日本の皇室のはじまりは、神話の中の「天孫降臨」に遡るといわれている。
皇祖神である天照大御神が、孫の邇邇芸命に「この豊葦原瑞穂国を治めるように」と神勅と三種の神器を与えた(ただし、日本書紀では高御産巣日神が天孫降臨を命じている。高御産巣日神も皇祖神)。
天照大御
神が治めていたのは高天原で、天上の世界とされる。
豊葦原瑞穂国(葦原中国)とは、日本のことを褒めた呼び名である。「豊かな葦原に瑞々しい稲穂が実る国」という意味で、古代の日本人の「自分の国はこうあってほしい」という願いが込められている。
高天原から見て、豊葦原瑞穂国は下界(地上)となる。天照大神の孫、邇邇芸命が地上を治めるために五伴緖神(五部神とも。伊斯許理度売命、玉祖命、天児屋命、太玉命、天宇受売命の五柱をまとめてこう呼ぶ)を伴って、猿田毘古神の案内のもと高天原から日向国(現在の宮崎県)高千穂へ降臨した。
そして、邇邇芸命のひ孫にあたるのが初代天皇・神武天皇である。
天皇の公式の家系図である皇室の統譜は天照大御神から始まっており、そこから神武天皇に繋がりそこから更に現在まで一系統で続いてきた。現在でも日本の天皇は自身を天照大御神の子孫と称している。