「勇者とその忠実な仲間が、王子のために古代の秘宝を持ってくる。…まるでいっぱしのおとぎ話だな…」
「それで、心から望むものは何だ?どんな取引がしたい?」
「ああ、素晴らしい気分だ!」
CV:山口眞弓
概要
二本の角の生えた人の姿をしたデイドラロードで、「契約」「約束」「望み(願望)」などに関連する事象を司る魔神である。似た存在として、「商売」「労働」「交易」「取引」などを司るエドラ(エイドラ)のゼニタールがいる。
お供の喋る犬っころことバルバスとは家族も同然の腐れ縁で、一柱+一匹でワンセットという異色なデイドラロード様でもある。
バルバスの方もクラヴィカスのことは良き親友と思っているようで、Elder_scrolls_Ⅴ:SKYRIM作中の彼等のデイドラクエスト「デイドラの親友」では、些細な行き違いから仲違いをした彼らをあの手この手で仲直りさせることが目的となる。
また同クエスト内で彼に叶えて欲しい望みを伝えることもできるが、「内戦を終わらせて欲しい」と願うと「大陸中のドラゴン全てをこの世に蘇らせれば人間全てが滅びるが?…よし、望み通り内戦を終わらせてやろう」と勢い余ってデイドラ節全開で世界を滅ぼそうとしたりとお茶目な面もある。
人物像
クラヴィカス・ヴァイルは「契約」という事象を司る性質上、ある意味トップクラスに人間社会と切っても切り離せない強大なデイドラとして描かれる。
良好な関係が築ければ国一つを築き上げれるだけの莫大な富を与えてくれる一方、神話や伝承で伝えられる彼の姿の多くは狂気の神や夢の神などと同じく、人を言葉巧みに惑わし続けては契約の穴を付いて出し抜いてくる厄介な魔神でもある。
しかし自分の側が出し抜かれたりコケにされる事については我慢ならないらしく、ESOのチャプター「サマーセット」においては、ある存在に出し抜かれたことに気づくと激怒し、直前まで敵対していた面影(ESO主人公)に上から目線ではあるものの助力を申し出る面も。 (※1)
加えて、彼の生み出したアーティファクトは彼自身にもコントロールできないことも多く、実際に自身のペットなはずのバルバスと口喧嘩で仲違いしたり、自身の生み出した魔剣ウンブラで数世紀にわたって大ダメージを負ったりと、何かとスケールの大きいブーメランを放ちがちな御方である。
- ESO クエスト「不本意な同盟」
各作品において
【Daggerfall】
この頃から角の生えたゴブリンや子鬼のような姿で犬を相棒に従えている基本イメージが出来ている。
【Redguard】
オブリビオンの領域まで入ってきたレッドガード、サイラス(Redguard主人公)と会っている。
【Morrowind】
【Oblivion】
【Skyrim】
スカイリム南部の町ファルクリースのクエストにて登場。相棒のバルバスと喧嘩しており、その仲裁にとバルバスが連れてきたドヴァキン(Skyrim主人公)にニルンでの用事を頼む。
【ESO】
チャプター『モロウウィンド』に登場。三大神として知られるトリビュナルに対して裏工作や破壊活動を仕掛けていた。
DLC「クロックワーク・シティ」においては、バルバスを通じての工作や破壊活動をおこなっており、ソーサ・シルの築いたクロックワークシティを探し出して侵入を試みていた。
チャプター『サマーセット』では他のデイドラ公と信者たちとの同盟組織「ベドラムの宮廷」を結成し、信者たちを通じてサマーセット本島で活動させており、自らも眷属スカーフィンの姿で他のデイドラ公とともに登場している。
アーティファクト
【クラヴィカス・ヴァイルの仮面】
クラヴィカス・ヴァイルの生み出した最も有名なアーティファクトの一つで、装備した者の話術スキルが上昇する特殊な叡智の込められた黒檀製の仮面である。
今作でこそ少しばかり怪しげな民族的意匠の仮面なアイテムではあるものの、前作OBLIVIONではもはや話術が上がるどころの騒ぎではないビジュアルとなっており、ノクターナルの灰色頭巾と並ぶインパクト抜群の見た目となっている。
【ウンブラ】
魔剣ウンブラとして作られた意志を持つ刀剣のアーティファクトで、偶然にも意図的に剣の中に自我を獲得したヴァイルの力の一部、あるいはヴァイルが意図せず何らかの形で剣の中に閉じ込めてしまった存在であるとされる。
最終的にヴァイルの意志から解放されたウンブラは逆にクラヴィカス・ヴァイルの力の大半を引き出して盗むことに成功し、次回作のSKYRIMに登場するクラヴィカスがタムリエル大陸の歴史上かつてなく大幅に弱体化して疲れ果てたピカチュウも同然の状態となる原因となった。
支配領域
「悔恨の草原」(Field of Regret)
クラヴィカス・ヴァイルの統治する広大な領域で、シロツメクサの咲き乱れる畑や豊かな森林地帯、牧歌的な草原などが存在し、のどかな田園の広がる世界である。
たまに空中に異様な状態で静止した崩れた尖塔や田園で寛ぐスカーフィンたちを見かけること以外、かなり現世の世界の雰囲気に近く、穏やかな領域である。
眷属
【バルバス】
「犬が喋ったのか?」「ああ、喋ったとも。黙るつもりもないがね」
クラヴィカス・ヴァイルの古来からのズッ友…もとい唯一無二の親友であり、気難しいクラヴィカスの愚痴を聞いたり、逆に契約事などで日頃のストレスの多いデイドラロードの鬱憤を口喧嘩で晴らしたりと様々な用途に使われている。
360°どの角度から見てもモフモフのわんこに見えるものの、クラヴィカス曰く完全に不死のデイドラそのもので、しかもクラヴィカス本人がその絶大な魔力の半分をバルバスに分け与えているため相当強い部類のデイドラに分類される。
たとえ死んでも数百年余り経てば平気で復活することもあり、クラヴィカスからは投げやりに放し飼いされている。
一般的には彫像で表現されているような犬の姿で知られているが、本人いわく犬の姿はあくまでお気に入りの一つでしかないらしく、犬以外にもスキャンプの姿やヴァイルの眷属であるスカーフィンの姿で現れた事もある。
【スカーフィン】
スカーフィン(Skaafin)という黄金色の肌に頭に長い角を生やした人型のデイドラが領域内には数多く存在しており、彼の領域内の長閑な田園畑の風景の中で異彩を放ちながら警備を行なっている。
手鏡を通じて互い同士に意思疎通を図るというノスタルジックな能力を持っているほか、武術や強力な魔術に精通した者も多い。
伝承
【収束?】
かつてタムリエル大陸南東部にあるシャドウフェン地方でのスティルライズ村では、かつてナハテン風邪という伝染力の極めて高い風土病が蔓延していた。
そこに住むコスリンギ族の人々がクラヴィカス・ヴァイルと契約し、疾病の治癒を願ったという。
契約は完了し、クラヴィカス・ヴァイルはその村の全ての人々を生きたままアンデッドに変えたことで風土病は収束したという。
【同一人物?】
他のデイドラ公たちが単独の存在で孤立しているのに対してヴァイルだけはバルバスという相棒がいる。この関係性について、社交的なヴァイルが単独では耐えられずその相手としてバルバスが生み出されたとしており、「ヴァイルとバルバスは二つの姿を持つ同一の存在である」という説を主張する者もいる。(※1)
- 帝都の寄宿デイドラ学者ペラギウス・ハバル『バルバスの悪しき真実』