概要
スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』で、主要人物の一人・ハクが思い出せずにいた自分の実名。
彼の正体は、千尋が以前住んでいた家の近くの小川「コハク川」の主である神・「饒速水小白主」で、昔溺れかけた幼い千尋を助けた事があった。彼女のことを知っていたのはそれが理由である。
だがその後、自身の宿る川はマンション開発で埋め立てられ消滅。帰る場所を失った彼は元の在り方も見失い、湯屋に流れ着いた末に、湯婆婆に魔法を習う為弟子入りしていた。
銭婆の家から戻る際に千尋が語った思い出話により、自分の本当の名前を思い出す。
そして元の世界に戻る千尋との別れ際、湯婆婆の弟子を無事に辞めてみせると語り、いつかまた会いに行くと約束した。
余談
- 映像媒体作品の日本語字幕表示では仮名文字で表記される。
- ハクが釜爺の静止も聞かず魔法を湯婆婆から習おうとしたのは、コハク川という欠落を取り戻そうという衝動が、力への渇望に転じていたのではないか?などの考察もあるが真偽は不明。
- 絵コンテなどには、「油屋の従業員は、千尋を含めハク以外全員偽名を契約書に書いたので、ハクほど強い魔法に縛られる事もない」や「湯婆婆が魔女の契約印を欲しがるのは、それがある事で契約を自由に変更でき、従業員を奴隷化したいため」などが書かれている。ハクが正直に名前を書いたのも、清廉な神である事が関係しているのかもしれない。
- 河の神が苦団子を千尋に託したのは、千尋やハクの運命を察知して救済しようとしていたとも捉えられる。河の神もハクも、格の大小はあれ共に河川を司る白い龍神である。