦。
原作でも男性顔負けな筋骨逞しい巨体だったが、本作では更にバストやヒップが強調されたムチムチボディという新たな属性を引っ提げ、各所にフリルのあしらわれたレオタードにパレオを巻いたセクシー且つキュートなスタイルに。
チャームポイントであるウサギの仮面も変わらず装着しているが、トラッパー同様、素顔が見えやすくアレンジされており、綺麗な青い瞳と少女のような愛嬌ある笑顔を覗かせており、上述の逞しい体型とのギャップがたまらない。
原作の背景で女児を攫って監禁し母親になろうとしていたエピソードからか、本作では子供好きなお姉さん的な性格で、何かと主人公の世話を焼こうとする。
THE SPIRIT(スピリット)
初の日本人キラーとして当時話題となり、現在も日本人ユーザー間で本名の山岡凛で愛称される彼女。本作では、紐ビキニの上からシースルー生地の着物風のネグリジェ、頭に大きな鍔付きの帽子を被った大変オシャレな姿に。
黒を基調に彼岸花をあしらったデザインに和の雰囲気を感じさせる。原作でも最低限の秘部をボロボロの包帯で隠したかなりキワドい出で立ちだったが、本作では布の範囲が増えたはずなのに妙にエロスが強まったような…?
青白い肌の色や体中に刺さった破片、分断された手足の傷などは健在だが、顔立ちは原作の絶望や憎悪により歪んだ恐ろしい剣幕からANIMEやMANGA調の正統派美少女に。
原作では生前、一族の誇りからヒステリックめいたスパルタ教育を強いた父や、学校・道場でのイジメに悩まされてきた彼女だが、それ故か本作でも後悔や不満を抱える、影を背負ったダウナー系美女として描かれている。