「それ『明らか』じゃなくてあなたの感想ですよね」
それあなたの概要ですよね
2015/06/22(月)に放送された『ビートたけしのTVタックル』におけるひろゆきこと西村博之が発したセリフ。
ネット規制が議題にされた際、とある規制賛成派の論客がひろゆきと堀江貴文による「バカに何やっても無駄だ(意訳)」という意見に対して「昔からいたバカが可視化されただけ、なんて軽い問題じゃない。明らかに悪意のあるネット配信者が調子にのって不特定多数のユーザーを巻き込んで問題をおこしている。(要訳)」と発言し、ネット規制の正統性を示そうとした。
しかし、この発言は具体的な情報源(=ソース)がない感情論に過ぎず、そこを的確に突いてひろゆきが発したカウンターが「それ『明らか』じゃなくてあなたの感想ですよね」である。
ひろゆきを象徴する名言の一つであり、彼の頭の回転の速さが窺える。
これ以降、一方的かつ主観的な意見、すなわち偏見・デマ・ミスリードに対する定番の返答としてネット上では定着した。
ただし、ひろゆきには議論の場などでは持論は積極的には述べず、他者の矛盾点へのツッコミに終始しがちという悪癖が多数のユーザーから指摘されており、彼自身の人柄を語る際のマイナス要素としても取り上げられることもある(本人曰く「それがオイラの処世術」)。
根拠のない発言を指摘するものだが、ひろゆき自身も「朝鮮学校に通うとアメリカに留学できない(ファクトチェックで不正確で事実と異なると判定済み)」等根拠のない、または乏しい情報を鵜呑みにした上に広めようとする事もある。彼自身が議論及び偽情報に強いことを示す言葉ではなく、議論中に相手の揚げ足を取ることに特化した言葉であると言える。
意外な事だが、ひろゆき氏が地上波でこの言葉を発言したのは上記の1回だけで、Youtube上では1回も発言していないという。
ちなみに、これに続く言葉は「なんかそういうデータあるんですか?」、そしてこれまた有名な「なんだろう、ウソつくのやめてもらっていいですか」である。
注意
上記の経緯で広まった言葉であるが、あまりに普及しすぎたこともあり、現在は煽り文句としても陳腐化しているのは否めない。
調子に乗って使いすぎると、逆に馬鹿の一つ覚えとして、それこそひろゆきの嫌いな「頭の悪い人」という印象を与えることになるだろう。
また文脈的にも個人の主観をあたかも客観的事実であるかのように断定したことに対して突っ込んだ台詞である。個人の感想を言ってはいけない、相手の感想が自分の感想と違うから気に入らない、という意味で使う言葉ではない。そこの文脈を履き違えて使うとただの心が狭い人となってしまう。
今回のように「明らか」「絶対」「必ず」等の言葉を使うと余計にそれが客観的に正しい事実であると他者に誤解させやすく、しかも(不特定多数が利用し、かつ一般的に正しい情報を提供する媒体だと認識されやすい)テレビ番組の中の発言だったため、視聴者に対して「いまのは事実ではない、個人の意見ですよ」とちゃんと伝える必要があったからこういう発言をしたという旨をひろゆきは自著『論破力』の中で語っている。
海外でも似たような風潮はあるようで、相手の発言に対してむやみやたらに根拠や証拠の提示を求めたり不毛な質問攻めにする行為は「シーライオニング」と呼ばれ、嫌がらせ扱いもされている。
語源は『Wondermark』というアメリカのwebコミックサイトに掲載された『The Terrible Sea Lion』(訳:ひどいアシカ)というエピソードから。アシカは苦手と語った女性に対してどこからともなく現れた1頭のアシカが粘着して、丁寧な口調でありながら陰湿で不毛な質問攻めを延々続けるというエピソードである。
そもそも現実・ネット問わず人間の発言は情報源をいちいち示していない。
つまりほぼ個人の感想であり、そこを執拗に突いて勝ち誇るのも野暮なのである。
ベネッセホールディングスが2022年12月に発表された「小学生の流行語ランキング2022」では何と、この言葉が第1位に選ばれてしまった。
ひろゆき氏は自身のTwitterでこれを紹介し、「先生やりづらそう。。。」とコメントしている。
「それってあなたの感想ですよね」小学生の流行語1位に ひろゆき本人もコメント
更に、2023年9月6日放送分のテレビ朝日系列ニュース番組「グッド!モーニング」では、上記のニュースが地上波で取り上げられる事態へと発展した。