クリュティエ

くりゅてぃえ

オウィディウスの「変身物語」に登場する水のニンフ。海神オーケアノスとテーティスの娘。太陽神アポロンへの想いの深さ故に向日葵の姿に変わる。

概要

海神オケアノスと女神テテュスの娘である3000もの姉妹・オケアニスの一柱であるニンフ。後に太陽神アポロンと恋人同士になったものの、アポロンはペルシアの王女であるレウコトエと浮気してしまう。怒ったクリュティエはレウコトエの父であるペルシア王に「太陽が昇らないのはレウコトエがアポロンを誘惑しているせいだ」と吹聴し、レウコトエを処刑させた。しかし、レウコトエを喪った悲しみに暮れるアポロンはクリュティエに見向きもせず、やがてクリュティエはアポロンを見続けた結果、ヘリオトロープ（後の解釈では向日葵）に姿を変えてしまった。ちなみに、向日葵は太陽に向けて咲く花だからその解釈に変わったのだろう。