概要
1999年6月4日にKeyより発売された恋愛アドベンチャーゲーム。
シナリオに「泣き」「感動」の要素を取り入れた、いわゆる「泣きゲー」と呼ばれるジャンルの先駆けとなった作品。
ストーリー
家庭の事情により北国(「雪の街」)の叔母の家に居候する事になった相沢祐一。7年前まではよく訪れていたにもかかわらず、彼には当時のことが思い出せずにいた。そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、幼い頃の大切な記憶を取り戻していく。
登場人物
- 相沢祐一(CV:私市淳:2002年版・ドラマCD / 杉田智和:2006年版・PSP版)
- 水瀬名雪(CV:國府田マリ子)
- 月宮あゆ(CV:堀江由衣)
- 川澄舞(CV:田村ゆかり)
- 美坂栞(CV:小西寛子:コンシューマ版 → 佐藤朱:ドラマCD以降)
- 沢渡真琴(CV:飯塚雅弓)
- 水瀬秋子(CV:皆口裕子)
- 美坂香里(CV:川澄綾子)
- 天野美汐(CV:坂本真綾)
- 倉田佐祐理(CV:川上とも子)
- 北川潤(CV:関智一)
- 久瀬(CV:神谷浩史:コンシューマ版・2002年版・ドラマCD / 野島健児:2006年版)
主題歌
オープニングテーマ
「Last regrets」
作詞・作曲 - 麻枝准(Key) / 編曲 - 高瀬一矢(I've) / 歌 - 彩菜
エンディングテーマ
「風の辿り着く場所」
作詞 - 麻枝准(Key) / 作曲 - 折戸伸治 / 編曲 - 高瀬一矢(I've) / 歌 - 彩菜
アニメ
東映アニメーションが製作した2002年版と、京都アニメーションが製作した2006年版が放送された。
2002年版
2002年1月から3月まで全13話+DVD特典の1話が放送された。話数が13話しかないため、あゆ以外の原作ストーリーは再現できず、それぞれオリジナルの結末を迎えている。
一般的なKeyファンからの評価は低く、さらに悪名高かった頃のフジ深夜枠時代であったため、放送も2話連続(最終回は3話連続放送)なども多かった。
特にキャラデザは当時の樋上いたる絵を頑張って再現しようとした結果、「アゴアニメ」の代表的作品、という不名誉な方面に有名になってしまった。当時の視聴者からAgonと呼ばれており、現在でも定着している。
作画崩壊とも言われるが、デザインに沿っているという意味では実は崩壊しているわけでもない。
ストーリー面も合わせて酷評されることもあるが、オリジナル要素を含め高く評価する人もいる。原作ファンからは黒歴史と呼ばれタブーとなっているが、原作側のKeyはなかったことにしておらず、東映にも公式サイトが残っている。
Kanon関係のグッズ購入特典という形でオリジナルエピソードの「第14話」があったが、DVD-BOXではオミットされてしまった。後述の2006年版の存在もあって再度商品化される可能性はありえないため、現在は中古ショップで高値を出して買うしかない。
ちなみにDVDというメディア媒体が出たばかりだったこともあり、Key作品としては唯一VHS版が出ている。
主題歌
オープニングテーマ
「florescence」
作詞 - こさかなおみ / 作曲 - 上野浩司 / 編曲 - 神津裕之 / 歌 - 藤原美穂
エンディングテーマ
「flower」
作詞 - こさかなおみ / 作曲 - 鎌田雅人 / 編曲 - 神津裕之 / 歌 - 藤原美穂
最終回挿入歌
「Last regrets」
作詞・作曲 - 麻枝准 / 編曲 - 高瀬一矢 / 歌 - 彩菜
最終回エンディングテーマ「風の辿り着く場所」
作詞 - 麻枝准 / 作曲 - 折戸伸治 / 編曲 - 高瀬一矢 / 歌 - 彩菜
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 雪の少女 |
第2話 | 日溜まりの街 |
第3話 | たった一つの小さな記憶 |
第4話 | 夜へ |
第5話 | the fox and the grapes |
第6話 | 彼女たちの見解 |
第7話 | 舞踏会 |
第8話 | 少女の檻 |
第9話 | 笑顔の向こう側に |
第10話 | 冬の花火 |
第11話 | 約束 |
第12話 | 夢の跡 |
第13話 | 風の辿り着く場所 |
第14話 | 風花 |
2006年版
2006年10月から2007年3月までBS-i(現BS-TBS)で全24話が放送された。
かつての失敗から、キャラクターデザインは原作のイメージを念頭に置きつつ、樋上いたるの現在の絵柄に寄ったアレンジが成された。シナリオについても原作が特に意識されており、一枚絵で表現されたシーンを再現する演出が数多く取り入れられ、主題歌・BGMも、Keyスタッフ作曲のものが使用されている。また、東映版よりも話数が多いこともあり、原作のエピソードをより多く組み込んでいる。
当然ながら2002年版と比較して基本的に評価は高い。が、ドラマCDから一貫して担当し、ファンからの評価も高かった祐一を演じる声優を変更した事、北川の別人化、原作再現されているのは要所のみでそれ以外は改変が多分に入るなど、2002年版にはなかった批判点も存在する。
本作でもあゆシナリオをメインとしていたため、扱いが難しい名雪の扱いに関しては本作でも賛否両論ある。
※こちらはBD-BOXまで発売された。
主題歌
オープニングテーマ
「Last regrets」
作詞・作曲 - 麻枝准 / 編曲 - 高瀬一矢 / 歌 - 彩菜
エンディングテーマ
「風の辿り着く場所」
作詞 - 麻枝准 / 作曲 - 折戸伸治 / 編曲 - 高瀬一矢 / 歌 - 彩菜
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 白銀の序曲〜overture〜 |
第2話 | 雪の中の入祭唱〜introit〜 |
第3話 | 記憶のない組曲〜partita〜 |
第4話 | 休日の奇想曲〜caprice〜 |
第5話 | 魔物たちの小夜曲〜serenade〜 |
第6話 | 謎だらけの嬉遊曲〜divertimento〜 |
第7話 | 家出と仔猫の遁走曲〜fuga〜 |
第8話 | 追憶の幻想曲〜fantasia〜 |
第9話 | 子狐の子守歌〜berceuse〜 |
第10話 | 丘の上の鎮魂歌〜requiem〜 |
第11話 | 光と影の間奏曲〜intermezzo〜 |
第12話 | 異形の円舞曲〜waltz〜 |
第13話 | あぶなげな三重奏〜trio〜 |
第14話 | ひびわれた協奏曲〜concerto〜 |
第15話 | かくれんぼの小奏鳴曲〜sonatine〜 |
第16話 | 真夜中の聖譚曲〜oratorio〜 |
第17話 | 姉と妹の無言歌〜lieder ohne worte〜 |
第18話 | 消え去りゆく緩徐楽章〜adagio〜 |
第19話 | ふれあいの練習曲〜étude〜 |
第20話 | 別れの夜想曲〜nocturn〜 |
第21話 | 君のいない輪舞曲〜ronde〜 |
第22話 | 追想の交響楽〜symphony〜 |
第23話 | 茜色の終曲〜finale〜 |
第24話 | 夢の果ての追復曲〜kanon〜 |
外部出演
key作品クロスオーバーアニメ『かぎなど』に主要メンバー全員登場。前述の両方の設定を複合されており作中は2006年版の批判を皮肉られたシーンも存在する。
※なお、声は設定上2006年版基準だが、佐祐理を演じた川上女史が故人の為、本作で佐祐理及び神尾観鈴は真田アサミが演じている。